岩田剛典、『金髪』舞台挨拶で海外作品への意欲も告白！“タト”発言で会場を爆笑に包む

第38回東京国際映画祭コンペティション部門で観客賞を受賞した映画『金髪』の公開記念舞台挨拶が11月22日にグランドシネマサンシャイン池袋で行われ、岩田剛典、白鳥玉季、坂下雄一郎監督が出席した。

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日本独特のおかしな校則、教師のブラックな職場環境、暴走するSNSやネット報道という現代社会の問題を題材に、大人になりきれない教師が生徒たちに振り回されながらも成長していく様を描く本作。三代目 J SOUL BROTHERSの岩田が、若⼿でも中年でもない年頃で⾃分を客観視できていない“イタい”中学校教師の市川役を演じた。大きな拍手に迎えられた岩田は、「ついに公開ということで、本当にうれしく思っています」と挨拶。「どんな感想が待ち受けているのか。日々SNSを見ながらチェックしている、まさに市川のような気持ち」と演じた主人公と心を重ねて、会場の笑いを誘っていた。

第38回東京国際映画祭で本作は、観客賞を受賞した。岩田は「観客賞が一番うれしい」とガッツポーズで喜びを表現。オファーを受け、脚本を読んだ段階で「すぐに出たい」と思ったそうで、「オリジナル脚本で、これだけおもしろい作品に出会えることは、そうそうないと思った。あっという間に読んだ」と魅了されたとのこと。会話劇を中心とした展開には、俳優としてやりがいも感じたといい、「チャレンジでもあり、そこに対して燃える気持ちもあった」と明かしながら、「“日常あるある”みたいなものを、行動や発言で(表現していく)。全部がそういったシーンで、それを表現できる役はいままでやったことがなかった。多くの方に共感を生むようなキャラクターになるとも思い、ぜひ飛び込んでみたいと思った」と前のめりで挑んだと話していた。

“⾦髪デモ”を発案した市川の生徒、板緑役の白鳥は「金髪姿を見た時に『私じゃない』と思った。『これが板緑なんだ』という認識ができた。毎朝現場で(金髪のウィッグ)を被ると、スイッチの入り方がわかりやすくなった」とウィッグにも助けられながら、役作りにトライ。「休憩時間の合間には、常にセリフのやり取りをして、お互いに励まし合って。協力して、戦っていました」と岩田と話し合いを重ねながらシーンを作り上げていったと振り返ると、岩田は「落ち着いているね。すごいよ」と白鳥の堂々たる佇まいに感心しきり。2人の絶妙なやり取りに、会場からも笑顔がこぼれていた。

教師役は本作が初となった岩田だが、坂下監督は「岩田さんには、さわやかで笑顔がステキだというイメージがもともとあった。でもよく見ると、その裏になにを考えているかわからない部分を感じるなと思って。それがすごく、このキャラクターに合うのではないかと思いました。相乗効果で、うまくいくのではないかと思った」と抜てきの理由について吐露。岩田は、「ほぼ僕です」と楽しそうに市川に愛情を傾けていた。

またステージでは、岩田と白鳥が“今年の漢字”を発表するひと幕もあった。白鳥は「猫」とかわいいイラストを添えたフリップを披露し、「猫に今年からすごくハマっている。猫を飼うために、家を買いたいという新しい目標ができるくらい、猛ハマりしている」とニッコリ。「休みの日は猫カフェに行ったり、空いている時間にはSNSで猫の写真を探したり、猫を飼っていないのに猫砂を見たり、ペットショップに入りたくなってしまったりする」と猫愛を叫んでいた。

一方の岩田は「外」と書いたフリップを見せながら「タトです」とカタカナで語り、会場も大笑い。「冗談です」とニヤリとしつつ、「外の世界を知る1年にもなったかなと思います。不思議と、今年は年明けから、お仕事でいろいろと海外に行かせていただく機会が多くて。昨年まではあまりなかったんですが、今年からすごく増えた。自分のなかでは、潮目が変わってきているような気がします」と状況の変化を実感している様子。司会から「海外の作品などにも興味はありますか」と聞かれると、岩田は「もちろんです。あります。出演してみたいです」と海外進出にも意欲を見せていた。

キャノン砲で金色のテープを会場に放ち、公開をお祝いしたこの日。完成作を観た時には、「身につまされる想いがした」と笑った岩田は、「大人の皆さんには、共感していただけるシーンやワードが散りばめられている作品。決して他人事だと置き換えられないような、新感覚ムービーになっています」と呼びかけ、大きな拍手を浴びていた。

取材・文/成田おり枝