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【耳の老化チェック】1つでも当てはまれば耳のトラブルに発展する可能性あり!?

  • 2025.11.26

【耳の老化チェック】1つでも当てはまれば耳のトラブルに発展する可能性あり!?

家族との会話で聞き返す回数が増えた、最近声が大きくなったと言われる……。それは耳からの注意信号かもしれません。耳の状態が変わると、日々の過ごし方や人づき合いに影響することも。耳の問題の原因などをここでご紹介します。

教えてくれたのは
木村至信さん 馬車道木村耳鼻咽喉科クリニック

きむら・しのぶ●耳鼻咽喉科医。
信州大学病院に勤務後、難聴遺伝子、遺伝子解析研究のスペシャリストとして厚生省(当時)で研究に携わり、米国ネブラスカ州国立リサーチ病院に留学。
大学病院での高度医療、癌センターでのオペ研修など医療のトップレベルの現場で15年以上勤務。
横浜市立大学医学部大学院にて医学博士を取得。
現在、横浜市内のクリニックで地域密着の診療に励んでいる。

気づきにくい耳の不調。違和感に早めに対処することが安心の第一歩

耳の不調は、静かに進むため、なかなか気づきにくいもの。加齢だけでなく、大きな音、イヤホンの音に長くさらされると、耳は早く老化する。放っておくと、上記のような思わぬトラブルや、心身の病気に発展することも。日々を元気に過ごすためにも、耳の不調には特に気をつけたい。

木村さんは「耳の変化にはすぐに対処することが大切です。小さな違和感には早めに向き合いましょう」と強調する。

「耳の老化は加齢によるもので誰にでも起こりますが、進行を遅らせることはできます。日々の過ごし方次第で、これからの暮らしや安心感は大きく違ってきますよ」

耳の不調を放っておくと……

・詐欺にあいやすくなる
・危機察知能力が低下して事故にあう
・認知症やうつ病などを引き起こす

あなたの耳は大丈夫?【耳の老化チェック】

□人の話を聞き返すことが増えた
□声が大きくなったと周りの人に言われる
□1日3時間以上、連続でテレビを見ている
□工事現場、BGMの大きな居酒屋、ライブハウスなどで働いている
□仕事でインカムをよく使っている(使っていた)
□1日2時間以上、イヤホンやヘッドホンを使っている
□親戚に難聴の人がいる
□健康診断で生活習慣病を注意されたことがある
□たばこを長年吸っている
□週3回以上お酒を飲む
□甘いものが大好きで毎日食べる
□ストレスを感じることが多い

1つでも当てはまれば、耳鳴りや難聴のトラブルに発展する可能性が高い

なぜ、年をとると「聞こえ」が悪くなるの?

耳は使うほどに消耗するといわれており、加齢でだんだん聞こえが悪くなるのは自然なことです。そのメカニズムを説明します。

加齢性難聴はゆっくりと進行する

「聞こえは20代をピークに、少しずつ機能が落ちていきます」と木村さんは説明する。音は外耳から鼓膜に届き、耳小骨を通って内耳の蝸牛(かぎゅう)にある有毛細胞に伝わる。ここで音の振動が電気信号に変換され、さらに脳へと伝わるが、この有毛細胞は一度傷つくと再生しない。また、年齢とともにだんだん数が減り、加齢性難聴の原因となる。

加齢性難聴の進行はゆっくりで、自覚が遅れやすいのが難点。「少し聞き返しが増えた」などの段階で耳鼻科を受診し、検査を受けることが大切だ。

【Point】「聞こえ」を守るために、やってはいけないこと

鼻うがい

かぜなどの対策としての鼻うがいは避けたほうが無難。耳に水が入って滲出(しんしゅつ)性中耳炎になり、聞こえが悪くなる可能性も。粘膜の表面を傷める原因になる他、器具を不衛生なまま使っているとカビなどが体内に入り込むリスクもある。

大きな音でテレビやラジオを楽しむ

日常的に大きな音にさらされると、耳に多大な負担がかかる「騒音曝露(ばくろ)」の状態になるので避けるべき。テレビやラジオは小さい音から始め、聞こえなければ音量を1段階ずつ上げるなど、意識的に音を小さくすること。

鼻炎を治療せず放置する

耳と鼻はつながっているため、鼻が悪いと聞こえも悪くなりやすい。鼻炎を治さずにいると難聴の進行が早まるので、耳鼻科で治療を受けることが大切。鼻炎は口呼吸になりやすく、のどが細菌に感染して肺炎に発展するリスクも高くなるため注意を。

毎日の耳そうじ

気になるからと毎日耳そうじをするのはNG。やりすぎると外耳炎になり、皮膚がめくれて耳だれが出たり、腫れて難聴を引き起こしたりすることも。週に1回、お風呂上がりに耳の入り口から1センチほどの範囲を綿棒で軽くそうじする程度に。

長時間イヤホンを使用する

イヤホンは長く装着していると外耳炎になることも。悪化するとかゆみや耳の痛み、腫れや難聴などの症状が現れる外耳道真菌症になる可能性がある。長時間の使用は避け、できればイヤホンではなくヘッドホンを使用するのがおすすめ。

イラスト/あらいのりこ
取材・文/武田純子

※この記事は「ゆうゆう」2025年12月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

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