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岐阜で紙すき体験!「美濃和紙の里会館」で和紙の魅力を体感しよう

  • 2025.11.27

水が豊富で気候もよく、古くから和紙作りの文化が根付いている岐阜県。その中でも美濃市は1300年の歴史を誇る和紙の一大生産地として知られている。そんな美濃市の中心地から車で約20分ほどの場所には、和紙について学び、紙すきもできる参加体験型のテーマパーク「美濃和紙の里会館」がある。自分ですくことができる、伝統的和紙すきを体験しながら取材してきた。

美しい芝生で遊ぶこともできる
美しい芝生で遊ぶこともできる

ユネスコ無形文化遺産に認定されている美濃和紙の製造工程である手すき和紙技術。その伝統的和紙について学び、紙すき体験もできるのが参加体験型のテーマパーク「美濃和紙の里会館」。1300年以上の歴史を誇る本美濃紙、美濃紙を紹介するだけでなく、紙の世界史などもわかりやすくかつ専門的に展示されており、紙についての基礎知識を深めることができる。

地下のフロアは広々とした体験コーナーとなっており、伝統的和紙すき体験ができる(体験には予約が必要)。個人客ならば、空きがあれば当日カウンターで予約をすることも可能だ。

充実した展示と、必見の「和紙3D日本地図」

展示フロアでは和紙の伝来の歴史、世界の紙の歴史について学べる。見どころは、第一展示室にある和紙生産地の日本地図。大きな立体的な日本地図に、日本各地の和紙どころがマークされている。各地で生産された和紙の筒がそれぞれ生産地の目印となっている。

ぜひ触ってみてほしい和紙地図
ぜひ触ってみてほしい和紙地図

「皆さん地名を見ながら和紙の手触りも確かめていくので、和紙によってはすぐにヨレヨレになってしまうんですよ」と、美濃和紙の里会館館長の須田さん。そっと触ってみると、同じような和紙に見えても産地などでこうも違うのか、と驚きを覚えた。

充実の展示室で紙の知識を蓄えて、階下へおりるとちょうどよく売店があり、和紙を使ったさまざまな商品を手に取ってみることができる。クオリティの高いものばかりなので、隅々までチェックしてみよう。

いよいよ紙すき体験へ!

売店の奥には、手すき美濃和紙作りができる体験スペースが広がっている。秋には岐阜市の小学校が体験学習に手すき体験をしにくるそうだ。そのため秋は少し予約が取りづらいが、ほかの季節は比較的すいているという。

丁寧に紙すきを教えてもらう
丁寧に紙すきを教えてもらう

フレンドリーなスタッフの楽しい説明に、和紙作りへの期待が高まる。オプションで、自分ですいた和紙を使い、小さなランプなどを作ることもできる。

和紙すき体験は、まずは熟練のスタッフのお手本を見せてもらうことから始まる。美しい無駄のない手さばきにうっとりしていると、すぐに自分の番が回ってきた。思うように手は動かないが、横でスタッフが教えてくれ、繊維をすくって紙の原形を作ることができた。

すきたての紙はみずみずしさがあり思わず触ってみたくなるが、そこは乾くまでがまん。乾燥室へ持っていくと、乾燥板に素早く生の紙を貼り付けてくれる。乾燥室は、高温のため立ち入り禁止なので、ガラス越しに紙が乾いていく様子を見守る。

すいた紙がここに貼られていく
すいた紙がここに貼られていく

5分もせずにパリッと乾いた紙を、乾燥の板からはがし渡してもらう。さっきまでみずみずしかった紙が、大変身しているのに感動。和紙は、繊維が左右縦横3Dに絡み合っている状態だととても丈夫だと展示室で学んだことが、体感できる瞬間だった。

和紙の経年変化を楽しむには、井戸水が不可欠

体験コーナーで見つけた不思議な蛇口は、市水、井戸水と2つのタップが横並びになっている。市水というのは一般の水道。市水には塩素が含まれているので、和紙の原料が漂白されてしまうのだそう。そのため、紙すきには井戸水を使用する。和紙はとても長持ちするので、経年変化を楽しむためには井戸水ですかないと、のちのち大きな違いが生まれてしまうのだ。和紙の世界の奥深さを垣間見た。

 和紙作りの秘密は水にもある
和紙作りの秘密は水にもある

体験の最後に、仕上げに作った和紙を色付きの和紙でくるくるっと巻いてくれて持ち帰りやすく美しく仕上げてくれた。館内の見学と、和紙すき体験と合わせて、所用時間約90分。日本が世界に誇る和紙の魅力を体感しに行くのはいかがだろうか。

 オプションで作れる作品の一部
オプションで作れる作品の一部

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