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両親から愛されて育った人とそうでない人、どんな違いがある?

  • 2025.11.25

両親からたっぷりと愛情を受けて育った人と、さまざまな事情で愛情が不足した環境で育った人では、大人になってからの考え方や行動パターンに違いが見られることがわかっています。

これは決して「愛されなかった人はダメ」という話ではありません。むしろ、なぜ自分がこういう考え方をするのか、なぜこんな行動パターンになりやすいのかを理解することで、より生きやすくなるヒントが見つかるかもしれません。

両親の愛情を受けて育った人に見られる3つの特徴

まずは、両親から愛情をしっかりと受けて育った人に共通して見られる特徴について見ていきます。

自分を信じる力と心の安心感がある

愛情を受けて育った人の最大の特徴は、自己肯定感の高さと基本的な安心感です。

幼少期に「あなたは大切な存在だ」というメッセージを繰り返し受け取ることで、「自分には価値がある」という感覚が心の土台として形成されます。

これは「自分は完璧だ」という意味ではなく、「欠点があっても、失敗しても、自分という存在は受け入れられる」という深い安心感です。

この土台があると、新しい環境に飛び込むときや困難に直面したときでも、「何とかなる」「最悪の場合でも自分は大丈夫」という感覚を持つことができます。過度に不安になったり、自分を責めすぎたりすることが少ないのです。

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また、他人の評価に一喜一憂しにくいという特徴もあります。もちろん褒められれば嬉しいし、批判されれば落ち込みますが、それによって自分の価値が根本から揺らぐことはありません。

「この人はこう思っているんだな」と、他人の意見を参考にしつつも、最終的には自分の判断を信じることができるのです。

適切な距離感を保ち、必要なときに助けを求められる

愛情を受けて育った人は、人との境界線を引くのが上手です。

ここでいう境界線とは、「自分と他人は別の人間である」という当たり前のようで難しい認識のこと。相手の問題を自分の問題として背負い込みすぎることなく、また自分の問題を他人に丸投げすることもなく、適度な距離感を保てます。

「それは私の責任ではない」「これは手伝ってほしい」といった判断を、罪悪感なく行うことができるのです。人に頼ることを「弱さ」ではなく、「上手な協力の仕方」として捉えられます。

困ったときに「助けて」と素直に言えるのも大きな特徴です。幼少期に「困ったら頼っていいんだよ」という経験を重ねているため、助けを求めることに抵抗がありません。

一方で、相手が「NO」と言う権利も尊重できるため、断られても過度に傷ついたり、関係が壊れたりすることも少ないのです。

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失敗を恐れず、経験として前に進める

愛されて育った人は、失敗への恐怖が比較的少ない傾向があります。これは「失敗しても、自分の価値が否定されるわけではない」という感覚があるからです。

幼少期に失敗したときも、親から「だめな子だ」と否定されるのではなく、「次はどうする?」と一緒に考えてもらった経験が土台になっています。

そのため、新しいことに挑戦するハードルが低く、たとえうまくいかなくても「いい経験だった」「次に活かそう」と前向きに捉えられます。完璧主義に陥りにくく、「やってみなければわからない」というスタンスで行動できるのです。

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もちろん失敗すれば落ち込みますが、その落ち込みが長期化したり、「自分は何をやってもダメだ」という極端な思考に発展したりすることは少ないでしょう。

失敗を「自分という人間の価値」と結びつけず、「今回の出来事」として切り分けて考えられるのです。

次:愛情が不足した環境で育った人に見られる3つの傾向

愛情が不足した環境で育った人に見られる3つの傾向

次に、さまざまな事情で愛情が不足した環境で育った人に見られやすい傾向について見ていきます。

「親からの愛情不足で育った大人」の特徴とは。こんな問題行動や思考の偏り、ありませんか?

断れずに無理をして、心身ともに疲弊しやすい

愛情不足の環境で育った人は、「NO」と言うことに強い罪悪感や恐怖を感じることが多いです。

幼少期に、自分の意見や感情を表現しても受け止めてもらえなかった、あるいは否定された経験があると、「自分の気持ちよりも相手の期待に応えることが大切」という思考パターンが形成されます。

その結果、無理な頼みごとを引き受けてしまったり、本当はやりたくないことに「いいよ」と言ってしまったり。相手を優先しすぎて、自分の限界を超えてしまうのです。

これを心理学では「過剰適応」と呼びます。

周囲からは「優しい人」「頼れる人」と評価されることも多いのですが、本人は常に疲弊していて、心身のバランスを崩しやすくなります。

断ることで「嫌われるのではないか」「見捨てられるのではないか」という不安が根底にあるため、自分を犠牲にしてでも相手の要求に応えようとしてしまうのです。

他人の評価に左右され、自己評価が揺らぎやすい

愛情不足で育った人は、自分で自分の価値を決められない傾向があります。

幼少期に無条件の愛情を受け取る経験が少ないと、「自分には価値がある」という感覚が育ちにくくなります。代わりに、「何かができたら」「誰かに認められたら」価値があると考えるようになるのです。

