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今年75歳・元ミス日本 伊藤千桃さんの暮らしの工夫と日々の心がけ。「手作りおやつで英気を養います」

  • 2025.11.21

今年75歳・元ミス日本 伊藤千桃さんの暮らしの工夫と日々の心がけ。「手作りおやつで英気を養います」

小さくて自由な暮らしを楽しんでいる女性に、今、注目が集まっています。自身の価値観を大切にして、心地よい毎日を送っている方たちを紹介する『60代からの小さくて自由な暮らし』(主婦の友社)から、「自然の中に身を置いてこつこつと精を出す毎日」を楽しむ伊藤千桃さんの暮らしを2回にわたってピックアップ。後編です。

「山の中で暮らしているとつつましくも豊かに暮らす知恵が身につきました。これが何よりの財産です」という伊藤千桃さん。
前編に続き、「暮らしの工夫と日々の心がけ」「住まいとおしゃれ」「料理と食事」の様子を拝見していきましょう。

※1〜4は前編の記事をご覧ください。

5 自然の恵みを暮らしにとり入れる

庭に自生する野草や山菜などの身近な植物に関心を持ち始めたのは、子どもたちが巣立って自分の時間を持てるようになってから。図書館で本を借り、そこに書かれていた食事や健康方法などを実践するようになりました。今、植えているナスタチウムやレモングラス、ミントなどのハーブは自家製堆肥で育てたもの。無農薬なので安心して使えます。

食材として使う

ハーブはお茶や料理に。朝食のスープには必ず入れます。庭に生えているドクダミ、クズ、ビワの葉はミントと一緒に天日に干したあと、土鍋で炒って手揉み茶に。オーブンでも作れますが、私の場合は土鍋のほうが上手にできるんです。

化粧水として使う

農薬に触れていない木の葉や野草は日本酒につけておくと、化粧水として使えます。今、ストックしているのはドクダミ、ビワ、ヨモギとユズの種。ユズの種にはぬめり成分があるので、それぞれのエキスに混ぜて、オリジナル化粧水を作っています。私は市販の化粧水は使わないので、肌のお手入れはこれだけ。肌が弱い人には合わないかもしれないので、使うときはパッチテストを行ってからにしてください。

装飾品として使う

庭のサルスベリを切ったあとの実を器に入れてインテリアの彩りに。ドライになってもきれいな植物なので、ほったらかしでも絵になるのがいいところ。もう少しこのままの状態で楽しんで、そのうちリースにしようかなと思っています。

6 恥を恐れず、学ぶ姿勢を大切に

知らないことを知るって、ただそれだけで充実感があります。今、学んでいるのはインドネシア語。父方の家族がインドネシアにいて、いとこたちともっと話せるようになればいいなと思っていたところ、家から通える距離に教室があるのを知り、月2回通っています。ほかの生徒さんより覚えが悪く、恥ずかしい気持ちもあるのですが、人生に恥はつきもの。恥を恐れていては何も得られません。

7 自分で作れるものはなんでも手作り!

わが家では化粧水同様、石けんも手作り。体も顔もオリーブオイルをベースにした石けんで洗っています。材料で使うカセイソーダは危険な薬品なので取り扱いに注意が必要ですが、作り方は至って単純。すべての材料をかき混ぜて、型に流し、固まったらカットして半紙にくるみ半年ほど寝かせるとできあがります。スクラブがわりにオートミールを入れたり、保湿力の高いアロエを入れたりして自分好みにアレンジできるのも楽しいですよ。

住まい/ おしゃれ

ものも服も好みが変わらないので何十年も使っているものばかり。さらに「もったいない精神」からあるものでまかなう癖がつきました。

8 ものを眠らせない

年を重ねるとものを減らす傾向にあるようですが、私はまだその手前の段階。持っていても使えていないものがたくさんあるので、引っぱりだして飾ったり、使ったりしています。最近出したのは旅先で買った赤いヴェネチアングラス。花瓶としてなら日常でも使えます。

9 手仕事の品を暮らしのパートナーに

物欲は強いほうではないのですが、国内外問わず、手仕事の品に惹かれます。このインドネシアの工芸品のワヤン(操り人形)はいとこがプレゼントしてくれたもの。天然素材で作られる家具やかご、装飾品は年を重ねるほどに味わい深くなり、暮らしにぬくもりを添えてくれます。

10 いただきものを自分流に使う

昔からトレンドに興味がなく、たまたまご縁のあったものを長く使っています。こういった性分からか昔なじみの友人から「これ使って」と古物を引き受けることもしばしば。たとえば今は貴重な水屋だんすもそのひとつ。食器棚は間に合っているので、洋服を入れてみたらサイズがぴったり。固定観念にしばられることなく柔軟に暮らしていければと思っています。

