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何にもやる気が起きない…ストレスが引き起こす「副腎疲労」とは

  • 2016.6.4

うつ病を含めたストレスによる心の病が少しずつ増加するようになりました。そんなストレスに関係する不調として、副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)が注目されています。

そこで今回は、薬剤師である筆者が、ストレスと大きな関係がある副腎疲労について解説します。

 

■副腎疲労って?

副腎は、人がストレスに関連するホルモンを分泌しています。

しかし、このホルモンの分泌があまりに過剰になると分泌することができなくなり、心も体も限界に達するような症状が現れます。

これが副腎疲労です。副腎疲労はうつ病との鑑別が難しく、現代人の心の病の引き金の1つとされているのです。

 

■副腎ではどんなホルモンが分泌されている?

副腎では、鉱質コルチコイド、糖質コルチコイド、副腎性男性ホルモンが分泌されます。それぞれの働きは、次の通りです。

鉱質コルチコイド…腎臓の水分とミネラルバランスの調整

糖質コルチコイド…血糖上昇・タンパク質の分解・脂肪分解してエネルギーを作り出す、抗アレルギー作用

副腎性男性ホルモン…男性ホルモン・女性ホルモンの元となるホルモン

それに加えて、神経の機能にも関係するアドレナリンとノルアドレナリンを分泌して、体の機能が働くように作用します。

 

■副腎疲労の症状は?

人がストレスを受けると、“警告反応期”、“抵抗期”、“疲憊期(ひはいき)”の3段階に分かれます。

警告反応期:初体験の不安・緊張・恐怖を感じる期間

抵抗期:何度か経験することで、不安・緊張・恐怖を自分で乗り越えることができる期間

疲憊期:連続した不安・緊張・恐怖を自分で乗り越えることができなくなってしまった期間

ストレスが加わった警告反応期では、アドレナリンとノルアドレナリン、コルチゾールの分泌が一時的に減少しますが、抵抗力をつけるように上昇していきます。その状態になったのが抵抗期です。

しかし、ある時に副腎の機能が限界になるとアドレナリンとノルアドレナリン、コルチゾールの分泌が低下してしまい疲労を含めた心と体の不調へとつながります。

深刻な場合は、副腎のホルモンの機能がすべて低下するため、水分とミネラルのバランスが乱れ、体内でエネルギーが作れない、体温低下、免疫力低下、性欲低下、学習能力の低下を起こします。

いかがでしたか? 仕事をしていて不調を感じるようになったり、計算や記憶ができなくなってきたなど、少しでも違和感があったらそれは副腎疲労かもしれません。自分を見つめる機会を作り、環境を変えることをオススメします。

【筆者略歴】

※ 宮本知明 ・・・ 薬剤師×植物療法士。病院薬剤師を経て「薬と共存しない生活」の念いからホリスティックな健康観と出逢う。現在は、統合医療の知識をもった「ホリスティックな健康観を持つ女性」を育成する活動をしている。

【画像】

※ Melpomene / shutterstock

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