1. トップ
  2. 『TOKYOタクシー』が4日間で興収4億円突破の好発進!ついに実写邦画の歴代1位に上り詰めた『国宝』など実写映画が底力を発揮

『TOKYOタクシー』が4日間で興収4億円突破の好発進!ついに実写邦画の歴代1位に上り詰めた『国宝』など実写映画が底力を発揮

  • 2025.11.26

今年最後の連休となった11月21日から11月23日までの全国映画動員ランキングが発表。現在94歳の山田洋次監督にとって91本目の長編映画となった、倍賞千恵子と木村拓哉のダブル主演作『TOKYOタクシー』(公開中)が、初登場でNo.1を獲得。実写映画が首位に立つのは19週ぶりのこととなる。

【写真を見る】『踊る2』の記録を22年ぶりに更新!ついに『国宝』が実写日本映画の興収新記録を樹立

注目の邦画2作品が初登場!明暗くっきり分かれる結果に…

『TOKYOタクシー』が初登場No.1を獲得! [c]2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会
『TOKYOタクシー』が初登場No.1を獲得! [c]2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会

全国371館で公開を迎えた『TOKYOタクシー』は、初日から3日間で観客動員21万4000人、興行収入2億9300万円を記録。これは山田監督の前作で、吉永小百合と大泉洋が共演した『こんにちは、母さん』(23)との対比で動員が146%、興収は162%という好成績。「勤労感謝の日」の振替休日となった11月24日を含めた4日間では動員29万人&興収4億円を突破している。

一昨年の春に日本でも公開され好評を博したフランス映画『パリタクシー』(22)を、舞台を東京に移してリメイクした同作。家族のために休みなく働くタクシー運転手の宇佐美(木村)が、85歳の高野すみれ(倍賞)を乗せ、柴又帝釈天から寄り道をしながら神奈川県の葉山にある高齢者施設まで向かう旅路を描くヒューマンドラマであり、スタジオジブリの『ハウルの動く城』(04)で共演した倍賞と木村の実写での再共演に大きな注目が集められた。

木村拓哉と山田洋次監督のタッグは『武士の一分』以来19年ぶり [c]2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会
木村拓哉と山田洋次監督のタッグは『武士の一分』以来19年ぶり [c]2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会

山田監督と木村のタッグは『武士の一分』(06)以来19年ぶりで、同作は最終興収41億1000万円を記録し、当時の松竹映画の興収新記録を樹立。その後も木村の主演作となれば、「マスカレード・ホテル」シリーズから昨年末に公開された『グランメゾン・パリ』(24)までヒット作が連発。それらと比較すると今作はやや穏やかなスタートではあるが、客層の幅広さと平日も安定した動員が見込めることを踏まえれば、年末年始に向けて息の長いヒットとなることは確実だ。

一方、対照的に厳しいスタートとなったのは3位に初登場を果たした細田守監督の最新作『果てしなきスカーレット』(公開中)。初日から3日間で動員は13万6000人、興収は2億1000万円。公開4日間の累計成績でも、動員17万人&興収2億7000万円となっており、初動3日間で60万人を動員した細田監督の前作『竜とそばかすの姫』(21)と比較するとわずか23%という成績に。

細田守監督4年ぶりの新作『果てしなきスカーレット』は3位スタート [c]2025 スタジオ地図
細田守監督4年ぶりの新作『果てしなきスカーレット』は3位スタート [c]2025 スタジオ地図

『時をかける少女』(06)でアニメファンから信頼を勝ち取り、『サマーウォーズ』(09)で興行的成功を収めて以降、ヒット作が続いていた細田監督。第91回アカデミー賞長編アニメーション賞にノミネートされた『未来のミライ』(18)は興収28億8000万円と、そのなかでは低めだったが、それでも最初の週末2日間で動員29万5000人&興収4億円を記録。今作はその3分の1ほどの推移となる。

12月からは北米公開が控えており、第98回アカデミー賞長編アニメーション賞にもエントリーしている『果てしなきスカーレット』(ちなみにエントリー35作品のなかには『チェンソーマン レゼ篇』や『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』など6本の日本アニメが含まれている)。どこかで満足のいく結果をあげることが求められるだろう。