そのため、他人からの評価や承認に敏感になります。褒められると天にも昇る気持ちになり、批判されると地の底に落ちたような気分になる。

この振れ幅の大きさが、日常生活を非常に疲れるものにしてしまいます。

また、SNSの「いいね」の数に一喜一憂したり、誰かと比較して自分を卑下したりすることも多くなります。「ありのままの自分」ではなく、「評価される自分」を演じ続けなければならないため、常に緊張状態にあるのです。

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人との距離感がつかめず、人間関係に悩みやすい

愛情不足の環境で育つと、人との適切な距離感がわからないことがあります。

極端に距離を詰めすぎて依存的になったり、逆に極端に距離を取って孤立したり。この両極端を行ったり来たりすることもあります。「見捨てられるのが怖いから離れない」と「傷つくのが怖いから近づかない」が同時に存在し、人間関係が不安定になりやすいのです。

また、過度に警戒心が強くなることもあります。幼少期に信頼していた人(親)から傷つけられた経験があると、「人は信用できない」という思い込みが形成されます。

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相手の何気ない言動を深読みしたり、悪意があるのではないかと疑ったり。あるいは逆に、境界線が曖昧すぎて、相手の問題を自分の問題として背負い込んでしまうこともあります。

「相手が困っているのに助けないのは冷たい」「相手が不機嫌なのは自分のせいだ」と考え、他人の感情に責任を感じすぎてしまうのです。

次:「愛されて育った人」と「そうでない人」日常の行動にあらわれる違い

「愛されて育った人」と「そうでない人」日常の行動にあらわれる違い

ここまで読んで「具体的にどう違うの?」と思った方もいるでしょう。ここでは、日常のちょっとした場面で見られる行動の違いを見ていきます。

人との距離感の取り方

愛情を受けて育った人の場合
初対面の人とも、適度な距離感で自然に接することができます。「この人とはもう少し仲良くなりたい」「この人とは仕事上の付き合いでいい」といった判断を、直感的に行えます。

相手が距離を詰めすぎてきたら「ちょっと距離が近いな」と感じて調整できますし、逆に親しくなりたい相手には、適度に自己開示をして関係を深めていけます。

愛情不足で育った人の場合
人との距離の取り方に常に迷いがあります。「どこまで踏み込んでいいの?」「これは失礼じゃない?」と不安になりやすく、極端に遠慮しすぎたり、逆に一気に距離を縮めようとしたり。

相手の反応を過度に気にして、「嫌われたかも」「変に思われたかも」と一人で悩むことも多いでしょう。また、親しい人に対しては「見捨てられるのでは」という不安から、束縛的になったり、試すような行動をとったりすることもあります。

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ケンカや衝突のあと。すぐ仲直りできるか、引きずるか

愛情を受けて育った人の場合
意見の衝突や喧嘩があっても、比較的早く修復できます。「意見が違うこともある」「怒ることと関係を切ることは別」という感覚があるからです。

冷静になったら「さっきはごめん」と素直に謝れますし、相手からの謝罪も受け入れやすい。一時的な衝突が、関係全体を壊すものだとは考えません。

愛情不足で育った人の場合
ちょっとした衝突でも、「もう終わりだ」「嫌われた」と極端に考えがちです。幼少期に、怒られることが「愛情の撤回」を意味していた経験があると、衝突=関係の終わりと結びつけてしまうのです。

謝りたくても「どう謝ればいいかわからない」と悩んだり、謝ることで「自分が全部悪いと認めることになる」と恐れたり。

あるいは逆に、必要以上に自分を責めて「全部私が悪い」と過剰に謝罪することもあります。衝突後の気まずさが長引き、関係修復に時間がかかりやすいのです。

お願いや断りの言葉。さらっと言えるか、言い出せないか

愛情を受けて育った人の場合
「ちょっと手伝ってもらえる?」「ごめん、今日は無理なんだ」といった言葉を、自然に口にできます。頼むことも断ることも、相手との関係を壊すものだとは考えていません。

もちろん状況や相手によって言い方は変えますが、基本的には「言葉にしないと伝わらない」「伝えることは悪いことじゃない」という感覚があります。

愛情不足で育った人の場合
助けてほしくても「迷惑じゃないかな」「断られたらどうしよう」と考えすぎて、なかなか言い出せません。ギリギリまで一人で抱え込んで、限界を超えてから泣きながら頼む、なんてこともあります。

逆に断るのはもっと難しく、「断ったら嫌われる」という恐怖から、無理な依頼でも引き受けてしまいます。

どうしても断らなければならないときは、過剰に謝ったり、長々と理由を説明したり。「NO」の一言が、とてつもなく重く感じられるのです。

次:「自分に当てはまっているかも」……もう手遅れなの?

