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ずっと兄のことが怖かった。距離を置いていたのに──突然「俺も乗せて」助手席に乗り込んできた!

  • 2025.12.4

お兄ちゃんがいていいな、と小学生の頃友人から言われたことがあります。
しかし当時の筆者は兄が怖くて、まともに話も出来ない状態でした。
数年後、運転免許を取得しドライブに行こうとするとなぜか兄がついてきて……?

画像: ずっと兄のことが怖かった。距離を置いていたのに──突然「俺も乗せて」助手席に乗り込んできて!?

怖かった兄

私には3歳上の兄がいます。
幼い頃はそれなりに一緒に遊んだ記憶もあるのですが、お互いが小学校に上がってからはそんな機会もなくなります。

私の目から見ると、兄はいつも機嫌が悪く怒っているような顔をしていました。
そんな時に声をかけようものなら、
「あっちいけよ!」
と理不尽に怒られるので、私は子供ながらに兄と距離を取っていました。

予期せず兄とのドライブ

それから数年後、私は19歳の時に車の免許を取得し、練習がてら父の車で近所を走ってみることにしました。
出かけようとすると、
「オレも一緒に行く」
その時家にいた兄が声をかけてきて、さっと助手席に乗り込みました。

え?
兄と二人だけで外出なんて、私は車内で大いに戸惑いました。

慣れない運転と兄との外出であたふたする私をよそに、
「お前と出かけるなんていつ振りだろうな。あ、そこ左な」
懐かしむような口調で的確な指示を出しながら、兄が言いました。

兄からの思いがけない言葉

車内のほどよい振動とエンジン音が口を滑らかにするのでしょうか。
車が順調に進む中、
「昔は悪かったな。オレいつもイライラしてたよな」
思ってもみなかったことを兄は口にしました。

信号待ち中、チラッと見た兄の横顔は穏やかで、そこに子供の頃に感じた怖さはありませんでした。
きっと私が一人で運転するのを心配して一緒に来てくれたんだろうな……。

兄のさりげない優しさを感じて、私の中で長年のわだかまりが解けていくような感覚がありました。
短いドライブでしたが、今でも良い思い出です。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:田辺詩織
元医療事務、コールセンター勤務の経験を持つ在宅ワーカー。文学部出身で、文章の力で人々を励ましたいという思いからライターの道へ。自身の出産を機に、育児ブログを立ち上げ、その経験を生かして執筆活動を開始。義実家や夫、ママ友との関係、乳幼児期から中学受験まで多岐にわたる子育ての悩みに寄り添い、読者が前向きになれるような記事を届けている。

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