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【パリ在住30年のライターが教える】パリで大行列の日本発ランチとは?そのバリエにも驚き!

  • 2025.11.18

【パリ在住30年のライターが教える】パリで大行列の日本発ランチとは?そのバリエにも驚き!

フランスのランチといえば、やっぱりバゲットサンドやサラダ。そんな定番スタイルが、いま少しずつ変わっています。お昼時に行列ができるのは、なんと日本のお米ランチ。お弁当やおにぎり、いなり寿司まで! 若い世代には、アニメやマンガに登場する“B級グルメ”としても親しまれているとか。お米ランチの躍進ぶりを——パリ在住30年のライターがお届けします。

パリのテイクアウトランチの定番が「お米ランチ」に!?

バゲットとクロワッサンの国フランスで、お昼のテイクアウトメニューに、日本の主食「お米」が大ブームです。数年前からのブームが、昨年から更にバラエティー豊かな広がりを見せているように感じます。

パリの街では、平日のランチタイムにビジネスパーソンたちが、「おにぎり」「お弁当」「いなり寿司」「丼物」ショップに、行列を作って並んでいるのをよく見かけるようになりました。日本では、コンビニやスーパーで販売しているイメージが強い商品ですが、パリでは専門店が主流です。

週末になると、長い列の中からは観光客の英語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、北欧やアジアの言葉が聞こえてきます。

お米のランチが人気の理由の一つは、グルテンフリーで野菜中心のヘルシーな食材が使われていることだと思います。前にご紹介したレバノン料理もそうですが、オーガニックやヘルシーフードを意識して取り入れる人が多くなっているようですね。

ベジタリアンやヴィーガンの人たちも、素材や味に変化があり、楽しめると、頻繁に利用しています。

また、若い世代は、日本の漫画やアニメから影響を受けて、おにぎりはB級グルメの代表のひとつと話題になっているようです。

開店前から行列ができる、日本のお弁当

まず紹介したいのが、日本式のお弁当です。

日本人女性が1人で食材の仕入れから仕込み、お弁当作りまで手がける、小さなお店「4m2 affole le Marais」 ( キャトルメートルカレ アフォル ル マレ)。
開店前から、数量限定のランチボックスを求めて人々が集まります。

食材の自然な色を活かした彩り豊かなお弁当は、例えば、差し色に使われている赤い酢蓮根は、甜菜汁(ビーツの汁)で色付けするなどヘルシー。色粉や添加物は使わずに仕上げたお弁当は、明るいビタミンカラーが特徴です。

写真は唐揚げ弁当。胡麻和え、酢の物、煮物……と、野菜が豊富な様子が伝わると思います。唐揚げはサクサク感を楽しんでもらえるよう、販売の直前に揚げているそうです。

お弁当は12ユーロ前後。円換算すると、驚く値段になってしまいますね。ちなみに、パンにハムをはさんだだけのサンドイッチが900円、スタバのクッキーが700円くらいです。

ベジタリアン弁当は、手作りの豆腐料理が人気です。
見た目の美しさと、体への優しさを大切にした日本のご飯です。

また、このお店は、予約制のケータリングも好評です。

ひき肉やチキン、青海苔、スプラウトなどを細かく載せた可愛い手まり寿司は、パーティ会場に華を添えます。

彩り豊かな食材を生春巻きで、いなり寿司風に巻いたフィンガーフード、ちまき、薄切り肉の巻き寿司など個性豊かなメニューが並びます。

「4m2 affole le Marais」は、マレ地区の若者で賑わうお洒落な通りにあるお弁当屋さんです。週に2日、木曜日と金曜日だけ開いていますが、2026年春からは平日5日間の営業予定だそうです。

