1. トップ
  2. 【50代からのひとり旅】行き先に迷ったときは? 旅を120%楽しむコツとは?|旅行のプロがアドバイス

【50代からのひとり旅】行き先に迷ったときは? 旅を120%楽しむコツとは?|旅行のプロがアドバイス

  • 2025.11.23

【50代からのひとり旅】行き先に迷ったときは? 旅を120%楽しむコツとは?|旅行のプロがアドバイス

小さなしがらみや予定に追われる毎日から、少しだけ離れてみませんか? 小さな荷物と、大切にしたい“好き”なものだけを抱えて出かければ、誰にもジャマされない自由な時間が待っています。そんな「ひとり旅」の魅力や楽しむコツを、長年旅の豊かさを伝えてきた旅行ジャーナリストの津田令子さんに伺いました。


お話を伺ったのは
津田令子さん 旅行ジャーナリスト

つだ・れいこ●社団法人日本観光協会・旅番組室長を経て、トラベルキャスター、旅行ジャーナリストに。
現在、NHK文化センターやNHK学園で講師を務めるほか、エフエム熱海湯河原ではラジオパーソナリティとしても活躍中。

「どこへ行くか」より「何をしたいか」を重視して

「いざひとり旅へ!」と心が決まっても、選択肢が多すぎてどこへ行けばいいか迷ってしまうことも。そんなとき、津田さんは「旅のテーマ」から考えてみては、と提案する。

「『アートに触れたい』とか、『とにかくのんびりしたい』とか、旅の核になる目的をひとつ選んでみましょう。そのヒントとなるのが『旅のテーマ』。4つのテーマをヒントに、自分自身に今、何をしたいのかを問いかけてみてください。自然に行き先が見えてくるはずですよ」

上級者になったら「気の向くままのぶらり旅を」

旅に慣れてきたら、ノープランの旅を楽しんでみて。「気分次第で行動する、そんな旅は誰かと一緒では絶対にできないこと。心惹かれた駅で降りたり、気になった路地裏に迷い込んだり。心の声に従った先には、自分だけの宝物のような風景や出会いが待っていますよ」

行き先に迷ったら4つのテーマから絞って

どこに行くかは、自分の気持ち次第。4つのテーマをヒントに、「やりたいこと」を確認してみましょう。

①私の“好き”と出合う旅

好きなものに夢中になる時間は、何よりのご褒美。ひとり旅ならその喜びを心ゆくまで味わえる。「ドラマの舞台になった場所を訪ねたり、好きな作家さんの器を探しに行ったり。自分の思いを頼りに好きなものを訪ね、その感動を再確認する旅はエネルギーチャージにぴったり」

【具体例】ロケ地めぐり、陶器の街めぐりなど

②ノスタルジーに浸る旅

ひとり静かに古い建物の扉を開けるとき、そこは単なる観光地ではなく、自分だけの特別な舞台となる。「私はよく歴史的な建物や旧家を訪れるのですが、建物が重ねてきた時間にじっくりと思いを馳せる時間は至福のとき。ひとりだからこそ味わえる、贅沢な時間です」

【具体例】歴史的建築、洋館や旧家めぐり

③いつもの街をゆっくり歩く旅

「灯台下(もと)暗し」とはよく言ったもの。「何度も訪れているおなじみの街も、ひとりでゆっくり歩くと、いつもとは違う景色が見えてくるんです。季節や目的を変えるだけでも、新しい表情が見えてくる。訪れたことのある場所なら、土地勘もあるので安心して楽しめます」

【具体例】京都、軽井沢、鎌倉、倉敷、名古屋など

④心と体をほどく旅

癒やしやリフレッシュとは少し違う、「ほどく」とはどんな旅なのだろうか。「日々の喧騒から離れ、固くなった心と体をゆるりと解き放つ旅です。おすすめは、非日常を味わえる島旅。たとえば伊豆大島なら、東京・竹芝桟橋から高速ジェット船で2時間とアクセスも抜群」

【具体例】伊豆大島、琵琶湖の沖島など島旅

ひとり旅を120%楽しむためのヒント!

旅先での体調は万全に

旅先では、近くに病院や薬局がない場合も多い。「万が一の場合に備えて、普段から飲み慣れている常備薬は必ず持参しましょう。また、飛行機内やホテルの室内は乾燥しているので、のど飴は必需品。ホテルではぬらしたタオルをベッドそばにかけるだけで、乾燥対策になりますよ」

節約旅ならビジネスホテルを活用して

泊まること自体が旅の目的でないなら、ビジネスホテルという選択肢もあり。「女性ひとりでも安心して泊まれるきれいなホテルが増えていて、アメニティも充実。選ぶ際には、シングルルームの多いホテルを。ひとり客が多いので、気兼ねなく過ごせます」

地元の観光協会に電話して直前情報を入手

ネットの情報は便利だけれど、「生の情報」に勝るものはない。「ぜひ、現地の観光協会に電話してみてください。天候や混雑状況など一番旬な情報が聞けますよ。迷惑かな、なんて心配しなくて大丈夫。地元の人の生の声は、何より信頼できる情報源ですから」

旅先では必ず地元のタクシー会社の電話番号をメモ

慣れない土地での移動には不安がつきもの。いざというときのお守りとして、駅に着いたらタクシー会社の電話番号をメモか写メしておこう。「これは旅の鉄則。バスが終わってしまったときや道に迷ったときの助けになるし、すぐに呼べると思うだけで安心感が違います」

現地ガイドツアーが強い味方に

ひとりの冒険も素敵だが、ときにはプロの手を借りるのも賢い選択だ。「自然の中や、アクセスの悪い場所に行くときなどは、現地のガイドツアーに参加するのがおすすめです。安全面はもちろん、地元の人ならではの話が聞けて、旅の充実度がぐっと高まりますよ」

雨のときのプランBを考えておくと安心

旅と天気は切っても切れない関係。雨でもがっかりしない、心の余裕を持っておきたい。「近くの美術館や博物館、温泉施設などを事前に調べておくと雨でも気落ちせずにすみます。ホテルにレイトチェックアウトをお願いして、のんびり雨がやむのを待つのも◎」

ひとり時間を時間を楽しめるアイテムをお供に

色鉛筆やはがきは、手持ち無沙汰になりがちなひとり時間を特別な思い出に変えてくれる。「移動中やホテルで、その日見たものや感じたことを描き、自分宛てに送るんです。後日、旅の思い出が詰まったはがきが届くと、楽しかった気持ちがふわっとよみがえります」

※この記事は「ゆうゆう」2025年12月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

元記事で読む
の記事をもっとみる