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40代、静かに反抗しています。「ここからは、私を大切にしていい」という決意|連載 #40代のリアル

  • 2025.11.19

静かな反抗は、“軸を自分に戻す”ところから始まる

40代くらいになると、もう無理して人に合わせることに、心も体も疲れてしまう瞬間があるのではないでしょうか。若い頃は、誰かの期待に応えることで自分の存在価値を確かめていたけれど、今は違う。むしろ、外側の評価に振り回されるほど、自分が薄くなっていくような感覚が生まれることさえある。

だからこそ私が始めた静かな反抗は、派手なものではなく、ただ少しずつ"他人ファーストから自分ファースト"へと軸を戻していく作業でした。

・気が乗らない誘いに「今日はやめておきます」と言えるようになること
・誰かの機嫌に合わせて自分をすり減らさないこと
・人と比べて焦るより、自分のペースを守ること
・“いい人”でいなくてもいいと自分に許可すること

こういう小さな選択の積み重ねが、私の反抗の正体です。

周りに説明しなくてもいいし、理解してもらう必要もない。むしろ人に知られないくらい静かでいい。大切なのは、自分の正直な声を見落とさず、拾えるようになることだと思うのです。

誰にも見えないけれど、確かに変わり始める

自分ファーストへ軸を戻すと、最初は少し怖さがあります。「わがままに見えるかな?」「嫌われたらどうしよう?」そんな声が心の中でささやく。けれど、ほんの少し勇気を出して自分を優先すると、世界の見え方が変わっていくことに気づきます。

不思議と、
・仕事の縁が整い始めたり
・人間関係が楽になったり
・心が安定したり
・体の疲れ方まで変わったり

“自分を大切にする選択”は、外の世界まで変えていく力があるんです。

反抗というより、「本来の自分に戻るリズムを取り戻す」感覚に近いかもしれません。成熟したの心と体が奥深いところで求めているのは、本当の意味での“調和”なのでしょう。

ヨガ哲学でいうと、それは“自分のダルマ”に帰ること

ヨガ哲学には、スヴァダルマ(自分固有の役割)という考えがあります。役割を見つけることは難しく感じるかも知れませんが、実はすごくシンプル。それは、「私は、本当はどんなときに心が喜ぶんだろう?」「どんな生き方をすると、自然体でいられるんだろう?」という問いに、まっすぐ正直になること。

どれだけがんばっても満たされないのは、その道が“自分のダルマ”ではないから。逆に、「これは心地いい」「これは違う」というような内側の小さな感覚に従い始めると、自然とスヴァダルマへと近づいていく。

スヴァダルマとは、自分の内側の声が「これが私の道だよ」とうなずいてくれる方向なのです。その方向に歩き始めると、努力というより“自然にエネルギーが湧いてくる”感覚が生まれます。40代は経験を積んだからこそ、自分のダルマを選び直せる時期なのかも知れません。

すべては、小さな“決心”ひとつでいい

静かな反抗に必要なのは、大きな勇気ではありません。必要なのは、小さな決心。「もう外の正解に合わせるのはやめよう」「私は私を大切にしていい」そんな気持ちだけで十分です。

決心が変わると、選ぶ言葉が変わり、行動が変わる。すると周りの反応も変わり、周囲との関係性まで整っていく。反抗とは、誰かと戦うことではなく、自分の人生を自分の手に戻すこと。誰の期待でもなく、“私が私を満たすために生きる”という選択をしていくことなのだと思います。

ここから先の人生は、もっと軽くて、もっと自由で、もっと自分らしくていい。40代の私たちはようやく、自分を大切にする生き方を選べる段階に入ったのだから。

井上敦子

15年間の会社員生活を経てヨガ講師に転身。不眠症をヨガで克服した経験を持つ。リラックスが苦手だった経験から、ヨガニードラを通じてリラックスの本質を伝えるクラスを展開。週に8本のヨガニードラのレギュラークラスを持つ他、指導者養成講座やコラム執筆等ヨガニードラの普及に努めている。

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