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カニを契約してしまった高齢の親 12月に横行する“突然の電話”に「年末は特に注意」「キャンセルしたい」

  • 2025.12.10
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

年末年始が近づくと、食卓をちょっと贅沢に彩りたくなる人も多いのではないでしょうか。その象徴的な海の幸といえば「カニ」。旬の味を楽しみにしている家庭も少なくありません。

しかしこの時期になると、毎年のように相談が増えるのが、“カニカニ詐欺”などと俗称されることもある、海産物を巡る電話勧誘・送りつけ商法です。

「今だけ特別価格」「キャンセルが出たので安くしますよ」と、もっともらしい言葉で急かしてくる電話や、断ったはずなのに突然クール便が届くケースも。毎年注意喚起が出ているにもかかわらず、今年も被害や不安の声が後を絶ちません。

今回は、どんな手口なのか・どう対処すべきか・困った時の相談先をまとめてご紹介します。

「先日はご利用いただき…」にご用心

おいしいカニを納得のいく金額で手に入れられると良いのですが、中には悪質な押し売り商法もあるようです。

季節の需要に乗じて、全国各地で毎年のように相談が寄せられるのが、強引な電話勧誘や送りつけ商法、いわゆる「カニカニ詐欺」です。手口はさまざまですが、典型的なのが次のようなパターンです。

  • 「旅行先で買い物したことがある」「以前、購入していただいたことがある」という業者から電話がくる
  • 「今だけ特別価格」「助けてほしい」と強く勧誘される
  • 断りづらい空気を作り、住所や名前などを聞き出し、半ば強引に話を進める
  • 断ったはずなのに、後日「商品を送りました」と連絡がくる
  • キャンセルしようと電話したものの業者につながらない、連絡先が分からない
  • 代引き配達で届いたカニの身はスカスカでかなり質が悪い
  • 事情を知らない家族が代金を支払って受け取ってしまった、キャンセルしたい

特に「以前お買い上げいただいた方にご案内していまして…」といった“身に覚えがあるように錯覚させる話術”を使われると、つい話を聞き続けてしまい、気づいたら購入を了承していた…というケースも少なくありません。

このような相談や被害は、数年前から目立つようになり、各自治体や消費生活センターが注意喚起を行っています。

特に高齢者が狙われやすく、「親が引っかかっていた」という声も増えています。

買うと言ってしまった時・勝手に届いた時の対処法

相手の話術に押され、つい「じゃあ購入で…」と言ってしまっても、あきらめる必要はありません。

国民生活センターによると、電話勧誘による契約は、クーリング・オフの対象になるケースがあります。商品が届いた後でも8日以内なら書面で契約解除が可能な場合があるため、まずは自治体の消費生活センターに相談してください。

一方、断ったのに商品が届く、これは典型的な「送りつけ商法」です。

特定商取引法では、注文や契約をしていないにもかかわらず一方的に送りつけられた商品については、まずは受取拒否をすることが先決。もし受け取ってしまっても、開封さえしていなければ商品を処分して問題ないとのこと。消費者側が返送料を負担する必要もありません。

ただし、商品代金の支払い後に事業者と連絡が取れず、代金を取り戻せなくなるトラブルも起きています。そのため国民生活センターや各自治体は、身に覚えのない商品は「受け取らない」「支払わない」ことを強く訴えています。

不審に思ったり、対応に困ったりした時は「188」へ

トラブルに巻き込まれた時、迷ったらすぐに、消費者ホットライン「188(イヤヤ)」に電話を。お住まいの地域の消費生活センターにつながり、具体的な状況に応じて専門の相談員が対応してくれます。

また、都道府県や自治体の消費生活担当窓口などでも電話相談を受け付けています。

「こんなことで相談していいのかな?」という軽い疑問でも問題ありません。被害を広げないためにも、早めの相談が大切です。

「親が騙された」「届いた商品がひどくてショック」被害の声が続々

以前から問題視されている“カニカニ詐欺”ですが、SNSでは最近でも、被害に遭いかけた人や実際にトラブルに巻き込まれたという投稿が多く見られます。

  • 「親がまんまと騙されて20,000円相当のカニの契約をさせられた」
  • 「断ったのにクール便で届いたから怖い。送りつけ商法って本当にあるんだ」
  • 「高齢の祖母のところに複数回電話が来ていた。年末は特に注意したほうがいい」
  • 「母が同情して買おうとしてて…怪しいと思ってすぐに電話代わって断った」
  • 「仕方なく受け取って開けてみたら…商品がひどすぎてショック」

特に「高齢の親のところに電話が来た」「断ったのに届いた」といった家族からの相談が多く見られました。

中には、業者の名前や連絡先などが書かれた商品明細などの画像とともに、騙されないよう注意を呼びかける投稿もあり、こうしたトラブルが身近で発生していることがうかがえます。

「急がせる勧誘は要注意」家族で声かけを

年末年始は、「限定」「特別価格」「今なら間に合う」など、心を揺さぶる言葉についつい反応しがちです。しかし、急かしてくる勧誘や不自然な押し売りには、しっかりと距離を置くことが大切です。

特に高齢の家族がいる場合は、「こういう電話が増えているらしいよ」「勝手に送られても払わなくていいんだよ」と、日頃から声をかけておくことで被害を防ぎやすくなります。

もし不安や疑問があれば、早めに188に相談しましょう。安心して年末年始を迎えるためにも、家族みんなで情報を共有してトラブルを遠ざけたいものです。


参照:
高齢者を狙った海産物等の送りつけ商法に注意してください(東京都消費生活総合センター)
突然の電話で「カニを特別価格で」と強引に勧誘されて…(神奈川県川崎市)
カニカニ詐欺に注意!!(佐賀県多久市)
電話で断ったのに、代引配達でカニを送りつけられた(国民生活センター)