1. トップ
  2. 【50代からのひとりの楽しみ方】「ひとりは寂しい」から「ひとりを楽しむ」へ25年で女性のマインドが大変化!?

【50代からのひとりの楽しみ方】「ひとりは寂しい」から「ひとりを楽しむ」へ25年で女性のマインドが大変化!?

  • 2025.11.30

【50代からのひとりの楽しみ方】「ひとりは寂しい」から「ひとりを楽しむ」へ25年で女性のマインドが大変化!?

日本初の女性知事が大阪に誕生したのが2000年。雑誌『ゆうゆう』はこの年に産声をあげました。25年間に大きく変化した読者マインドの軌跡を振り返ります。

創刊から25年間、読者マインドが大変化!

「50代から私が主役」をキャッチフレーズに『ゆうゆう』第1号が刊行された当時、シニア女性向けの雑誌はほとんどありませんでした。けれど、更年期、年金の不安、子離れ、夫の定年、親の介護など、女性には50代以降もたくさんの難所が待ち構えています。まだインターネットが広く普及しておらず、SNSなんて影も形もなかった頃で、受け取る情報量は今よりずっと少なかったはず。シニア世代の女性の声を発信する『ゆうゆう』は、大きな共感をもって迎えられました。

女性はひとりで行動すべきではないという時代

そんな『ゆうゆう』で最初の大ヒットとなったのが「ひとり上手になりませんか」という企画です(2002年9月号)。このときのアンケートによれば、ひとりで喫茶店に行ける人は65%、映画を観に行ける人は41%、ひとり旅をする人は24%でした。

ひとりで行動しない理由は「夫が家にいるから」「寂しい、人目が気になる」「何となくこわい」など。そして、意外なほど多かったのが「女性がひとりで行動するべきではない」という意見でした。よき娘・よき妻・よき母であれとしつけられた世代ならではの価値観なのかもしれません。

でもみんな、本当は「ひとり上手」になりたかったんです。その証拠に、「ひとり」をテーマにした企画は毎回大人気でした。そうして、やがて少しずつ読者の反応に変化が出てきたのです。

2002年9月号より

ひとりで映画館に行くのは怖い。痴漢がいるとイヤだし治安が心配。
変な男に誘惑されるんじゃないか? (62歳)


↑映画館で誘惑されるとは、何とも時代を感じさせるコメント。でもこの頃は、こういう女性も珍しくなかったようです。


2003年6月号

20歳を過ぎた娘たちから「自分から動かなければ自立できないよ」と言われます。
そのうち、朗読や合唱サークルに行ってみようかな……。(52歳)

ためらいながら「ひとり」の一歩を踏み出して……

2007年、一冊の本が刊行され、社会的ブームを巻き起こしました。シングル女性がひとりで生きるノウハウを語る『おひとりさまの老後』(上野千鶴子・著)です。この頃から、ひとりを楽しむ女性が増えてきました。2006年10月号の「ひとり」企画には、こんな声が寄せられています。

「私がひとりで行動するのを夫が好まないのですが、50歳になったのを機に、思い切ってひとりレストランに挑戦しました。お店を出たときには何とも言えない達成感がありました」

2008年の「ひとり上手大賞」には100を超える応募があり、大賞は「後期高齢者の雄たけび」という、何とも勇ましい題名のエッセイに決定。ひとりで行動して楽しんだっていいんだ!とシニア女性が気づくのに、『ゆうゆう』も貢献できたのかもしれません。役割を終えたかのように、「ひとり」企画はしばらく途絶えることになります。

2008年11月号より

果てしなき草原駆けつつ風を呼び流れる雲追う孤独の自由 (80歳)

↑誌面で募集したひとり上手大賞には、思った以上の反響が。これは大賞を受賞したエッセイ「後期高齢者の雄たけび」の一節です。

お金と時間を使ってひとりを楽しむ

「ひとり」企画はその後、2017年と2025年に組まれています。この頃になると、ひとりで行動できるのは大前提。そのうえで、ひとり旅のコツや防犯対策など、より具体的なひとりの過ごし方が語られています。

今年『ゆうゆう』が「お金白書」で調査した、いいお金の使い方では、「家族のために使う」をおさえて、「趣味や旅行、外食など、自分の楽しみのために使う」が堂々の第1位。これは、一人の女性として精神的にも経済的にも自立したいという、読者の気持ちの表れではないでしょうか。

2017年12月号より

4年前に夫を亡くしてからひとり暮らしです。ひとりになって思うのは、「友人は宝」ということ。
みんなと週に1回、おしゃべりしながら近くの山を歩いています。 (76歳)


↑人はひとりで生まれてひとりで死んでゆく––––読者の皆さんのお手紙から、そういう覚悟のようなものを感じることが多くなってきました。ひとり上手さんが、どんどん増えています。

2025年5月号

2カ月に一度「ローバ(老婆)の休日をください」と家族に言って街に出る。(中略)
気分に任せて行きたい所へ足を延ばしている。(71歳)

25年間の主な「ひとり」企画

<2002年9月号>ひとり上手になりませんか

<2003年6月号>ひとり上手の達人になる基本ルール

<2005年2月号>ひとりを愉しむ生き方のヒント

<2006年10月号>ひとり上手が開く人生の新しい扉

<2008年11月号>「ひとり上手大賞」発表

<2017年12月号>おひとり様の老後

<2025年3月号>「いつかはひとり」でも大丈夫!

※この記事は「ゆうゆう」2025年12月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる