1. トップ
  2. 年金5万円・食費は月1万円!今年74歳の紫苑さん「節約しながらスイーツも食べたい」そんな時どうしてる?

年金5万円・食費は月1万円!今年74歳の紫苑さん「節約しながらスイーツも食べたい」そんな時どうしてる?

  • 2025.11.21

年金5万円・食費は月1万円!今年74歳の紫苑さん「節約しながらスイーツも食べたい」そんな時どうしてる?

月5万円の年金でやりくりするには? 知恵と工夫をちりばめたセンスあふれる節約生活をつづったブログが大好評の紫苑さん。楽しくおしゃれな節約生活を成功させた秘訣はどこにあるのでしょう。紫苑さんの食、おしゃれ、住まいとインテリアのコツを6回に分けてご紹介します。第2回は、食費の中でも、なかなかやめられないお菓子類についてです。

月6000円も節約できたコツは?

節約生活を始めた当初、年金月5万円のうち食費を1万円でおさめようと考えた紫苑さん。まず初めに手がけたのは過去のレシートのチェックでした。

「スーパーのレシートを束ねてひと月ごとに見ていくと、好きなもの、買いすぎているもの、無駄なものなど、自分の傾向がわかるんですね。よく買っている食材の代表が牛肉や刺身などでした」

そこで、高価な牛肉や刺身の代わりに、鶏むね肉やレバー、さんまやさば、いわしなど、安くて健康によい食材を使うことにした経緯は、前回、ご紹介しました。

レシートのチェックをしていて、あらためて実感したことがありました。

「食費の中でも大きな比率を占めていたのが、クッキーやおせんべい、スナック菓子などのスイーツでした。私はケーキよりも駄菓子が大好き。それでも積もり積もると大きな金額に。当時、2万5000円~3万円ほどかかっていた食費のうち、6000円くらいお菓子を買っていたこともありました」

食後のお菓子がなにより楽しみ。食べ始めるとやめられないので、夕食がおろそかになったり、胃腸を壊したりしたことも。

スイーツは別腹、ストレス解消のため、自分へのご褒美……いろんな理由をつけては、お菓子がやめられなかったのですが、お財布と体の両方に配慮して「スイーツ類は買わない!」と決めたそうです。

「買えない」のではなく、「買わない」というところに紫苑さんの強い意志と、あるもので工夫する意欲が感じられます。

「スイーツをやめたら味気ない暮らしになりますから、最初は、手作りケーキやクッキーを作っていました」

その後、心療内科の医師が書いた本で、たんぱく質と鉄分をとると甘いものを減らせる、とあるのを見つけて実行することに。
絶えず情報を収集して、知り得た情報をどんどん試してみるところも、紫苑さん流です。

「小腹がすいたらたんぱく質がとれるチーズやナッツをおやつ代わりにすることも。最近では、きな粉もちや白玉入りのぜんざいなどの簡単スイーツを手作りしています」と、その場でパッと作ってくださったのが、きな粉白玉です。

分量にはさほどこだわらずに、感覚重視。お団子のようにまるめなくても、逆に手作り感が強調されておいしそうです。

白玉が浮いてきたら、すくい上げ、きな粉をまぶすだけ。きな粉の味付けには、沖縄のきび糖を加えます。

「なるべく体によい材料を使いたいので、白砂糖を買うのはやめて、きび糖や羅漢果(砂糖の300倍もの甘さといわれる果物の顆粒でノーカロリー)、はちみつ、甘酒などで甘みをつけています」

きな粉白玉は、つるんとしたのどごしの白玉ときな粉の素朴な風味があいまって、簡単なのにおいしいスイーツになりました。市販のあずき缶に白玉を加えれば、白玉ぜんざいにもなります。
材料費は100円程度です。

紫苑さん流 簡単でおいしいオリジナルスイーツとは?

秋冬のシーズンは、さつまいもがほくほくおいしくなります。

「さつまいもを薄切りにしてフライパンで焼き、はちみつをかけるだけで、おやつにぴったりです」

パンの耳も、オリーブオイルをかけてグリルで色よくパリッと焼き、はちみつやきび糖、シナモンをかけたり、溶かしたチョコをつけてチョコフォンジュ風にすると素敵なおやつに。

「お菓子を爆買いしていたころは砂糖中毒だったのかもしれません。穏やかな甘みを使うようになってからは、砂糖への執着が減り、甘いものをどうしても食べたいと思わなくなってきました。しかも胃腸も快調になり、体調を崩さなくなりました。最近では“ダブルたんぱく(2種類のたんぱく質食品)、ノンシュガー”を合言葉に、食卓を整えています」

以前よく買っていたという100円台の駄菓子よりも、チーズやナッツのほうが高価ですし、きな粉やはちみつのほうが割高かもしれません。でも長い目で見れば、駄菓子を買い続けるよりも、お財布にも身体にも優しい、紫苑さんの簡単手作りスイーツ。マネして作ってみたくなりますね。

最近の物価高で、工夫していることは?

最近ではどれもこれも食品が高騰して困ってしまいます。物価高で、節約生活もさらに工夫が必要になっているのでは?

「いわしを買うつもりだったけど、なぜか高かったので、さばを買いました——というのも、よくありますね」
臨機応変に、店頭で安く購入できる食材に切り替えます。

「庶民の味方のいわしも値上がりしていますが、内臓を抜いて開いたいわしが5尾200円くらいの安いときには即買いします。塩麹に漬けて保存し、そのまま焼いてポン酢しょうゆをかけたり、小麦粉とゴマをまぶして揚げ焼きにしたり、パン粉をまぶしてパン粉焼きにしたり」

淡泊な素材だから、味付けや組み合わせを変えるだけで七変化。調味料や調理法の工夫次第で、安価な素材も立派な一品になり、飽きずに食べられるのです。

「鯖缶やツナ缶などの缶詰や乾物類も、プチプラメニューの味方です。これらの食品や麺類、調味料など保存の効く食品は、賞味期限が近づいている食品を割引して販売するお店を利用すれば、スーパーよりさらに安く買えてお得です」

旬の野菜を使って、紫苑さんがよく作るのが「野菜のグリル焼き」。

「耐熱皿に入れたキャベツやピーマン、キノコなどの野菜をグリルで焼き、バルサミコとしょうが入りのはちみつをかけるだけで、おいしいイタリアンに早変わりします。バルサミコなどちょっと値の張る調味料は、たまったポイントで買ったり、特売日に買ったりしています」

市販のドレッシングやレトルト食品はほとんど使いません。
それらは、食費オーバーの原因に直結してしまうから——。

「ドレッシングは酢と油と塩があれば作れるし、レトルトは味が濃いものが多いですよね。災害用にレトルトカレーは保存していますが、手作りできるものは市販品を買わずに工夫するのも食費の節約になりますね」

PROFILE
紫苑さん
しおん・1951年生まれ。
地方新聞社の東京支社勤務を経て、フリーランスのライターに。コロナ禍の2020年、月5万円の年金でやりくりする暮らしをつづったブログ「ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫」を開設。健康によい節約レシピ、おしゃれを生み出すリメイク術などが人気を集め、新聞、雑誌、テレビなどでも話題に。著書に『71歳、年金月5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活』(大和書房)、『72歳ひとり暮らし、「年金月5万」が教えてくれたお金との向き合いかた40』。

撮影/橋本 哲
※この記事は2023年10月27日に配信した記事を再編集しています。

★あわせて読みたい★

元記事で読む
の記事をもっとみる