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疲れているときに避けたほうがいい食べ物7選|疲労を悪化させるNG食品と理由を解説

  • 2025.11.20

「なんだか最近、疲れが取れない」「朝起きても体が重い」「午後になるとぐったりしてしまう」――そんな慢性的な疲労感に悩まされていませんか?

十分な睡眠を取っているはずなのに疲れが抜けないとき、実は毎日の食事が疲労を悪化させている可能性があります。「疲れたときは甘いものを」「スタミナをつけるために肉を」といった常識が、かえって体を疲れさせているかもしれません。

この記事では、疲れているときに避けるべき食べ物と、その理由を詳しく解説します。食事を見直すことで、慢性疲労から抜け出すヒントが見つかるかもしれません。

なぜ疲れているとき「食べ物選び」が重要なのか

疲労と食事は、思っている以上に深く関係しています。私たちの体は、食べたものからエネルギーを作り出し、細胞を修復し、様々な生命活動を維持しています。

つまり、食べ物の選択は、そのまま体のパフォーマンスに直結するのです。

疲労のメカニズムと食事の関係

疲労には「末梢性疲労」と「中枢性疲労」の2種類があります。

末梢性疲労は筋肉に乳酸が溜まるなど、体の組織レベルで起こる疲労です。一方、中枢性疲労は脳の疲労で、精神的なストレスや睡眠不足、栄養不足などが原因となります。

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現代人の多くが抱える慢性疲労は、この中枢性疲労が主な原因です。そして、食事の内容はこの中枢性疲労に大きく影響します。

とくに、血糖値の急激な変動、消化に負担がかかる食事、栄養素の偏りなどは、疲労を悪化させる三大要因と言えます。

栄養不足や偏食は疲労に影響する

体がエネルギーを作り出すには、炭水化物、脂質、たんぱく質という三大栄養素だけでなく、ビタミンB群、鉄、マグネシウムといった補助的な栄養素も必要です。

これらが不足していたり、バランスが崩れていたりすると、食べているのにエネルギーに変換できない、という状態に陥ります。

疲れていると消化機能も低下

また、疲れているときは消化機能も低下しています。普段なら問題なく消化できる食べ物でも、疲労時には胃腸に負担をかけ、さらなる疲労を引き起こす悪循環に陥ることがあります。

だからこそ、疲れているときに何を食べるか、何を避けるかを意識的に選択することが、回復への近道となるのです。

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疲れているときに避けるべき食べ物7選

では、具体的にどんな食べ物が疲労を悪化させるのでしょうか。科学的根拠とともに、7つのNG食品をご紹介します。

砂糖たっぷりの甘いもの(お菓子・ケーキ・清涼飲料水)

「疲れたときは甘いもの」という常識は、実は半分間違っています。

確かに糖分は脳のエネルギー源ですが、砂糖がたっぷり入った食品は血糖値を急激に上昇させます。すると体は血糖値を下げようと大量のインスリンを分泌し、今度は血糖値が急降下。

この「血糖値スパイク」が、かえって疲労感や倦怠感、集中力の低下を引き起こします。

チョコレート、ケーキ、菓子パン、炭酸飲料、缶コーヒーなど、精製された砂糖を多く含む食品は、一時的な満足感はあっても、その後に訪れる疲労感は避けられません。

とくに空腹時に摂取すると、血糖値の変動が激しくなるため要注意です。

揚げ物や脂っこい料理(唐揚げ・天ぷら・ファストフード)

疲れているときに「スタミナをつけよう」と、揚げ物や脂身の多い肉を選んでいませんか?

脂質の多い食事は消化に時間がかかり、胃腸に大きな負担をかけます。消化にはエネルギーが必要なので、消化に手間取る食事を摂ると、体は消化にエネルギーを奪われ、余計に疲れてしまいます。

とくにトランス脂肪酸を含む食品(一部のマーガリン、ショートニングを使った菓子、揚げ物)は、炎症を引き起こし、疲労感を増幅させる可能性があります。

唐揚げ、とんかつ、フライドポテト、ドーナツなどは、疲労時には避けたい食品です。

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アルコール(ビール・ワイン・日本酒など)

「疲れたから一杯」というのは、リラックス効果はあっても、疲労回復にはなりません。アルコールは肝臓で分解される際に大量のエネルギーと水分を消費し、体に大きな負担をかけます。

また、睡眠の質を低下させるため、翌日の疲労回復を妨げます。

アルコールは利尿作用があり、体内の水分やミネラルを排出してしまうため、脱水状態を引き起こします。脱水は疲労感の大きな原因の一つです。疲れているときのアルコールは、疲労を上塗りするようなものと考えましょう。

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カフェインの過剰摂取(コーヒー・エナジードリンク)

カフェインは適量であれば覚醒作用があり、一時的なパフォーマンス向上に役立ちます。しかし、疲れているときに過剰摂取すると、逆効果になります。

カフェインは「疲れを感じにくくする」だけで、疲労そのものを回復させるわけではありません。

体が疲れているのにカフェインでごまかし続けると、睡眠の質が低下し、自律神経のバランスが崩れ、慢性疲労が悪化します。とくにエナジードリンクは、カフェインと大量の砂糖が含まれているため、血糖値スパイクとカフェイン過剰のダブルパンチになります。

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1日のカフェイン摂取量は400mg以下(コーヒー約3〜4杯分)が目安です。疲れているときは、これよりさらに控えめにすることをおすすめします。

加工食品・インスタント食品(カップ麺・冷凍食品・コンビニ弁当)

手軽で便利な加工食品ですが、疲労時には避けたい食品です。これらの多くは、保存料、化学調味料、トランス脂肪酸、過剰な塩分を含んでおり、体に炎症を引き起こす可能性があります。

また、ビタミンやミネラルといった微量栄養素が不足しているため、エネルギー代謝がスムーズに行われません。

カップラーメン、インスタント食品、冷凍ピザ、加工肉(ハム、ソーセージ)などは、カロリーは高いものの栄養価は低い「エンプティカロリー食品」です。食べた満足感はあっても、体が本当に必要としている栄養素は摂取できていないのです。

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塩分の多い食べ物(漬物・梅干し・スナック菓子)

塩分の過剰摂取は、体内の水分バランスを崩し、むくみや血圧上昇を引き起こします。体が余分な塩分を排出しようとする過程で、腎臓に負担がかかり、疲労感が増します。

また、塩分の多い食事は喉が渇くため、水分を多く摂取することになりますが、体内の電解質バランスが崩れ、かえって疲れやすくなります。

ラーメン、漬物、塩辛、スナック菓子、加工食品などは、想像以上に塩分が多いので注意が必要です。

冷たい食べ物・飲み物(アイスクリーム・冷たいジュース)

冷たい食べ物や飲み物は、内臓を冷やして血流を悪化させます。血流が悪くなると、酸素や栄養素が体の隅々まで届きにくくなり、老廃物の排出も滞ります。この状態は疲労回復を妨げます。

また、胃腸が冷えると消化機能が低下し、栄養の吸収効率が悪くなります。とくに疲れているときは、体温を保つことが、エネルギー節約と回復のために重要になります。

アイスクリーム、冷たいドリンク、氷水などは、疲労時にはできるだけ避けましょう。

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上記7つの食べ物に共通するのは、「一時的な満足感はあるが、体の根本的な回復には役立たない」という点です。疲れているときこそ、体が本当に必要としているものを選ぶ目を養いましょう。

次:疲れているときにおすすめの食べ物・飲み物

疲れているときにおすすめの食べ物・飲み物

では、疲労回復を促進する食べ物とは何でしょうか。避けるべきものを知ったら、次は積極的に摂りたい食品を知っておきましょう。

エネルギー代謝を助ける「ビタミンB群」を含む食品

ビタミンB群は、糖質や脂質、たんぱく質をエネルギーに変換する際に不可欠な栄養素です。特にビタミンB1、B2、B6、B12は疲労回復に直接関わります。

豚肉、レバー、うなぎ、納豆、玄米、卵、乳製品などに豊富に含まれています。

中でも豚肉は、ビタミンB1が豊富で「疲労回復の肉」とも呼ばれます。ただし、揚げるのではなく、蒸す、茹でる、軽く炒めるといった調理法を選びましょう。

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「良質なたんぱく質」を含む食品

たんぱく質は体の組織を修復し、免疫機能を維持するために必要です。疲労時には、消化しやすい良質なたんぱく質を選びましょう。鶏胸肉、白身魚、豆腐、卵、ヨーグルトなどがおすすめです。

