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「しとやかな眼差しと、突き放すような冷たさ」メイキャッパーUDAが表現する俳優・吉沢亮の物語

  • 2025.11.16

[IN THE BACK] vol.6
Starring Ryo Yoshizawa
“Blue Blue Rose”
 
ふとした瞬間の表情や仕草に宿る、その人自身の奥にある“何か”を引き出す、メイキャッパーUDAさんがディレクションを手がける隔月連載。
今回は、映画やドラマで確かな存在感を放ち、近作『国宝』でも新境地を見せた俳優・吉沢亮さん。

シャツ ¥190,300、パンツ ¥139,700(共にマルニ/マルニ ジャパン クライアントサービス)、その他スタイリスト私物

カーディガン ¥316,800、シャツ ¥190,300、パンツ ¥139,700(全てマルニ/マルニ ジャパン クライアントサービス)

ジャケット ¥85,800、パンツ ¥69,300(共にダブレット/エンケル)、その他スタイリスト私物

ジャケット ¥85,800、パンツ ¥69,300(共にダブレット/エンケル)、その他スタイリスト私物

ジャケット ¥186,000、シャツ ¥109,000、パンツ ¥111,000、ネックレス ¥109,000(全てルメール/エドストローム オフィス)、その他スタイリスト私物

ジャケット※参考商品(ダブレット)、パンツ ¥52,800(シュタイン/共にエンケル)、その他スタイリスト私物

Tシャツ¥22,000(アワー レガシー)、ネックレス 各¥99,000(共にルメール/全てエドストローム オフィス)、その他スタイリスト私物

ジャケット ¥186,000、シャツ ¥109,000、パンツ ¥111,000、ネックレス ¥109,000(全てルメール/エドストローム オフィス)、その他スタイリスト私物

シャツ ¥190,300、パンツ ¥139,700(共にマルニ/マルニ ジャパン クライアントサービス)、その他スタイリスト私物

BEHIND THE SCENES

夏の終わりが近いなか、燦々と降り注ぐ太陽の光を背に始まった今回の撮影。「吉沢くんは本当は熱い感情を秘めていると思うんです」と話すUDAさんが、彼が幼少期に過ごした地で垣間見た素顔とは。

突き放す眼差しの奥に、ふと浮かぶ素顔。

第6回となる「IN THE BACK」に迎えたのは、俳優・吉沢亮さん。多くのドラマや映画で見せる圧倒的な存在感と、どこか風をはらむような軽やかさ。その相反するものが同居する彼をどう表現するか。
 
「今回の撮影で特に大切にしたかったのは、吉沢くんが元々持っている媚のない独特な空気感。コメディからシリアスなものまで縦横無尽に役柄を行き来する彼ですが、折々にお会いする素の彼は静かで、内に秘めた強さを感じます。その純度の高い彼のパーソナルな部分をファッションというフィルターを通し、虚構であるけど本人そのものでもあるようなイメージとして描き出したいと思いました」
 
そう語るUDAさん。ふとした瞬間に浮かぶしとやかな眼差しや、突き放すような冷たさ。その振り幅の中に、役柄を超えて薫り立つ吉沢さん自身の素の表情が垣間見えた。
 
「吉沢くんには、飄々とした媚びない強さや粋な色気がある。その一方で、ふとした瞬間に見せるあどけなさや無防備さが、とても魅力的なんです。それを考えたとき、ふと何か知っている空気感でもあることに気付きました。僕と吉沢くんは世代の差はかなりありますが、実は生まれ育った場所がかなり近く、その原風景の中の空気感がルーツになっているのではないかと思いました。
 
西東京という都会でも田舎でもない、ドライでいて情もある独特の感じ。そこにいた友人たちのトッポさみたいなものと吉沢くんの持つ空気感がリンクしました。時代が変わっても、その気配の中で彼自身の姿が自然と立ち上がってくる。そしてある瞬間、当時のバービーボーイズのKONTAさんの持っていた、硬派じゃないのに媚びていない、軽やかな男っぽさと吉沢くんがイメージとして重なりました。その役を纏っているようで、実は素の表情が浮かび上がる。
 
TEPPEIさんのスタイリングが吉沢くんの粋なトッポさを引き出してくれて、KANADAさんのヘアがそのパーソナリティをさらに強化し、荒井(俊哉)さんが普段は見せない眼差しや瞬間的な感情を引き出し切り取ってくれました。それは決して演出ではなく、原風景に呼応して自然なこととなっていたように思いました」
 
撮影現場では、俳優としての研ぎ澄まされた緊張感と、少年のような無邪気さが同居していた。その間に生まれた表情こそ、これまでの役柄を超えた今の吉沢亮を物語るものだったのかもしれない。

ジャケット ¥186,000、シャツ ¥109,000、パンツ ¥111,000、ネックレス ¥109,000(全てルメール/エドストローム オフィス)、その他スタイリスト私物

Profile_UDA(うだ)/大手化粧品会社にてPRやマーケティング、教育、店頭プロモーションなどさまざまな業務に携わり、その後独立。現在は国内外のエディトリアル、コスメティック、ファッションのキャンペーン広告、ショーなどのメイクアップを担当。2021年に日本の季節にフォーカスした初の著書『kesho:化粧』(NORMAL)を刊行し、話題を集めた。

シャツ ¥190,300、パンツ ¥139,700(共にマルニ/マルニ ジャパン クライアントサービス)、その他スタイリスト私物

Profile_吉沢 亮(よしざわ・りょう)/1994年生まれ、東京都出身。2009年にデビュー。NHK大河ドラマ「青天を衝け」、映画『キングダム』シリーズなど数々の作品に出演し、受賞も多数。今年公開された映画『国宝』では歌舞伎の女方を演じ、唯一無二の存在として揺るぎない輝きを放った。現在放送中の連続テレビ小説「ばけばけ」にも出演するなど、さらに表現の幅を広げている。

direction & make-up:UDA[mekashi project]
photograph:SHUNYA ARAI[YARD] styling:TEPPEI
hair:KANADA[LAKE TAJO] model:RYO YOSHIZAWA edit:MIYU SUGIMORI

otona MUSE 2025年12月号より

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