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男性「どうしても話しておかなければ…」真剣交際目前の“重大な告白”→悩みながらも「彼と生きていく」と決めた婚活女性の結末は?

  • 2025.12.11
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

仲人として活動してきた中で、今でも忘れられない“重大な告白”があります。ある20代前半の女性会員の話です。

明るく愛嬌があり、両親の仲の良さに憧れて結婚を強く望んでいました。

日々お見合いをこなす中で、初対面なのに居心地がよく、会話のテンポも自然に合う男性と交際に進みました。デート中も一緒にいる時間が楽しく、お互いが自然体でいられる。彼女自身も「この人となら理想的な家庭が築けそう」と前向きになっており、私も安心して見守っていました。

順調な中、突然の彼からの告白

ところが、そろそろ真剣交際になりそうだと予想していたタイミングで、彼が「どうしても話しておかなければいけないことがあります」と切り出したのです。

内容は、家族に“深刻な病気の遺伝リスク”があるという告白でした。必ず発症するわけではありませんが、発症した場合は将来に大きく影響する可能性があると彼は言います。

前向きに生きることに集中しようと決めていた彼が静かな口調で話す姿は、事の重大さを感じさせたそうです。

「好き」という感情だけでは埋められない現実

その場では冷静を保っていた彼女も、後日、私との面談で説明を始めた途端、涙が止まらなくなりました。

彼への気持ちは確かにある。けれど、もし結婚したら介護が必要になるかもしれない。子どもを望む場合にも影響があるかもしれない。好きという感情だけでは埋められない現実が次々と頭をよぎったと言います。

彼女の将来を思うあまり、私の心にも迷いが生まれました。しかし、これは私が結論を出すべき問題ではありません。背中を押すべきか迷い続け、私自身も苦しい時間でした。

悩み抜いた末の女性の決断は?

相談所同士でも話し合いましたが、結論は「これは当人たちの気持ちにゆだねるしかない」というものでした。病気の重さも、歩む人生も、誰かが代わって決められる問題ではありません。

私は彼女に「一度ご両親にも相談してみて」とだけ伝えました。

数日後、彼女は両親の言葉を教えてくれました。「あなたの気持ちを大切にしなさい。応援するよ」。その一言が、彼女にとって大きな支えになったようです。悩み抜いた末に彼女は、「理解した上で彼と生きていく」と決断し、二人は成婚退会しました。

成婚退会の際、彼女から一通の手紙をもらいました。

「毎回、どこに違和感を感じるのか一緒に考えてくれたおかげで、自分の好みや譲れないことが分かった気がします」。

その一文を読んだ瞬間、背中を押すことに迷い続けていた私自身の不安も報われた気がしました。同時に、仲人にできることの線引きも強く自覚した瞬間でした。

翌年には結婚式の写真と、「今、新しい命を宿しています。幸せです」という近況まで届き、少し泣きました。

結婚は、現実を一緒に受け止められる相手を選ぶこと

重大な事実は最初から分かるとは限りません。けれど、“隠す人”と“共有できる人”には決定的な違いがあります。

結婚を考える上では、家族の既往歴、健康状態、将来の働き方、子どもについての価値観など、聞きづらい項目こそ早めに話しておくと後悔は少ないものです。

そして“言いづらいことを、どのタイミングで打ち明けてくれる人なのか”は、相手選びの大切なポイントになります。

結婚は完璧な相手を選ぶことではありません。現実を一緒に受け止められる相手を選ぶことです。

彼女が選んだ“覚悟”は、確かに幸せへとつながっていきました。人生を左右する場面ほど、立ち止まっていいし、向き合うことで未来がひらけることもあります。あなた自身が納得して選べる相手こそ、いちばん安心できる相手だと思います。

※プライバシー保護のため、実際のエピソードを元に一部内容を再構成しています


ライター:トウカ

婚活アドバイザー・仲人として、多くの会員さまの活動をサポートしています。現場での日々の相談を通して感じたことや、実際のエピソードから得た気づきを言葉にしています。