【お店はこちら】
「4m2 affole le Marais」
4 rue Charles-François Dupuis, 75003 Paris

一番人気は「エビフライおにぎり」

こちらも日本人のシェフのお店ですが、秋田県の米を利用したお店、その名も「O- KOMÉ」(オコメ)。
一番人気が「エビフライおにぎり」です。

自家製のタルタルソースを添えたエビフライおにぎり。タルタルソースは、ピクルスの酸味を効かせた味がおにぎりと良く合います。上に乗っているハーブは「フヌイユ」(英語名フェンネル)。

ほかにも、日本の定番おにぎりを、素材にこだわりながら、味噌や生姜をきかせて個性的にアレンジしたラインナップが並んでいます。

日替わりの惣菜、ミニ茶碗蒸し、そして蕎麦サラダも、優しい味付けが自慢のサイドメニューです。
ベジタリアン向けには、オリジナルレシピの豆腐丼があります。

店内には、秋田米や各種日本酒など、こだわりの商品も置いています。

昔なつかしい、素朴で温かい家庭の味を守り続けるテイクアウトのお店です。

【お店はこちら】
「O- KOMÉ」
34 rue Dauphine, 75006 Paris

もはや多国籍!「創作おにぎり」は20種類以上

こちらも日本人のシェフのお店です。百貨店のプランタン、ギャラリー・ラファイエットのすぐ近くにある創作おにぎりといなり寿司の専門店「Komé-Komé」(コメコメ)。

ランチタイムは、近くで勤務している人々で賑わい、その他の時間も多くの観光客が列を作って並んでいます。

おにぎりは約10種類、いなり寿司は20種類以上あります。
和洋中にイタリアンやエスニック、様々な味の組み合わせが選べます。

日本にはない個性的なおにぎりは、トマトとバジル、ビーフのプルコギ、椎茸のリゾット、チキンタジンとドライフルーツ、カプレーゼなど。

トッピングにボリューム感があるので、フランス人の女性たちは2〜3個を買っています。

いなり寿司のトッピングも、選ぶのを迷ってしまうほどバラエティー豊かです。
ラタトゥイユとパルメザンチーズ、イチジクとエビフライ、ブルッタチーズとピスタチオ、スモークサーモンとマンゴー、焼きチーズとベーコン……。

フランスらしい感性を生かした、多国籍な味わいが魅力です。

【お店はこちら】
「Komé-Komé」
43 rue de Caumartin, 75009 Paris

パリのおにぎりブーム発祥の地の「鮭おむすび」

パリ中心部、オペラ界隈に位置する老舗のおにぎり屋「おむすび権兵衛」。日本の「おむすび権兵衛」パリ店としてオープンしました。ここが、パリのおにぎりブームの発祥の地とされています。

メニューは開店当時と変わらず、日本の定番おにぎりを中心に展開しています。
一番人気は鮭おむすびです。1個3ユーロほど。

玄米を使用した商品も、健康志向の人たちに支持されています。
日本らしさを感じさせるお店として、現在も行列ができるお店です。

【お店はこちら】
「おむすび権兵衛」
27 rue des Petits Champs, 75001 Paris

なぞの味!スーパーマーケットのおにぎり

日本人シェフの米ランチを紹介してきましたが、最後は、スーパーマーケットのMonoprixやCarrefour のコーナーで販売されている、酢飯のおにぎりを紹介します。

おにぎりの米が酢飯(お寿司のご飯)です。なぜ酢飯なのか? その理由はわかりません。私も食べたことはありますが、日本人の私には新鮮な初めての味でした(笑)。

海苔が苦手な人向けに、胡麻やスパイスをまわりに振りかけた商品もありました。日本のコンビニを思い出させる、フィルムで包んだおにぎりですね。

いかがでしたか。パリで大ブームの米ランチ。
私は米ランチを、外出中のクイックランチに利用します。

丼物とおにぎりの店では、ランチタイムは開店前から30人以上の人が並び、人気の高さをうかがわせます。
仕事の合間や観光の途中でも、ヘルシーなメニューを手軽に楽しめるのが魅力です。
パリの観光の際はクイックランチしてみてはいかがでしょう。

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