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だから温泉旅館にはたいてい置いてある…健康のため、お風呂に向かう前に口に入れたい茶色い食べ物

  • 2025.11.13

秋の行楽シーズン、温泉に行くのもいいだろう。健康的な入り方はあるのか。医師の早坂信哉さんは「25年以上にわたって約7万人の入浴を調査してきた経験から、温泉旅行にも理想のスケジュールがあることがわかった」という――。

※本稿は、早坂信哉『医師が教える温泉の教科書』(朝日新聞出版)の一部を再編集したものです。

旅館の部屋
※写真はイメージです
1回あたりの入浴時間は控えめに

溜まった疲労を解消しようと楽しみにしていた温泉旅行で、「かえって疲れてしまった」という感想をもつ人は少なくありません。原因の1つは、「元を取ろう」と温泉に繰り返し入ることで体温が上がりすぎて熱中症になったり、血圧や心拍数が激しく変化し、エネルギーを消費してしまうことにあります。また、頭痛やめまい、吐き気などの症状が出て、旅行どころではなくなってしまうことも、よく起こります。昔から「湯疲れ」という言葉もあるくらいです。

この章では、温泉の効果を最大限に享受し、翌日に疲れを残さない理想のタイムスケジュールを紹介します。

【図表1】1泊2日温泉旅行の理想のタイムスケジュール
『医師が教える温泉の教科書』より

ここで示したのは一例ですが、ポイントは①長湯をしないこと、②その土地の風景やアクティビティを楽しむこと、③普段寝ている時間にあわせてスケジュールを逆算することの3つです。それ以外は、自由にアレンジしてくださって結構です。

本書の第3章で説明した通り、入浴の基本は「40℃」「10分間」「全身浴」です。とはいえ「せっかく温泉に来たのだから10分といわず、もっと満喫したい」と考える人が多いのは事実です。そのため、複数回入浴する場合は、1回の入浴時間をなるべく短くすることが疲れを残さないポイントです。

その土地ならではのアクティビティもおすすめ

旅館によっては、目移りしてしまうほどのバラエティ豊かな浴槽が用意されています。私は職業柄、たくさんの浴槽に入ることが多いのですが、その際は各1~2分を目安に入り、気に入った浴槽は後でじっくり浸かるという方法を取っています。特に外湯巡りをする場合は、すべての浴槽に5~10分浸かってしまうと体温が上がりすぎて「のぼせ(熱中症)」になります。温まりすぎないように気を付けてください。

また、新・湯治(環境省が2017年から始めた「新・湯治プロジェクト」。温泉地周辺の自然・歴史・文化・食を入浴と併せて楽しむ過ごし方の提案)の観点から、温泉だけでなくその土地ならではの風景やアクティビティを満喫することで、よりリフレッシュ効果を得ることができると思います。空いた時間で温泉街の散策やイベントへの参加、工芸品の手作り体験などをしてみることをおすすめしています。

そして、必ずしも2回入浴する必要も、23時に眠る必要もありません。その日の予定や普段の就寝時間から逆算して、スケジュールを組んでください。

食事は入浴60分前までに

入浴には血糖値を下げる働きがあります。空腹時に入浴すると、もともと低い状態の血糖値がさらに下がってしまい、具合が悪くなることがあります。そのため、旅館に着いたらすぐお風呂に向かうのではなく、水分補給をしながらひと休みして、甘いものを食べると血糖値が下がりすぎるのを防ぐことができます。温泉旅館の部屋にお饅頭が置いてあるのはこのためです。

以上の理由から、夕食から入浴の時間もあまり空けないほうが良いのですが、夕食後すぐの入浴は血液が皮膚表面に集中してしまい、胃腸に行くべき血液が減ってしまい、消化不良を起こす危険性があります。60分程度経ってから、浴場に向かいましょう。

夕食時にお酒を楽しみたい人は酔わない程度に留め、かつ入浴までの時間を延ばすと安心です。どうしてもたくさん飲みたい人は、夕食と入浴の時間を入れ替えるか、浴槽入浴はせずかけ湯程度に留めておけばリスクは減少します。

