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80歳・現役生活研究家【阿部絢子さん】人生を輝かせる一人旅と自由な生き方とは?

  • 2025.11.22

80歳・現役生活研究家【阿部絢子さん】人生を輝かせる一人旅と自由な生き方とは?

快適な暮らしを提案してきた生活研究家・阿部絢子さんは現在も働いています。仕事と趣味の日をしっかり分けた暮らし方のコツをじっくり伺いました。

PROFILE
阿部絢子さん 79歳・生活研究家

あべ・あやこ●1945年新潟県生まれ。共立薬科大学卒業。
薬剤師としてメーカーで勤務後、消費生活アドバイザーとして百貨店で、現在は調剤薬局で勤務。

日常を離れての楽しみは「目的のある旅」。グループより一人旅が楽しくなってきた

名所旧跡巡りはしない。だが「これが見たい」と思ったら出かけていく

阿部さんは旅の達人でもある。ただし、旅のスタイルがひと味違う。ガイドブックに載っている名所旧跡、美術館は巡らない。たとえば20年間続いているのが仲間たちとの「たけのこ組」。たけのこをみんなで掘って、料理して食べる。

滋賀県の長浜市のたたずまいも気に入っていて、こちらにも友人がいて、何度も通っている。観光地での記念撮影はしないが、その場の様子はiPadでしっかり撮影している。

生活研究家という仕事柄、研究のためにも全国へ足を運んでいる。師事した吉沢久子さんの未完成の「台所史」を含め、自分は「家事史」の研究と執筆を続けている。そのために話が聞ける人のところへどんどん出向く。

40代後半から50代は大学時代の友人とのグループ旅が多かったが、今は一人か2~3人。一人旅は自由がきき、気ままだなぁと感じられて心地よいそうだ。

阿部さんの旅のPHOTOアルバム

家事研究のために海外でホームステイ。旅行ではない現地の生活を知る楽しみがある

コロナ前には年に1回、1週間から10日間、海外でのホームステイを続けてきた。各国の家事を目で見て体験することが目的だ。ドイツやデンマーク、スペイン、イタリアと、旅するだけでは感じ取れない現地の人々の暮らしぶりをホームステイという形でしっかりと経験して記録してくる。

国や人によって家事のスタイルが違う。たとえば掃除や冷蔵庫への保存法は、ドイツとイタリアではいろいろと違うから面白い。

日本国際生活体験協会(EIL)というホームステイを受け入れる組織があり、EILがホームステイ先を決めて、滞在するシステムが出来上がっている。

最後に滞在したのがイタリアの東海岸にある港町マルティンシクーロ。ここでは人生を楽しむ人たちとの出会いがあった。コロナ禍で休んでいたホームステイを、そろそろ再開したいと話す。

年とともに旅道具も変わってきた

阿部さんは旅の達人でもあるが、旅の荷物選びの達人でもある。なかなか荷物が減らせないという人は多いが、阿部さんの場合、厳選したものだけを持っていく。荷物が重いと旅が楽しくないので、足りなければ「現地調達」主義であり、お金さえ持っていれば何とかなると語る。

リュックの使い勝手も研究してきたことの一つだ。海外のホームステイにも国内旅行にも必ずリュックを持っていく。1泊用・2~3泊用の大きさ違いのリュックを使い分けている。こだわりは内側のポケットの位置。リュックだとどうしても底のほうが重くなってしまいがちで、これを背負っているのは疲れるので、内ポケットがリュックの上部にあって、底部だけが重くならないものを探して使っている。

最近はスーツケースにも重さを感じるようになってきているので、もっとコンパクトに、さらに荷物を減らそうと考えているそうだ。旅は特別なことではなく、日常の延長という考えなので、旅だからという気負いのある準備はしないのが阿部さん流だ。

旅達人の道具拝見!

人生そんなに長くないから、 好きなことをやったほうがいいんじゃない

50代を乗り越えてから「○○しなければならない、こうでなければいけない」はもうなくなった

自由に日々を満喫している阿部さんも、若いときは人からどう見られるかを気にしていたという。だが、50代を乗り越えてからいいんじゃないかと思えるようになった。こう考えるに至ったのは、友人の急病がきっかけで、明日はわが身と想像し、自由に生きようと思った。

「こうしたほうがいいは自分で決めていくことだから、それが一番楽に生きられるコツ。人がどう思うかを考えない。そんなに人生長くないからしたいことをやったほうがいいんじゃない。自分の好きに生きることが重要。自分の人生、後悔なんて全然してない」と、明るく語った。

阿部さん流・心豊かに暮らすコツ

①「これやりたい、こういうふうにしたい」の好奇心がすべての原動力
②自分の人生だから自分が楽しいことが大切
③自分で面白いことにつなげていく努力をすれば、人生、嫌にならない

撮影/柴田和宣(主婦の友社)

※この記事は「ゆうゆう」2025年1月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

※2024年12月10日に配信した記事を再編集しています。



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