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綾野剛×新星・咲耶のR18濃密シーン!吉行淳之介原作『星と月は天の穴』が描く“文学的官能の世界”

  • 2025.11.27

日本映画界を代表する脚本家・荒井晴彦さんが監督を務めた、綾野剛さん主演のR18指定映画『星と月は天の穴』(2025年12月19日(金)公開)。綾野さんが体現する“枯れかけた男の色気”、新星・咲耶さんとの濃密なラブシーン、田中麗奈さんとの絶妙な駆け引き、日本映画界に衝撃を与える問題作が誕生した。

女を恐れながらも求めてしまう、40代こじらせ男の哀愁――綾野剛が体現する“枯れかけた男の色気”
女を恐れながらも求めてしまう、40代こじらせ男の哀愁――綾野剛が体現する“枯れかけた男の色気”

綾野剛が魅せる、40代独身作家の滑稽な愛

【画像】“⽬は⼝ほどにものを⾔う”を体現した綾野剛の瞳にも要注⽬
【画像】“⽬は⼝ほどにものを⾔う”を体現した綾野剛の瞳にも要注⽬

妻に逃げられて10年、独身のまま40代を迎えた小説家・矢添克二(綾野剛)。娼婦・千枝子(田中麗奈)と時折り軀(からだ)を交え、妻に捨てられた傷を引きずりながら日々をやり過ごしていた。実は彼には恋愛に尻込みするもう一つの理由――誰にも知られたくない自身の“秘密”へのコンプレックスがあった。執筆する恋愛小説の主人公に自分を投影し「精神的な愛の可能性」を探求する矢添だったが、画廊で出会った大学生・瀬川紀子(咲耶)との奇妙な情事をきっかけに、日常と心が揺れ始める。

荒井監督と『花腐し』でもタッグを組んだ綾野さんが、これまでにない“枯れかけた男の色気”を発露。心と体の矛盾に揺れる滑稽で切ない唯一無二のキャラクターを生み出した。

予告編と特別映像が明かす、こじらせ男の切ない日常

1960年代という時代設定にリアリティを与える、昭和レトロな美術セット
1960年代という時代設定にリアリティを与える、昭和レトロな美術セット

2025年9月解禁の予告編は、「結婚していたことがあるんだ」という矢添の告白から始まる。千枝子に「俺、惚れられてるんじゃないのか」と勘違いし、紀子には「行っちゃおうか、いいとこに」と誘われる日々が映し出される。

今回解禁された特別映像では、その“こじらせ”ぶりがより鮮明に。「街を一緒に散歩してくれればいい。部屋の中でのつき合いは、いらないというわけだ」——素直に一緒にいたいと言えない不器用さ。矢添本人と、彼が書く小説の主人公A(同じく綾野が演じる)の微妙な仕草の違いも味わい深い。

「矢添さんは、軀と恋愛してるのよ」と紀子に核心を突かれ、千枝子や小説の中のB子(岬あかり)ら女性たちに翻弄される矢添。1969年の昭和レトロな美術セットの中で、綾野の瞳が雄弁に語る、40代独身男の哀愁。愛を求めながら愛から逃げる、そんな矛盾を抱えた男の日常が、エロティシズムとペーソスを織り交ぜながら描かれていく。

「オールヌードありの作品に出たかった」新星・咲耶が放つ妖艶な輝き

主人公・矢添との運命的な出会いから、女性としての欲望に目覚めていくヒロイン・紀子。この難役を射止めたのが、吹越満さんと広田レオナさんを両親に持つ芸能界のサラブレッド・咲耶さんだ。

「純文学の登場人物になりたい」「オールヌードありの作品に出たい」という強い願望を持っていた彼女は、オーディションですべての台詞を暗記し、どう言うかまでプランニングして挑んだという。その並々ならぬ覚悟に制作陣も感銘を受けた。

60年代の女性像を研究し、特に『卍』の若尾文子さんを参考にしたという咲耶さん。高校卒業後はディープテクノのDJをしていた時期もあり、中高時代には個性的な作文で“文豪”というあだ名をつけられていたという異色の経歴の持ち主でもある。

完成作を観た咲耶さんは「初号試写で自分のフルヌードがスクリーンに映っているのに恥ずかしくなかった。モノクロの画面で、現在とかけ離れた時代を描いていて、川上さんが撮る画がものすごくきれい。美しく撮っていただけたことがうれしかった」と語る。荒井監督に「あなたは今までどこにいたの?どうして今まで現れなかったの?」とまで言わしめた、まさに唯一無二の新星である。

荒井晴彦監督、18歳から温めた執念の企画

“愛と性”を描き続けて半世紀。名匠・荒井晴彦監督が挑むR18指定の文学映画 撮影:野村佐紀子
“愛と性”を描き続けて半世紀。名匠・荒井晴彦監督が挑むR18指定の文学映画 撮影:野村佐紀子

本作の原作は、吉行淳之介さんの芸術選奨文部大臣賞受賞作。荒井監督が18歳のころから映画化を夢見ていた作品だ。当時を振り返り「彼女もいないし、女の子の手を握ったのは高校の文化祭のオクラホマミキサーのときだけ」だったという監督は、原作の一節に強く惹かれた。

「『女の軀に軀を重ねても欲情は起こってこない』男は、連れ込み旅館の枕もとの棚の下の埃を見る。『数週間にわたって抜け落ちた数え切れない数の男と女の毛が、絡み合っていた』『突然、激しい欲情が彼の中に衝き上ってきた』これ、なんかわかると思った」

妻に裏切られ、愛を拒否し、女を「道具」として扱おうとする男が「道具」に敗けていく。「精神という花の根っこに『性』がぶらさがっている」という吉行さんの言葉を体現した、荒井監督の執念の意欲作だ。完成披露上映会では、「とにかく余韻がすごい」「世界観が刺さりすぎる」「モノクロだからこそ映える繊細で美しい作品」「小説の中にじっくり浸かってるような時間」と絶賛の声が相次いだ。

日本映画界に一石を投じるR18の異色作『星と月は天の穴』。2025年12月19日(金)よりテアトル新宿ほか全国公開。この冬、劇場の大スクリーンでこそ味わえる“文学的官能の世界”を体感してほしい。

映画『星と月は天の穴』作品概要

公開日:2025年12月19日(金)テアトル新宿ほか全国ロードショー

監督・脚本:荒井晴彦

原作:吉行淳之介『星と月は天の穴』(講談社文芸文庫)

出演:綾野剛、咲耶、田中麗奈、柄本佑、岬あかり、MINAMO、宮下順子 ほか

配給:ハピネットファントム・スタジオ

(C)2025『星と月は天の穴』製作委員会

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