1. トップ
  2. 築地市場「ご遠慮ください」年末の観光客に突きつけた「NO」…注意喚起に「仕方ない」「買い物客を優先して」

築地市場「ご遠慮ください」年末の観光客に突きつけた「NO」…注意喚起に「仕方ない」「買い物客を優先して」

  • 2025.12.9
undefined
出典:PhotoAC ※画像はイメージです

年末が近づくと、おせちの材料を買い求める人たちでにぎわう築地場外市場。毎年のこととはいえ、近年は観光客の増加もあり、歩くのも困難なほど混雑する日が続きます。

そんな中、NPO法人 築地食のまちづくり協議会が「年末の観光目的の来場は控えてほしい」と呼びかけ、話題になっています。

「12月の築地は年の瀬の台所」のため“観光ガイド遠慮して”

築地場外市場を運営する「築地場外市場商店街振興組合」の公式Webサイトで、NPO法人 築地食のまちづくり協議会は「12月買物客 応援宣言!!」と観光業界へ向けたお知らせを提示しました。その内容がこちら。

12月の築地場外市場は、日本中から正月のごちそうを買い求めるお客様の台所になります。正月の家族団らんを支えています。
この時期は通路が大変混み合い、特に食べ歩き、団体行動、ガイドツアーが安全に行えません。
そこでお願いです。
観光ガイド(案内・食べ歩き案内・団体誘導)の活動はご遠慮ください。
出典:12月買物客 応援宣言! ツアーガイドのみなさまへ大切なお願い(築地場外市場商店街振興組合)

このお願いは「一般の方にも年の瀬の買い物を安心して楽しんでいただくためのルール」であり、「やむを得ず、警察等の緊急出動を要請します」と協議会は説明しています。

「納得の対応」「買い物の人を優先して」理解の声多数

SNS上でも今回の発表は大きな注目を集めています。

「年末の築地は本当に歩けないほど混むから、この呼びかけは仕方ない」「買い出しに行く側からすると観光客が多いと動きづらい」「納得の対応」「買い物の人を優先して」との声が見受けられました。

毎年足を運んでいる人やニュースなどで状況を知っている人ほど、混雑の厳しさを理解しているようで、市場側の判断に納得している様子です。

また、店の関係者や出入り業者とみられる人たちからは、「許可なく敷地内に入られたり、勝手に写真を撮られたりすると困ることもある」といった声もあり、年末の市場内の状況に戸惑いを感じている様子も見られました。

一方で、「普段の観光客向け価格も見直してほしい」「もっと海外に向けてもアナウンスしたほうが良いのでは?」といった声もありました。

“築地のマナー8箇条”と観光ガイドへの“3つのお願い”

築地場外市場は観光地として人気がある一方で、現役の「食のプロ」も買い物に訪れる商業エリアです。市場側が案内している“基本ルール”を理解しておくと安全に楽しめます。

1、9時までは仕入れの方の優先時間です。
2、食べ歩きは通行人の迷惑のため、飲食は店内又は指定の場所で。
3、通行の妨げになるので、キャリーバックはコインロッカーに預ける。
4、団体行動は控え、少人数で行動する。
5、お店で写真を撮るときはお店の方に確認する。
6、食品には触れない。
7、値引き交渉という習慣は築地にはないため値切らず買う。
8、喫煙は所定の喫煙所で。
出典:築地の歩き方(築地場外市場商店街振興組合)

これらは年末に限らず、築地を訪れる際の基本マナーとして案内されているものです。

また、観光ガイドへ向けた3つのお願いとして、下記の注意事項を挙げています。

・無断で店内に立ち入ってのガイド、店前を防ぐ行為は迷惑です。
・試食品は、お客様の購入検討を前提として店が無償提供しているものである事を、ご理解ください。
・周囲を無視したガイドはトラブルの元です。
出典:築地の歩き方(築地場外市場商店街振興組合)

いずれも“築地を訪れるすべての方が、快適に買い物ができるようご協力を”と呼びかけています。

年末は“買い出しシーズン”を最優先に

年末の築地場外市場は、多くの家庭が新年を迎えるために欠かせない食材を買い求める“特別な期間”です。観光として訪れる楽しさはありますが、この時期だけは買い物客が安全に動ける環境を守ることが優先されます。

もし年末に築地を訪れる予定があるなら、できるだけ混雑のピークを避ける、買い物目的を中心にするなど、状況に合わせた楽しみ方を意識すると良いでしょう。

市場の人も訪れる人も気持ちよく過ごせるよう、ルールを守りながら築地の魅力を楽しみたいものです。


参照:
12月買物客 応援宣言! ツアーガイドのみなさまへ大切なお願い(築地場外市場商店街振興組合)
築地の歩き方(築地場外市場商店街振興組合)