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「助けてください」ゴミ袋の山で土下座するシングルマザー…「夜逃げ屋」が見た“貧困”のリアル【漫画家に聞く】

  • 2025.11.29
依頼者に単刀直入にたずねると… 画像提供:宮野シンイチさん
依頼者に単刀直入にたずねると… 画像提供:宮野シンイチさん

子どもの頃から漫画が好きで、ユーモアあふれる作風が支持されている宮野シンイチさん(@Chameleon_0219)。X(旧Twitter)で公開された『夜逃げ屋日記』シリーズは、DV被害などに遭う依頼者を夜逃げさせた実体験を基に描かれ、多くの読者に衝撃を与えている。 今回取り上げるのは第12話に登場する“退寮を迫られた依頼者”のエピソードだ。

12-1 画像提供:宮野シンイチさん
12-1 画像提供:宮野シンイチさん
12-2 画像提供:宮野シンイチさん
12-2 画像提供:宮野シンイチさん
12-3 画像提供:宮野シンイチさん
12-3 画像提供:宮野シンイチさん

「助けてください」ゴミ袋の山で土下座する依頼者

今回の依頼者は、シングルマザーの大崎ノブコさんと息子のソウスケ君。病弱な息子の看病で仕事を休みがちになり解雇され、社員寮からの退去を迫られていた。年末年始で引っ越し業者も捕まらず、藁にもすがる思いで夜逃げ屋に連絡してきたという。

現場に向かった宮野さんたちが目にしたのは、大量のゴミ袋が山積みになった部屋だった。さらに、電話では「準備できている」と話していた依頼料について確認すると、ノブコさんは「今日は払えない」と告白する。 社長が「原則前払いです」と作業の中止を告げようとした瞬間、ノブコさんはゴミの山の中で土下座をし、「助けてください」と涙ながらに懇願した。必死に家中の小銭をかき集めようとする母の姿に、現場の空気は変わっていく。

精神的に追い詰められると部屋が荒れる

宮野さんは当時を振り返り、「初めて依頼料を払えないと言われ、本当に気の毒に感じた」と語る。 また、足の踏み場もないほどゴミが積み上がった部屋の状態については、「精神的に追い詰められている人ほど、片づけられなくなるケースは珍しくない」と補足する。病気の子どもを抱え、職と住まいを同時に失う恐怖が、部屋の惨状に表れていたのかもしれない。

「もう一人のスタッフが到着するまで待つ」という条件で、依頼は首の皮一枚つながった。果たしてノブコさんは依頼料を払えるのか――。 夜逃げ屋として活動を続ける宮野シンイチさんが描く、社会の闇と人間の強さが交錯する実録漫画から目が離せない。

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