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国内ホテル初!12月11日開業の「リゾナーレ下関」が、ZEB Ready認証とCASBEE建築評価認証(Sランク)を同時取得

  • 2025.11.17

星野リゾートが国内外に展開するリゾートホテルブランド「リゾナーレ」の8施設目として2025年12月11日(木)に開業する「リゾナーレ下関」は、複数の環境技術を複合的に導入することで、エネルギー消費量を基準値に対して53%削減し、「ZEB Ready(ゼブ・レディ)認証」と「CASBEE(キャスビー)建築評価認証」の最高Sランクを国内ホテルで初めて(※1)同時取得した。

「ZEB Ready認証」と「CASBEE建築評価認証」最高Sランクを国内ホテルで初めて同時取得したリゾナーレ下関
「ZEB Ready認証」と「CASBEE建築評価認証」最高Sランクを国内ホテルで初めて同時取得したリゾナーレ下関

「ZEB Ready認証」の評価対象外となる要素においても、関門海峡の海水や客室排水熱を利用したプール熱源システムなど、地域の特性を活かしながら、先進的な環境技術(※2)を導入し、CO2排出量の削減と快適な空間の両立を図っている。

※1:2025年10月現在。CASBEE建築評価認証データベースおよびBELSデータベースより星野リゾート調べ

※2:地球環境におよぼす影響を少なくする技術、環境汚染物質を出さないための技術、悪化してしまった環境を修復する技術のこと

背景

世界的に気候変動対策が喫緊の課題となるなか、日本も2050年のカーボンニュートラル実現を目指す。ホテル用途の施設は、稼働時間が長く、給湯負荷が大きいなどの理由で、電気などの一次エネルギー消費量が多い傾向にあるが、採用できる省エネルギー技術が限られるため、脱炭素化が遅れている業界とされている。

星野リゾートは、1992年から長野県軽井沢で、環境負荷を最小限に抑える独自の環境経営を推進し、特にエネルギー効率の向上と再生可能エネルギーの活用に注力してきた。一例として、2005年に開業した「星のや軽井沢」では、自家水力発電と地中熱・温泉排湯熱利用設備の導入により、使用エネルギーの約7割を賄うなど、長年の運用ノウハウを蓄積している。リゾナーレ下関では、プールや大規模な厨房を伴う、新築リゾートホテルという難易度の高い条件下において、客室排水熱の利用や、日射を遮る膜ひさし採用などの環境配慮技術を組み合わせることで、大幅な省エネルギーと快適なリゾート空間の両立を図っている。

(1)2つの環境認証を国内ホテルで初めて同時取得

リゾナーレ下関は、「ZEB Ready認証」と「CASBEE建築評価認証」の最高Sランクを国内ホテルで初めて同時に取得。また、ホテル業界の脱炭素化を推進するリーディングプロジェクトとして、国土交通省の令和5年度「サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」(※3)にも採択されている。

※3:国土交通省 サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)

■「ZEB Ready認証」について

「BELS(Building-Housing Energy-efficiency Labeling System/建築物省エネルギー性能表示制度)」は、建築物の一次エネルギー消費性能を第三者機関が評価し、結果を表示する制度。この制度のなかで、基準建物と比較して一次エネルギー消費量を50%以上削減した建物が「ZEB Ready」として位置づけられている。リゾナーレ下関は、複数の省エネ技術を組み合わせることで、基準値に対して53%の一次エネルギー消費量削減を達成し、ホテル単一用途(1万平方メートル以上/新築)では、日本で初めて「ZEB Ready認証」を取得した。

基準値に対し、53%の一次エネルギー消費量削減を実現
基準値に対し、53%の一次エネルギー消費量削減を実現

■「CASBEE建築評価認証」について

「CASBEE(Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency/建築環境総合性能評価システム)」は、建築物の環境性能を総合的に評価・認証する制度。エネルギー効率や環境負荷の低減に加え、室内の快適性や景観などの環境品質を含めたバランスを評価し、その結果を5段階(S・A・B+・B-・C)で格付けする。リゾナーレ下関は、環境負荷を抑えながら高い快適性と環境品質を両立した建物として、最高評価の「Sランク」(※4)を取得した。

※4:CASBEEの評価は、「BEE(Built Environment Efficiency/建築物の環境性能効率)」値に基づいて行われる。Sランクは、BEE値が3.0以上かつQ値(環境品質)が50点以上の建物に付与される。

CASBEE建築評価認証でSランク取得
CASBEE建築評価認証でSランク取得

(2)省エネ設計により一次エネルギー消費量を基準比53%削減

リゾナーレ下関では、複数の省エネ技術を組み合わせることで、基準値に対して一次エネルギー消費量を53%削減。例えば、客室入口の照明スイッチと空調・換気システムを連動させ、利用者の不在時には換気量を低減し、空調設定温度を自動で緩和する仕組みを採用。先進的な制御技術、設備容量の適正化、高効率設備の導入などを組み合わせることで、「ZEB Ready認証」に求められる基準を満たす省エネ性能を実現している。