入浴は寝る90分前までに

近年、「睡眠」の重要性が見直されています。良質な睡眠を取るには一旦体温を上げることがとても大事で、40℃で10分間全身浴をした場合、体温は0.5〜1℃ほど上がると言われています。その後、90分くらいかけて体温が下がってくるので、そのタイミングで布団に入ると質の良い睡眠が取れることは、複数の研究で報告されています。

特に寒い時期には、寝る直前に体を温めたほうがいいと考える人がいます。しかし、ヒトは体温が高いままだと体の仕組み上、寝付くことができません。特に温泉は保温効果が高いため、就寝時間になっても、なかなか体温が下がらないことも。このせいで、「せっかく温泉に来たのによく眠れなかった」という話をよく聞きます。もし寝る直前にお風呂に入る場合、2~3分でサッと引き上げるのが、温泉の正しい使い方でしょう。

スマホの電源はオフにしよう

旅行中、うっかりスマホで仕事のメールを確認してしまい、ゆううつな気分になってしまったことはないでしょうか。私はよくあります。温泉の効果は温泉水だけにあるのではなく、非日常に身を置く「転地効果」が重要です。せっかくの非日常空間を台無しにしないために、可能であればスマホの電源は切って客室の金庫などに入れておくことをおすすめしています。

休暇中に和風の旅館でパソコンを使う女性
※写真はイメージです

空いた時間は、例えば前から読もうと思っていた紙の本を持って行ったり、売店をのぞいてみたり、「やりたいことリスト」を書き出したりといった過ごし方はいかがでしょうか。温泉分析書を読んで、温泉の予習をする時間があってもいいかもしれません。また、家族や友人とお話ししていれば、あっという間に時間は過ぎるでしょう。

一定期間、スマホやパソコンなどのデジタルデバイスと距離を置く「デジタルデトックス」は、脳疲労の回復やストレスの軽減に役立ちます。また、意識的にぼんやりして余計な外部刺激を脳に与えない「積極的ぼんやり」の時間をつくることも推奨しています。温泉地に来たら、あえて普段とは違う過ごし方を取り入れてみることで、頭もすっきりすると思います。

朝風呂の注意事項と浴槽の選び方

宿によっては日ごとに女湯と男湯が入れ替わることがあり、翌朝も温泉に浸からなければ、と意気込む人は多いと思います。入浴が先か、朝食が先かは悩ましいところですが、いずれにせよ血糖値を下げすぎないために、何か口に入れてから入浴したほうが良いでしょう。また、一晩寝ると300mLほど汗が出て脱水になるとも言われています。しっかり水分補給をしてから入浴しましょう。もし朝食を先に取った場合、60分程度の間隔を空けることをお忘れなく。

早坂信哉『医師が教える温泉の教科書』(朝日新聞出版)
早坂信哉『医師が教える温泉の教科書』(朝日新聞出版)

また、朝にしっかり湯船に浸かってしまうと、移動中に眠くなってしまう可能性が高いです。朝風呂は、夜よりもさらに短時間で出ることを意識してください。

最後に、基本的な入浴の流れをおさらいしましょう。まず、入浴前にコップ2杯程度の水を飲んでから浴場に向かってください。

浴槽が複数ある場合、入る順番が肝心です。体に与える負荷が、弱いか強いかを見極める必要があるのですが、その基準となるのは圧力(水圧など)と温度の2つです。水圧があると胸や腹部が圧迫されて体に負担となります。また温度は、熱すぎる、冷たすぎるなど体温から離れれば離れるほど負担になります。

早坂 信哉(はやさか・しんや)
東京都市大学人間科学部教授・医師、一般財団法人日本健康開発財団温泉医科学研究所所長
温泉療法専門医、博士(医学)。浜松医科大学医学部准教授、大東文化大学スポーツ・健康科学部教授などを経て、現職。公益財団法人中央温泉研究所理事、一般社団法人日本銭湯文化協会理事、一般社団法人日本温泉気候物理医学会理事、日本入浴協会理事。著書に『最高の入浴法』(大和書房)ほか。メディア出演も多数。環境省の「新・湯治効果測定調査プロジェクト」の調査の研究責任者を務める。

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