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80歳の生活研究家【阿部絢子さん】年金5万円でも心豊かに暮らす秘訣とは?

  • 2025.11.15

80歳の生活研究家【阿部絢子さん】年金5万円でも心豊かに暮らす秘訣とは?

私たちの日常は、物やサービスの値段が上がっているのに、収入や年金額はその値上げ幅ほどに増えず、暮らしは以前より大変になっています。そんな中でも自分なりの楽しみを見つけて日々を過ごしている方に、楽しみ方や工夫を伺いました。今回は生活研究家の阿部絢子さんです。 ※本文の内容は取材時の状況です。

PROFILE
阿部絢子さん 80歳・生活研究家

あべ・あやこ●1945年新潟県生まれ。共立薬科大学卒業。
薬剤師としてメーカーで勤務後、消費生活アドバイザーとして百貨店で、現在は調剤薬局で勤務。

年金は5万円。たくさん働かなくてもいいけれど週4日働いています

ずっと働いてきたから何もしないとストレスに

阿部絢子さんは現在も週4日、調剤薬局で働いている。月々の年金が5万円で、53歳のときに買ったマンションの管理費が4万2500円とほぼ同額。生活費を考えると、まだまだ働けるうちは働く必要があると考えてのことだ。

70代の初めにそれまで勤務していた薬局が調剤薬局に変わることで、薬のことや保険、パソコンの操作を覚える必要に迫られたが、特にパソコンの操作が大変で、退職を決意。ぼーっとできる時間をテレビを見たりして過ごしてみたが、何もしないことがかえってストレスになってしまった。

退職の翌年に職を得て、今も働いている。

週3日は3時間半、1日だけ8時間勤務。「いっぱい働かなくていい。ある程度でいいや」と考えている。もともと新しいことが好きなので、職場では患者さんに接する楽しみがあり、もっと満足してもらえるよう、仕事の質を高めることにも夢中になっているそうだ。だから働くことは稼ぐだけが目的ではなく、自身の成長を感じられ、楽しみにもなっている。

今働いている人には、「稼ぐだけを目的にしないで」とアドバイスする。

日常生活で大切にしているのは街歩き・読書・研究・食に睡眠

休日は新しいお店を探してぶらぶらする

仕事は月・水・木曜日が夜、土曜日が日中の勤務なので、日曜日以外の火・金曜日は街歩きを楽しんでいる。おいしいおそば屋さんがあるという情報をキャッチすると、その街に行き、おそば屋さんだけでなく、周辺をぶらぶらするのが休日の楽しみ。

ぶらぶら歩きの中から、おいしいお漬け物屋さんを見つけたりすることで、家での食事も充実するからぶらぶら歩きはとても大切。その代わり日曜日は家でだらだらする日に。

無類の活字好き。最近はまっているのは須賀敦子さん

阿部さんは活字が大好きで、本が手放せない。通勤時は本だけでなく、ちゃんと読んでおきたい新聞記事の切り抜きを持参し、スマホで時間をつぶすことはない。3カ月に一度は仲間との読書会に参加し、そこで出合った著者のものを深掘りしていくこともよくあるそう。

最近はまっているのが須賀敦子さん。須賀さんが暮らした北イタリアのミラノやヴェローナへ行ってみたいという気持ちがふくらんでいる。

ライフワークにしている家事研究がきっかけで古書集めを

仕事柄、日本の家事について深く研究するために古書を探すこともしばしば。「日本の古本屋」というサイトでは思いがけないお宝の書籍を見つけることが多い。歴史への興味もあるので、福沢諭吉が書いた明治初期の衣食住の書籍などにわくわくする。

食べて寝る。人間もチャージが必要

外でも自宅でも昼はたっぷり食べるようにしている。量が多いので、驚かれることが多い。何を食べたいかが優先で魚より肉が好き。昼寝も不可欠で、1~2時間は寝ないとダメ。「人間も充電しないと頭がまわらないから」と言う。

撮影/柴田和宣(主婦の友社)

※この記事は「ゆうゆう」2025年1月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

※2024年12月8日に配信した記事を再編集しています。

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