【写真】入口の照明一括スイッチと空調・換気システムを連動させる仕組みを導入した客室
【写真】入口の照明一括スイッチと空調・換気システムを連動させる仕組みを導入した客室
基準値に対して一次エネルギー消費量を53%削減
基準値に対して一次エネルギー消費量を53%削減

(3)地域特性を活かした、先進的な環境技術の導入による快適なリゾート空間

リゾナーレ下関では、「ZEB Ready認証」の評価対象外となる要素においても、地域資源や建物特性を活用し、環境負荷の低減や資源循環を図る取り組みを実施。以下の技術を導入することで、設計段階から運用段階まで多面的に環境配慮を進めている。

■客室排水熱をプール昇温エネルギーに有効利用

通常はそのまま捨てられてしまう客室のユニットバスや洗面台から出る雑排水の未利用熱に着目。客室の雑排水を貯留し、未利用エネルギーである客室排水熱を温水プールの水温維持に有効利用することで、一般的なボイラー方式と比較すると、プール昇温に必要なエネルギーを年間で約38%削減できる試算結果となっている。このように、日常的に発生する排水熱を効率的に利用することで、プールの運用段階におけるエネルギー使用量の削減を目指している。

客室排水熱を利用した「インフィニティプール」
客室排水熱を利用した「インフィニティプール」

■日差しを跳ね返す膜ひさしで、快適な屋外空間の形成と建設段階のCO2排出量も削減

1階の屋根やエントランスには、日差しを跳ね返す白くて薄い膜ひさしを採用。直射日光を和らげ、夏季の日中でも屋根下の温度上昇を抑えることで、利用者が快適に過ごせる屋外空間を形成している。また、膜ひさしは一般的な金属製ひさしに比べて軽量で、資材の調達から製造、施工、解体・廃棄にいたるまでの全体で排出されるCO2排出量、約258トンの削減につながる。運用段階だけでなく、建設段階におけるCO2排出量削減の取り組みも積極的に行われている。

エントランスに設置された膜ひさし
エントランスに設置された膜ひさし

■屋上の緑化で快適な温度の維持と景観形成

1階屋上には植栽を設け、日射による蓄熱を抑えることで、建物内部の温熱環境を快適に保つ設計としている。緑化された「なみなみテラス」では、自然を感じながら、時間とともに移り変わる関門海峡の景色を楽しめる。

屋上の緑化で快適な温度を維持する「なみなみテラス」
屋上の緑化で快適な温度を維持する「なみなみテラス」

■関門海峡の海水を利用したプール滅菌システムで塩素臭を低減

ホテルの目の前にある関門海峡の海水を電気分解し、生成した電解次亜水をプール滅菌に利用。電解次亜水生成装置に食塩を投入する代わりに、海水を利用することで省資源につながる。また、通常のプールで使用されている次亜塩素酸ナトリウムによる滅菌方法と比較し、電解次亜水で滅菌することで、塩素臭を低減。このように、海水を利用することで、省資源と利用者の快適性の向上の両立を図っている。

関門海峡の海水を滅菌に利用している「ふぐプール」
関門海峡の海水を滅菌に利用している「ふぐプール」

■関門海峡の海水をインフィニティプールに使用

目の前に広がる関門海峡の海水を一部利用したインフィニティプールは、水面が海や空と一体となるように設計されている。護岸が多く、日常のなかで海に触れる機会が限られている下関の立地において、海を眺めながらその海水に触れられるこのプールは、地域ならではの自然体験を提供。かつて塩作りが盛んだった土地の歴史にも通じる「海水との上手な関わり方」を、現代のリゾートとして再解釈した。

目の前の関門海峡の海水を利用した「インフィニティプール」
目の前の関門海峡の海水を利用した「インフィニティプール」

■SDGsへの貢献について

リゾナーレ下関を運営する星野リゾートは、経済価値と社会価値を両立するCSV経営(※5)を重視。SDGs(※6)をCSV経営を促進するためのフレームワークとして捉え、さまざまなサステナビリティ推進の取り組みを実施している。リゾナーレ下関における省エネルギー化や環境配慮技術の導入は、SDGs目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」に寄与する取り組みだ。

※5:共通価値の創造。事業を通じて社会課題の解決を目指す考え方

※6:持続可能な開発目標

SDGsの目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
SDGsの目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに

施設概要

リゾナーレ下関
リゾナーレ下関

施設名称:リゾナーレ下関

所在地:山口県下関市あるかぽーと4番1号

電話:050-3134-8093(リゾナーレ予約センター)

客室数:187室/チェックイン15時、チェックアウト12時

アクセス:JR下関駅より車やバスで約5分、福岡空港より電車で約90分

開業日:2025年12月11日(木)

「リゾナーレ」とは

星野リゾートが国内外に展開するリゾートホテルブランド。コンセプトは、夢中になって楽しみ尽くす「PLAY HARD」。土地の特性を活かした空間デザインや豊富なアクティビティ、地域や季節ならではの体験を通して、訪れる人々に想像を超える滞在と心に残る旅を提供。現在、国内外で7施設を展開しており、2025年には九州・山口エリア初進出となる「リゾナーレ下関」、2027年には「リゾナーレ福井」の開業を予定している。

国内外7施設に展開
国内外7施設に展開

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