鶏胸肉に含まれる「イミダペプチド」は、抗疲労効果が科学的に証明されている成分です。蒸し鶏やスープにして食べると、消化にも優しく効果的です。

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鉄分とマグネシウムを含む食品

鉄分が不足すると、酸素を運ぶヘモグロビンが減少し、疲労感や息切れが起こります。

とくに女性は鉄分不足になりやすいので注意が必要です。レバー、赤身の肉、ほうれん草、小松菜、ひじきなどから摂取できます。

マグネシウムは、エネルギー産生や神経機能の調整に関わるミネラルです。不足すると疲労感や筋肉の痙攣が起こります。アーモンド、バナナ、大豆製品、海藻類などに含まれています。

抗酸化作用のある食品

疲労の原因の一つに、体内の酸化ストレスがあります。抗酸化物質を含む食品は、細胞のダメージを修復し、疲労回復を助けます。ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどが代表的です。

柑橘類、ベリー類、トマト、ブロッコリー、ナッツ類、緑茶などが良い供給源です。ただし、柑橘類は胃が弱っているときは刺激になることもあるので、様子を見ながら摂取しましょう。

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消化に優しい食品

疲れているときは消化機能も低下しているため、消化に優しい食品を選ぶことが重要です。おかゆ、うどん、湯豆腐、蒸し野菜、バナナ、りんごなど、柔らかく温かいものが理想的です。

特におかゆは、水分も同時に摂取でき、体を温め、消化に負担をかけない優秀な疲労回復食です。卵や梅干しを加えることで、栄養価もアップします。

水分補給

疲労時には、水分補給も重要です。脱水は疲労感を増幅させます。以下のような飲み物がおすすめです。

  • 白湯:内臓を温め、血行を促進します
  • 麦茶:カフェインフリーで、ミネラル補給にも
  • ハーブティー(カモミール、ペパーミント):リラックス効果があり、睡眠の質を高めます
  • 味噌汁・スープ:水分と栄養素を同時に摂取できます
  • 甘酒(米麹):「飲む点滴」と呼ばれるほど栄養豊富で、自然な甘みで血糖値も急上昇しません

これらの食品や飲み物を組み合わせて、バランスよく摂取することが、疲労回復への近道です。

次:疲労を悪化させる食習慣とNG行動

疲労を悪化させる食習慣とNG行動

食べ物の選択だけでなく、「どう食べるか」も疲労に大きく影響します。疲労を悪化させる食習慣とNG行動を見直しましょう。

食事を抜く・極端な食事制限

「疲れているから食欲がない」と食事を抜くのは、かえって疲労を悪化させます。食事を抜くと血糖値が下がり、エネルギー不足で頭がぼーっとし、集中力が低下します。

また、次の食事で血糖値が急上昇しやすくなり、血糖値スパイクを引き起こします。

たとえ少量でも、消化の良いものを食べることが大切です。おかゆ、バナナ、ヨーグルトなど、手軽に食べられるものを常備しておくと良いでしょう。

夜遅い時間・寝る直前の食事

夜遅く食事を摂ると、寝ている間も消化活動が続き、体が十分に休息できません。質の良い睡眠が得られず、翌朝の疲労感が残ります。理想は就寝の3時間前までに夕食を終えることです。

どうしても遅くなる場合は、消化の良いものを少量にとどめましょう。おかゆ、うどん、スープなど、軽めで温かいものがおすすめです。

早食い・ながら食い

急いで食べたり、スマホやテレビを見ながら食べたりすると、咀嚼が不十分になり、消化に負担がかかります。また、満腹中枢が働く前に食べ過ぎてしまい、胃もたれや倦怠感の原因になります。

ゆっくりよく噛んで食べることで、消化が促進され、少量でも満足感が得られます。1口30回噛むことを意識してみましょう。

水分不足

意外と見落とされがちなのが、水分不足です。体内の水分が2%減少するだけで、疲労感や集中力の低下が起こります。疲れているときは、喉の渇きを感じにくくなることがあります。