「自分に当てはまっているかも」……もう手遅れなの?

ここまで読んで、「自分は愛情不足タイプかも」と感じた方もいるかもしれません。でも安心してください。これらの傾向は、決して変えられないものではありません。

まず大切なのは、自分のパターンに気づくこと。「あ、今また人の顔色を伺っている」「また断れなかった」と気づくだけでも、大きな一歩です。

そして、少しずつ新しいパターンを試してみること。小さなお願いから始めてみる、断る練習をしてみる、「これは相手の問題だ」と線を引いてみる。最初は勇気がいるかもしれませんが、やってみると意外と大丈夫だったりします。

また、信頼できるカウンセラーやセラピストの力を借りることも、とても有効です。一人で抱え込まず、専門家のサポートを受けながら、ゆっくりと自分を癒していく道もあります。

幼少期の環境は変えられませんが、今の自分はこれから変えていけます。過去は変えられなくても、未来は変えられるのです。

今からでも遅くない! 自分の愛し方

1950年代にカナダの精神科医エリック・バーンは、幼少期〜7歳までの体験・親からの言葉・社会の期待によって「思い込みの思考・感情パターン」が生み出されると言っています。

そして、その思考パターンにより「無意識の人生脚本」が形成され、似たような出来事を人生の中で繰り返す事となります。

1.愛情の枯渇
極端にはネグレクト、離別、両親とのコミュニケーション不足などが起因となる。そもそも自分に向けられる関心そのものが足りない状態。

→枯渇を埋めようと、周りから関心を集めるような言動をとり過ぎてはいませんか?

2.条件付け愛情の付与
試験で良い成績をとったから、下の子の面倒をよく見ているから、言いつけをよく守るから、など。押し付けられた大人の価値観を、満たした場合に付与される褒め言葉や愛情。

→「〜しなければ愛されない」「愛されるために〜しなければならない」と思い込み、「ねば・すべき」と頑張り過ぎてはいませんか?できない自分を責めてはいませんか?

脳には、繰り返し使う思考回路を強め、逆に使わない回路は弱めていく「回路化」という仕組みがあります。無意識の思い込みは、いつの間にか強化されてしまっていることが多い。

ですから、自分の傾向にまず気づくこと! その瞬間からあなたの中で変化が始まります。

今までのしんどいパターンは敵ではなく、これまでの自分を守るために働いてくれた「古い回路」。だからこそ、感謝しながら「ありがとう、もういいからね。次に進むね」と自分に声をかけてあげてください。

そうすると、なんだか心が温かく軽くなるのを体験できるでしょう。そして最後に、自分のこうありたい未来を明るく思い浮かべてください。

<気づきと感謝で自身を愛で満たし、新しい現実を創造する>

思考や感情の癖に気付く

「ありがとう、もういいからね。次に進むね」と自身に感謝の声をかけ、体や感情の反応を感じる

ありたい自分の未来を明るく思い浮かべ「こういう世界に私は生きます!」と宣言する

あなたの素敵な未来を応援しています。

監修者プロフィール

城西内科クリニック院長、自然未来医療研究会代表理事 髙橋 聡美先生

順天堂大学医学部卒業、医学博士
順天堂大学練馬病院糖尿病内分泌内科助教
糖尿病認定医、臨床栄養学会認定栄養指導医、内科学会認定内科医
統合医療医、日本医師会認定健康スポーツ医
米国マハリシ国際大学アーユルヴェーダ臨床医学ドクターベーシックコース終了
サトワメディカルサロン・サトワ合同会社代表
一般社団法人ヘンプ協会評議員
一般社団法人生命ネットワーク協会理事

「真の健康とは病気の有無ではなく幸せであること」モットーに、西洋医学の標準治療だけでなく、幅広く柔軟な医療選択肢を個々に合わせて提案。
自然栄養療法、運動療法、自律神経調整、量子力学的な観点からのアプローチなどを組み合わせ、心身のバランスを整え自然治癒力を高める治療を提供している。
また、病気の根本原因やそれらへの向き合い方、自身でできるセルフケアなどを伝え、肉体や精神・感情までに及ぶ幅広いアプローチで「真の健康」の一助を目指す。

<Text:外薗拓 Edit:編集部>

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