11 おしゃれも生活の一部

養母からちょっとそこまで行くのにも身だしなみを整えるようにしつけられたせいか、服装にはいつも気を使うようになりました。犬の毛が気にならないシャツは私のユニフォーム。アクセサリーも毎朝どれにしようかと選ぶひとときも含めて、暮らしの楽しみのひとつです。お気に入りはメキシコで買った豚のピアスと、香港で買ったネックレス、インドの友人から買った鹿のブローチ。今日はインドネシアで買ったピアスを。

12 布を活用する

パッと目をひく鮮やかな色合いや、趣のある伝統柄の布に目がありません。見た目に楽しいだけでなく、さまざまなシーンで使えて実用的なところも大好き! 使い古したらぞうきんにして、最後は気軽に処分できるのもいいところ。布を暮らしに生かさない手はありません。

椅子のカバーに

リビングで使っているガーデンチェア。軽く扱いやすいのはいいのですが、そのまま使うと味けないのでバティックをかぶせています。秋冬はこっくりとした色みのものを、夏は白地の多いさわやかな柄をかけて、季節ごとに模様替えを。

衣類の収納に

わが家には衣装ケースがありません。オフシーズンの服はふろしきに包んで水屋だんすの下段に収納しています。スペースに合わせて形を変えられ、通気性があり、軽くてとり出しやすい……と、とにかく万能。洗えるので衛生面も安心です。

エプロンに

庭仕事や宅配料理、民泊の準備と一日中エプロンが欠かせません。さまざまなタイプのエプロンを持っていますが、中でもハギレを腰に巻いただけのエプロンは洗濯しても早く乾くし、肩も凝らずとにかく楽ちん!

料理/ 食事

手つかずの自然が残る裏山や農薬や化学肥料を使っていない庭でとれる野草や作物が元気の源。良薬口に苦しといいますが、大地の恵みの良薬は口にうまし。

13 手作りおやつで英気を養う

好きなときに好きなものを好きなだけ。特に禁制はせず、なんでもおいしくいただくのが私の健康法です。なのでお酒も甘いものも嗜みますが、日々欠かせないのが手作りのおやつ。庭仕事や家事で体力を消耗してしまうので、パンやおむすびといったおなかにたまるおやつで元気を回復しています。今日はローズマリー入りのフォカッチャを。

14 スパイスでおいしく健康に!

ハーブ同様にさまざまな健康効果のあるスパイスも常日ごろから料理にとり入れています。今日は消化を助けるカルダモン、抗菌効果のあるクローブ、血の巡りをよくするシナモンを紅茶に入れて、香り豊かなチャイを作りました。スパイスは粉末の状態でも売っていますが、自分ですったほうが香りがよく、おいしくいただけます。ちなみに愛用のすりこぎは、拾ってきたカラスザンショウの枝!

15 旬のものを食べる

自然な形でその時季に実るものが体にいいことは、感覚的にもわかります。できるだけ新鮮なうちに食べきるようにしていますが、作物によっては保存食にすることも。たとえば山椒がそのひとつ。初夏の青山椒のときに収穫してすぐに塩漬けにして冷凍保存しています。煮物や炒め物に散らすと、具材の肉や魚の臭みをとってくれ、さわやかな風味を楽しめます。

16 作りおきや調味料を常備しておく

旬の食材を無駄にしないためというのもありますが、まとめて作っておくと、後々便利。よく作るのは、きゃらぶきやちりめん山椒などのごはんのおとも。甘いものが欲しいときにちょっとしたおやつになる金柑の甘露煮や夏みかんのピールなども。あとは風味の足しになる自家製の調味料。旬の食材をみそとあえたりしょうゆに漬け込んだりしておくのですが、中でもゆずこしょうは、何かひと味足りないときに大活躍。実が青いうちに収穫できず、黄色に色づいたものを使いましたが、自分で食べる分だから問題なし。意外と簡単に作れておいしいですよ。

17 食事はおなかの声を聞きながら、美しくいただく

よく動くからでしょうか。孫に「ばぁば、また食べてるの?」と驚かれるくらいよく食べます。いろいろな健康法がありますが結局は自分の体に無理なく、おいしくいただくのがいちばん。ひとりでも雑な食事にならないように、好きな食器に盛ってきちんといただくと満足感がありますよ。ちなみに今日のお昼はビーフシチューとポテトサラダ、大根ソテー、大根もち。あとは作りおきしておいた、きゃらぶきとちりめん山椒でいただきました。

profile
伊藤千桃さん
神奈川県在住。1972年度ミス日本。17年前から宅配レストラン「桃花源」を営み、オリジナルの野草茶も販売(https://chimomo.official.ec/)。
著書に『千桃流・暮らしの知恵』※現在は電子書籍版のみの扱い(主婦の友社)。

※この記事は『60代からの小さくて自由な暮らし』主婦の友社編(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

※この記事は2023年8月7日に配信した記事を再編集しています。

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