1. トップ
  2. 首都高「許しません」前車と車間距離を詰めて…利用者の“悪質な不正行為”に「訴訟を提起しました」

首都高「許しません」前車と車間距離を詰めて…利用者の“悪質な不正行為”に「訴訟を提起しました」

  • 2025.12.5
undefined
出典元:photoAC(画像はイメージです)

有料道路は利用者が公平に料金を負担することで維持されています。

その公平性を守るため、首都高速道路株式会社は2025年11月28日、長期間にわたり料金を支払わなかった「不正通行者」に対し、民事訴訟を提起したと発表しました。不正通行の撲滅に向けた断固たる姿勢を示す措置です。

不正通行とは何か

そもそも「不正通行」とはなんでしょうか?

高速道路における不正通行とは、通行料金の全部または一部の支払いを不正に免れる行為を指します。これには、以下のような行為が該当します。

●ETCレーン・ETC/一般レーン・サポートレーン・ETC/サポートレーンレーンにおいて、路側表示器が「STOP停車」を表示しているにもかかわらず、料金所を通過する行為、開閉バーを突破する行為、開閉バーをすり抜ける行為、前車に接近して開閉バーが閉じる前に通過する行為
●一般レーンレーンにおいて、通行料金を支払わずに料金所を通過する行為
●異なる車種区分でセットアップされたETC車載器を他の車両に載せ替えることにより、本来の通行料金の一部を免れる行為
●障がい者ご本人が運転又は同乗していないにもかかわらず、登録車両で障がい者割引の適用を受ける行為
出典:不正通行に対する弊社の考え方(首都高速道路株式会社)

このように、前を走る車にぴったりくっついてETCレーンを通過するいわゆる「カルガモ走行」や、ETCレーンの強行突破などが該当します。

首都高速道路は全料金所に監視カメラを設置し、こうした不正通行を特定しています。道路整備特別措置法第26条により、免れた通行料金と割増金(通行料金の2倍)を請求される決まりです。

悪質なケースでは同法第59条により30万円以下の罰金が科され、警察に通報されることもあります。

首都高が訴訟提起を発表

2025年11月28日、首都高速道路株式会社は長期間の未払い通行を繰り返した不正通行者に対し、民事訴訟を提起したと発表しました。

「本件は、悪質な不正行為に対する弊社の断固たる姿勢を示すもの」と強調し、「不正な通行は許しません」と明言。今後も警察と協力して対策に取り組む方針です。

有料道路事業はすべての利用者が適切な料金を負担することで成り立っています。今回の訴訟は、法的措置も辞さない強い姿勢を示したものといえます。

過去の主な検挙事例と対策の変遷

首都高速道路では、過去にも不正通行者の逮捕や検挙が複数行われています。

2024年12月には、ETCレーンでの不正通行者が、道路整備特別措置法違反の容疑で逮捕されました。支払うべき通行料金を支払わずに不正に首都高速道路を通行していたという理由で、首都高速道路株式会社が警視庁に通報し、逮捕に結びつきました。

また、2025年3月31日にはETCレーン強行突破者に対する検挙が行われています。2024年4月には罰金の略式命令が確定した事例も。

首都高速道路では全料金所に監視カメラを設置して、他の道路会社とも情報を共有し、悪質な不正通行は警察へ通報する体制を整えています。

なお、ETCカードの挿入忘れなど、意図しない未払いの場合は、速やかに連絡すれば通常の利用として対応されます。

不正通行には通行料金と割増金が請求され、応じない場合は督促状、さらに訴訟提起も行われます。警察への通報により刑事罰が科される可能性もあります。

不正通行には厳しいペナルティ、意図しない未払いは速やかに連絡を

首都高速道路による今回の訴訟提起は、不正通行に対する断固たる姿勢を示すものです。不正通行には料金の3倍の支払いと最大30万円の罰金が科される可能性があります。

監視カメラ技術の向上と警察との連携強化により、不正通行の摘発は今後さらに進むと考えられます。万が一意図せず未払いになった場合は速やかに連絡を。故意の不正通行は絶対に行わないよう注意が必要です。


参考:
「不正通行者に対する未払い通行料金等の支払請求訴訟の提起について」(首都高速道路株式会社)
「不正通行に対する弊社の考え方」(首都高速道路株式会社)
「不正通行者(ETCレーン強行突破者)の逮捕について」(首都高速道路株式会社)