公開172日で興収173.7億円!“『国宝』旋風”はどこまで続くのか

ランキングに戻る前に、ついに達成された歴史的快挙を紹介しなければならない。6月に公開され、約5か月半。公開25週目を迎えてもなお7位にランクインしている『国宝』(公開中)が、実写日本映画歴代No.1ヒット作の座にのぼり詰めた。

【写真を見る】『踊る2』の記録を22年ぶりに更新!ついに『国宝』が実写日本映画の興収新記録を樹立 [c]吉田修一/朝日新聞出版 [c]2025映画「国宝」製作委員会
【写真を見る】『踊る2』の記録を22年ぶりに更新!ついに『国宝』が実写日本映画の興収新記録を樹立 [c]吉田修一/朝日新聞出版 [c]2025映画「国宝」製作委員会

11月24日までの公開172日間で、累計動員1231万1553人、興収173億7739万4500円。『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(03)の興収173億5000万円という記録が、22年ぶりに塗り替えられた。もちろんここで終わりではない。これから続々と発表されていく国内の映画賞、日本代表として国際長編映画賞にエントリーしている第98回アカデミー賞などが控えており、ここから先は「どこまで数字を伸ばしていくのか」に注目が集まるところだ。

さて、公開4週目を迎えた『爆弾』(公開中)は、週末3日間で動員15万5000人、興収2億3100万円と、3位だった前週からほとんど数字を落とすことなく2位へ浮上。実写の日本映画が動員ランキングでワンツーを飾るのは、3月第1週の『ファーストキス 1ST KISS』(25)と『知らないカノジョ』(25)以来、38週ぶりのこと。11月24日までの累計成績は動員135万人&興収19億円を突破しており、まだまだ勢いを感じさせる。

『劇場版 呪術廻戦 「渋谷事変 特別編集版」×「死滅回游 先行上映」』が動員100万人の大台を突破! [c]芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
『劇場版 呪術廻戦 「渋谷事変 特別編集版」×「死滅回游 先行上映」』が動員100万人の大台を突破! [c]芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

公開3週目を迎えた『劇場版 呪術廻戦 「渋谷事変 特別編集版」×「死滅回游 先行上映」』(公開中)は、この週末から入場者プレゼント第2弾の配布と、MX4D&4DXでの上映がスタート。その効果もあって週末3日間で動員13万1000人、興収2億300万円を記録して4位に。公開18日間の累計成績は動員101万人&興収15億1000万円を突破している。

また、公開10週目で前週の1位から5位にランクダウンしている『チェンソーマン レゼ篇』(公開中)だが、累計興収は91億2000万円に達し、日本歴代興収ランキングで70位に浮上。公開19週目で6位となった『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(公開中)は、累計興収381億5000万円となっている。

3週連続でトップテン圏内を守り抜いた『プレデター:バッドランド』 [c]2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.
3週連続でトップテン圏内を守り抜いた『プレデター:バッドランド』 [c]2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

引き続き“ジャンプアニメ”を中心に邦画が台頭しているなか、公開3週目を迎えた『プレデター:バッドランド』(公開中)は今週も9位をキープ。洋画作品が公開から3週連続でトップテン圏内をキープするのは『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(25)以来で、今年公開の洋画作品では13本目。その13本中12本が実写作品であることは特筆すべきことではないだろうか。

以下は、1~10位までのランキング(11月21日〜11月23日)

1位『TOKYOタクシー』

2位『爆弾』

3位『果てしなきスカーレット』

4位『劇場版 呪術廻戦 「渋谷事変 特別編集版」×「死滅回游 先行上映」』

5位『チェンソーマン レゼ篇』

6位『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』

7位『国宝』

8位『平場の月』

9位『プレデター:バッドランド』

10位『映画すみっコぐらし 空の王国とふたりのコ』

今週末は、デビュ−10周年を迎えたMrs. GREEN APPLEのライブフィルム『MGA MAGICAL 10 YEARS ANNIVERSARY LIVE ~FJORD~ ON SCREEN』(11月28日公開)とドキュメンタリー映画『MGA MAGICAL 10 YEARS DOCUMENTARY FILM ~THE ORIGIN~』(11月28日公開)、北川景子と森田望智が共演するヒューマンサスペンス『ナイトフラワー』(11月28日公開)などが控えている。

文/久保田 和馬

元記事で読む
の記事をもっとみる