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30年前のドラマとは違う…現代の「夜逃げ屋」が扱う“DV・虐待・ストーカー”の深刻な実態【作者に聞く】

  • 2025.11.16
主人公に挨拶する夜逃げ屋の社長… 画像提供:宮野シンイチさん
主人公に挨拶する夜逃げ屋の社長… 画像提供:宮野シンイチさん

子どもの頃に漫画を読みはじめたことがきっかけで、ユーモア溢れる漫画を描いている宮野シンイチ(@Chameleon_0219)さん。2022年8月にTwitterにて公開された「夜逃げ屋日記」は、実話を基に描かれたユニークな作品だ。本作を描いた理由や裏話などについて、宮野シンイチさんに聞いた。

夜逃げ屋の仕事は借金返済ではない?時代の流れと実態

1-1 画像提供:宮野シンイチさん
1-1 画像提供:宮野シンイチさん
1-2 画像提供:宮野シンイチさん
1-2 画像提供:宮野シンイチさん
1-3 画像提供:宮野シンイチさん
1-3 画像提供:宮野シンイチさん

本作はすべてノンフィクションなのか尋ねたところ、「『すべてノンフィクション』と言いたいところですが、1話目の冒頭に書いてあるように『ほぼ』実話です。漫画としての演出はもちろんあります」と宮野さんは語る。

例えば、2話目で主人公が依頼者の部屋に入ったら警察官が2人いるシーン。現実ではスーツを着た刑事2人組がいたが、スーツ姿だと警察だと読者に伝わりづらいと考え、制服を着た警察官2人組で描いたそうだ。描こうと思ったきっかけは『夜逃げ屋日記 1日目』を読めばわかるという。

夜逃げ屋の存在を知ったときの気持ちについて、「30年近く前に、夜逃げ屋本舗というとても有名なドラマがありました。そのドラマと同じように、借金を返済できなくなった人を夜逃げさせるのが夜逃げ屋の主な仕事だと思ってました」と答える。

しかし、DVや虐待やストーカーなど、近年ニュースでよく耳にする問題を抱えた人を夜逃げさせることが主な仕事だと聞いて、「時代の流れを強く感じました」と振り返った。

「山に埋められる」の恐怖と裏腹の優しさ

実際に夜逃げ屋と関わるようになり、夜逃げ屋に対するギャップはあったのだろうか。「やはり、なかなか関わることのない業種ですし裏稼業となると、『やっぱり相当怖い人たちなんじゃないか?下手なことを言うと山に埋められて、海に捨てられて、溶鉱炉で溶かされてしまうんじゃないか?』と思ってました」と正直な思いを明かす。

だが、会ってみるとすべて気さくで優しく、接しやすい人達ばかりだったそうだ。「よくよく考えるとそんな怖い人たちだったら依頼者さんも安心して相談できないですからね。みんな優しくいい人達です」と語った。

今回の漫画で描かれたストーリー以外にも余談があるか尋ねると、「まだ描けていない夜逃げ屋スタッフさんも数名いますし、全員が登場しないと描けない話も余談含めてたくさんあります。それらは漫画ですべて描きますので、楽しみにしていてください!」と読者にメッセージを寄せた。

最後に読者に向け、「商業誌で数年間、原作者として連載を目指して頑張っていましたが、どうしてもうまくいかずTwitterに自分で漫画を描いて投稿するようになりました。はじめのときはフォロワー数も少なくて、読んでくれる方も全くいなかったんですが、今はたくさんの方がフォローしていつも心温かいコメントをくださって本当に幸せです。ありがとうございます。これからも夜逃げ屋日記を描ける限り描き続けますので、引き続きよろしくお願いします!」と、感謝を伝えた。

取材協力:宮野シンイチ(@Chameleon_0219)

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