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ちょっと不思議な家族が巻き起こした着ぐるみブーム! 街全体に笑顔を届ける、シュールだけどほっこりするコミックエッセイ『着ぐるみ家族』【書評】

  • 2025.11.27

【漫画】本編を読む

『着ぐるみ家族』(Masaki/KADOKAWA)は、いつも笑いが絶えない、ちょっとおかしくて温かい家族の日常を描いたハートフルコメディだ。

無表情だけど心の中では誰よりもノリノリなパパ、ツッコミ上手で家族のムードメーカーなママ、そしてごっこ遊びが大好きなおてんば娘・ムスメちゃん。一見するとどこにでもいそうな三人家族だが、ほかの家庭とは違うひとつの大きな特徴を持っている。それは、着ぐるみが大好きでいつも着ぐるみを着て遊んでいるということだ。

お父さんはプロ顔負けの腕を持つ着ぐるみ職人で、家族全員の着ぐるみを自ら手作りしてしまうほど。さらに病院の院長に作ってあげたパンダの着ぐるみが、院長が着て診察すると子どもが注射のときも騒がず役立っていると喜ばれ、病院のスタッフ全員もパンダの着ぐるみを着たことで病院は街中の話題に。そこから商店街で着ぐるみブームが起こり、クリーニング店では着ぐるみ専用のクリーニングサービスを始めてしまうほどになる。

着ぐるみというユニークな題材の中に、「誰かを笑顔にしたい」という純粋な思いが溶け込んでおり、ページをめくるたびに心がじんわりと温かくなるだろう。

本作の魅力は、着ぐるみというなんともシュールで非日常な設定ながら、家族や街の幸せを描いているところだ。どんなときも笑い合える家族の絆がそこにある。日常に疲れたとき、誰かと笑いたくなったとき、この物語はすべての人を着ぐるみのように包み込んでくれるはずだ。

文=ネゴト / すずかん

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