こまめに水分を摂る習慣をつけましょう。目安は1日1.5〜2リットル程度。ただし、一度に大量に飲むのではなく、コップ1杯ずつをこまめに摂ることが大切です。

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炭水化物の偏り・糖質制限のしすぎ

炭水化物を極端に制限すると、脳のエネルギー源であるブドウ糖が不足し、疲労感や集中力の低下を招きます。一方で、炭水化物だけの食事(おにぎりだけ、パンだけ)も、血糖値の急変動を引き起こします。

バランスが重要です。炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルを適切に組み合わせた食事を心がけましょう。

アルコールで疲れを癒そうとする

前述の通り、アルコールは疲労回復にはなりません。むしろ睡眠の質を低下させ、翌日の疲労を増幅させます。疲れているときは、アルコールではなく、温かいノンカフェインの飲み物でリラックスしましょう。

これらの食習慣を見直すだけでも、疲労感が軽減することがあります。一度に全てを変えるのは難しいので、できることから一つずつ改善していきましょう。

疲れと食事に関するよくある質問

最後に、疲労と食事に関してよく寄せられる質問にお答えします。

Q1. 疲れているときは何も食べたくありません。無理に食べるべきですか?

無理に大量に食べる必要はありませんが、少量でも栄養を摂ることは大切です。バナナ、ヨーグルト、おかゆ、スムージーなど、食べやすく消化の良いものを選んでください。

食欲不振が1週間以上続く場合は、医療機関を受診することをおすすめします。

Q2. 疲労回復のサプリメントは効果がありますか?

ビタミンB群、鉄分、マグネシウムなどのサプリメントは、不足している場合には効果が期待できます。

ただし、サプリメントは補助的なものであり、基本はバランスの取れた食事です。サプリメントに頼りすぎず、まずは食事内容を見直しましょう。

Q3. コーヒーを飲まないと目が覚めません。どうすればいいですか?

カフェイン依存になっている可能性があります。急にやめるのは難しいので、徐々に量を減らしていきましょう。午後3時以降はカフェインを控える、1日のコーヒーを2杯までにするなど、段階的に減らすことをおすすめします。

また、十分な睡眠を確保することが根本的な解決策です。

Q4. 疲労回復に良い食事のタイミングはありますか?

朝食をしっかり摂ることが、1日のエネルギー代謝を活性化させます。昼食後に眠くなる場合は、炭水化物を控えめにし、たんぱく質を多めにすると良いでしょう。

夕食は就寝3時間前までに、消化の良いものを摂ることが理想です。

Q5. 甘いものが食べたくなるのはなぜですか?

疲れているときに甘いものが欲しくなるのは、脳が素早くエネルギーを求めているサインです。

ただし、精製された砂糖ではなく、果物やサツマイモ、甘酒など、自然な甘みで血糖値が緩やかに上昇する食品を選びましょう。

Q6. 運動後の疲労と日常的な疲労で、食事の取り方は変わりますか?

はい、異なります。運動後の疲労(末梢性疲労)には、たんぱく質と炭水化物を組み合わせた食事が効果的です。

一方、日常的な疲労(中枢性疲労)には、ビタミンB群、鉄分、マグネシウムなどの微量栄養素を意識的に摂ることが重要です。

Q7. 疲労回復にどれくらいの期間がかかりますか?

一時的な疲労であれば、適切な食事と睡眠で数日で改善します。しかし、慢性疲労の場合は、食生活の改善効果が実感できるまで2週間〜1ヶ月程度かかることもあります。継続的な取り組みが大切です。

疲労が3ヶ月以上続く場合は、慢性疲労症候群などの可能性もあるため、医師に相談してください。

「何を食べるか」だけでなく「何を避けるか」も重要

疲労と食事の関係は、想像以上に深いものです。「何を食べるか」だけでなく、「何を避けるか」「どう食べるか」まで意識することで、体は確実に変化していきます。

監修者プロフィール

安江千尋

天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック院長。
防衛医科大学校卒業後、同大学病院、自衛隊病院を経て、がん研有明病院にて下部消化管内科副医長として勤務。2024年、大阪・天王寺に消化器内視鏡専門クリニックを開院。大腸がんの予防・早期発見に取り組む一方、便秘・過敏性腸症候群など、自律神経の影響を受けやすい機能性疾患にも多く関わる。生活習慣や食事、ストレスとの関連を踏まえた総合的な診療を心がけている。

<Text:外薗拓 Edit:編集部>

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