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倍賞千恵子&木村拓哉が紡ぐ“特別な一日”『TOKYOタクシー』旅のワンシーンを切り取る感動の本編映像

  • 2025.11.28

倍賞千恵子と木村拓哉が共演した、山田洋次監督最新作『TOKYOタクシー』(公開中)。このたび、倍賞演じる高野すみれと木村演じる宇佐美浩二が、夕焼けに染まるベイブリッジを渡る本編映像が解禁された。

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長きにわたり日本映画界で活躍し続け、山田組には欠かせない名女優の倍賞と、『武士の一分』(06)以来19年ぶりの山田組参加となる木村。さらに蒼井優、迫田孝也、優香、中島瑠菜、イ・ジュニョン、笹野高史など多彩な豪華キャストが本作に集結した。ついに公開された本作は、「奇跡のような一本」、「一生忘れられない映画」など絶賛の口コミが広がりを見せている。週末興収、動員数共に初登場No.1を飾り、邦画実写40週ぶりに初登場1位という大ヒットスタートとなった。

タクシー運転手の宇佐美浩二(木村)は、ある日85歳の高野すみれ(倍賞)を東京の柴又から、神奈川の葉山にある高齢者施設まで送ることになった。人生の終盤を迎えたすみれは、「東京の見納めに、いくつか寄ってみたいところがある」と浩二に頼み、幼少期から現在まで人生のターニングポイントとなった思い出の場所を寄り道することに。タクシーで旅を共にするうち次第に心を許したすみれは、初対面の浩二に、喜びと悲しみを織り交ぜた壮絶な人生を語り始める。そんな“たった一日の旅”が偶然出会った2人の心、そして人生を大きく動かしていく。

解禁されたシーンでは、夕焼け空が広がるベイブリッジを渡るタクシー車内でのすみれと浩二のやりとりが映しだされている。壮絶な過去を振り返りながら涙を流すすみれに対し、浩二が「いま生きているから、この景色を見ることができるんです。死ななくてよかったんだ、すみれさんは」と優しくも力強く語りかけると、すみれは「そうね。あなたにも会えたんだものね」と涙をぬぐう。すみれが語る壮絶な過去とは何であるか?タクシー運転手と乗客として偶然出会った2人が送る奇跡のような“たった一日の旅”に期待の高まる映像となっている。

本作で70作目の山田組参加となる大女優の倍賞と、『武士の一分』以来の参加となる木村は、2004年公開のスタジオジブリ映画『ハウルの動く城』でソフィー役とハウル役の声優として共演して以来、20年以上の時を経て、ついに実写映画での初共演を果たした。2人は、劇中ですみれと浩二が距離を縮めていくのと同様に撮影を重ねるごとに親しくなっていき、撮影の後半では美味しい店をお互いに教え合ったり冗談を言い合ったりと、すっかり打ち解けていたという。

そんな2人が撮影期間中もっとも長い時間を過ごしたのが、山田組が本作で初めて取り入れた「バーチャルプロダクション」という、タクシーの周りを取り囲むように立つLEDウォールに車窓の風景が映し出される撮影技法が使用されたスタジオセットだ。LEDウォールに流れる車窓の風景に合わせてウィンカーを出したりハンドルを回したりしなければならず、さらに話し相手の倍賞は後部座席に座っているので、表情や身体の動きはほとんど見えないという難易度の高い撮影となった。

木村は「タクシー車内という密室なので、倍賞さんが演じるすみれさんが斜め後ろに座ってらっしゃっても、声の波長から『悲しくてつらいことを話しているな』とか、言葉では突き放した言い方をしているけど『これは笑いながら言っているな』というのは、手に取るように伝わってきました。実際に相手の目を見ながら芝居をするのとは少し違いましたが、顔が見えなくても心が向き合っていたので気持ちも伝わりやすい空間でした。なので『ハンドル握ったままで芝居なんて…』というネガティブな感情は、まったくなかったです」と語った。

倍賞もまた、「空中で心のキャッチボールができていましたよね。でも木村さんはほんと大変だったと思いますよ。映像に合わせて運転して、時々バックミラーで私を見て、道が曲がる映像に合わせてハンドルを切って、車も停めなきゃいけない。そのなかで、私もバックミラーに映っている木村さんの目を見ながら、気持ちが飛んでくるのを感じ取っていました。山田監督もよく言う“キャッチボール”が上手くできたと思います」と語り、心で通じ合うかのように演技を交わしたタクシー車内での会話シーンに自信を見せている。

俳優としての長年の経験を持ち、山田組には欠かせない存在である倍賞と、幅広い役柄の数々で観客を魅了してきた木村の信頼関係が生んだ、タクシーという狭い舞台の中で交わされる2人の会話劇を、ぜひ劇場で見届けていただきたい。

文/山崎伸子

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