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「あなたのためなの」母の愛は支配だった…母の言葉に隠された呪縛と鎖を断ち切った漫画家の選択【作者に聞く】

  • 2025.11.27
上手に描けたのに… 画像提供:(C)グラハム子/佼成出版社
上手に描けたのに… 画像提供:(C)グラハム子/佼成出版社

「毒親」今でこそ聞きなじみのある言葉となったが、暴力や経済的理由で子供を束縛するだけではない。自分の考えを子供に押し付け、思うようにコントロールする親は、支配型の毒親といわれる。そこには「あなたのためを思って」という言葉が付きまとい、あなたに似合うと選んだ服、習いごと、進学先、就職先――挙句に容姿や付き合う人まで干渉してくる。「うちは何かがおかしい」友達の親子関係と違うと気づいたとき初めて違和感を覚えた、グラハム子(@gura_hamuco)さんの自伝「母の支配から自由になりたい」出版にあたりインタビューを実施。本作を書き上げるまでの思いを聞いた。

「うちは何かがおかしい?」毒親支配から抜け出すまでの軌跡

「母の支配から自由になりたい」1 画像提供:(C)グラハム子/佼成出版社
「母の支配から自由になりたい」1 画像提供:(C)グラハム子/佼成出版社
「母の支配から自由になりたい」2 画像提供:(C)グラハム子/佼成出版社
「母の支配から自由になりたい」2 画像提供:(C)グラハム子/佼成出版社
「母の支配から自由になりたい」3 画像提供:(C)グラハム子/佼成出版社
「母の支配から自由になりたい」3 画像提供:(C)グラハム子/佼成出版社

漫画「母の支配から自由になりたい」は、作者のグラハム子さんが自身の過去と向き合い、その心の葛藤や軌跡を丁寧に描いた作品だ。父親が単身赴任だった家庭で、母はすべての決定権を握っていた。「ピンクの服が着たい」と思っても「あなたには似合わない」と却下され、「バレエを習いたい」と言っても「剣道の方がいい」と返される日々。グラハム子さんの選択や希望は常に母の判断に塗り替えられ、進学先・職業、さらに容姿にまで及んだ母の干渉は、「あなたのため」と正当化されていた。

本作を制作し、「書き始める時点では、もう自分ではほぼ消化できていると思ってたんです。でも、書いているうちに『あれもだ、これもだ』と新たにどんどん『未消化』が見つかりました」と自身の気づきを語るグラハム子さん。漫画だけではなく文章を織り交ぜた構成は初挑戦だったが、担当編集者のフォローと励ましでなんとか完成までこぎつけたのだそう。制作前とあとで気持ちの変化はあったのかを尋ねてみると、「人生におけるステージを一歩進めたというか、よい方向に進めた気がしています」とグラハム子さんの感じたことを素直に教えてくれた。

グラハム子さんが「描くうえでわかりやすくを心がけた」と言うように、読者からも「心の表現の仕方がとてもわかりやすい」とのコメントがたくさん届いた本作。この作品はただの自伝にとどまらず、「親との関係」に悩むすべての人へ寄り添う力を持っており、「大丈夫、あなただけじゃないよ。同じように苦しんでいる仲間がいるよ」そして「一緒に頑張っていこうね」と読者にメッセージを送っている。

取材協力:グラハム子(@gura_hamuco)

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