1. トップ
  2. 恋愛
  3. 松本人志が復帰した「DOWNTOWN+」は面白い? 月額1100円の価値はある?【元テレビ局スタッフが解説】

松本人志が復帰した「DOWNTOWN+」は面白い? 月額1100円の価値はある?【元テレビ局スタッフが解説】

  • 2025.11.14

お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志さんが、11月1日からスタートしたインターネット配信サービス「DOWNTOWN+(ダウンタウンプラス)」で本格的な復帰を果たしました。松本さんは、2023年12月に『週刊文春』(文藝春秋)が報じた性加害疑惑に関連して芸能活動を休止。今回、1年10カ月ぶりに復帰したことになります。

復帰に関しては報道などの影響もあり、今でも賛否両論となっているところです。復帰の場に選んだ「DOWNTOWN+」が有料サービスであることから、失敗するという意見もメディアで報じられています。

今回、松本さんの復帰に関しては、さまざまな意見があるので議論をしようとは思いません。ただ、お笑いの歴史を変えるかもしれない「DOWNTOWN+」については、非常に興味深い取り組みだと考えています。そこで、この記事では「DOWNTOWN+」がどんなサービスで、月額料金を払うほどの価値があるのかを、元テレビ局スタッフの筆者が検証。現在まで配信されたコンテンツをもとに、加入すべきサービスなのかを解説します。

「DOWNTOWN+」はどんなサービスなのか?

まず、「DOWNTOWN+」の概要を簡単に説明します。その名の通り、ダウンタウンに関する動画を配信するサービスで、料金は月額プランが1100円(税込)、年額プランが1万1000円(税込)です。さらに、Prime VideoやU-NEXT、ABEMAでは月額770円(税込)のパックプランも誕生しています。

コンテンツは、「ダウンタウン」「松本人志」「浜田雅功」という3つのカテゴリが用意され、月・水・金の週3日動画を更新。月曜はダウンタウンが出演した番組などのアーカイブ作品、水曜・金曜は新作コンテンツを配信し、さらに土曜日には月1回の頻度で生配信も行う予定です。

今回、SNSなどでは「NetflixやPrime Videoなどと比較して料金が高い」と主張する人が多くいます。ただ、それは少し無理があるのではないでしょうか? 筆者もNetflixとPrime Videoの有料会員ですが、毎週のように見たいと思うコンテンツが配信されるわけではありません。ドラマや映画、アニメ作品は膨大にありますが、新作ばかりではなく大半は見たことのある旧作。決してNetflixやPrime Videoが悪いといっているわけではありませんが、毎週新作コンテンツが公開される「DOWNTOWN+」と比較するのはおかしいと考えます。

では、月額1100円の価値はあるのか? 原稿を執筆している11月上旬の時点で公開されているコンテンツを中心に、解説していきましょう。

「DOWNTOWN+」のコンテンツは本当に面白いのか?

本記事執筆時点では、松本さんの新作企画のみを配信中です。浜田さんのコンテンツは準備中で、コンビとしては『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)で放送済みのトーク部分のみを配信しています。

松本さんの新作企画で現在見ることができるのは、「大喜利GRAND PRIX」「芯くったら負け! 実のない話トーナメント」「7:3トーク」「Money is Time」「ダウプラボイス」「松本教授の笑いの証明」です。

目玉は、なんといっても「大喜利GRAND PRIX」です。現在の大喜利の型を作ったといわれる松本さんが仕掛けるのは、「芸人自らがお題を作成し、そのお題をライバルたちが回答する」というルールの大喜利。第1回の大会には、千原ジュニアさん、ロングコートダディの堂前透さん、ななまがりの森下直人さん、真空ジェシカの川北茂澄さんら、豪華な芸人が勢ぞろいしました。

セットがテレビ収録並に豪華で、非常に見応えがある大喜利企画になっています。参加者がお題を出す難しさもあり、大喜利の名手であるジュニアさんがスベる場面も。ほかの大喜利番組にはない緊張感があり、お笑い好きならば見て損はない企画となっています。

 

『人志松本のすべらない話』とは真逆の試みも!? 見逃せない企画が盛りだくさん

さらに、人気企画になりそうなのが、「芯くったら負け! 実のない話トーナメント」と「Money is Time」です。「実のない話トーナメント」は、面白くない会話をし続けた芸人が優勝する企画で、以前放送されていた『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)とは真逆の試みとなります。

普段面白いエピソードトークしかしない芸人が、あえて実のない話をするのは至難の業です。実際、第1回大会は参加した芸人がコツをつかめずイマイチな内容でした。しかし、トークがつまらない芸人が出場すれば無双する可能性もあり、発展性が期待できる企画だと感じます。

「Money is Time」は、特技を持った芸人がとにかく長く芸を続けると無限にお金を稼げる企画です。第1回大会では意外な特技を持った芸人が集合し、しっかりと企画を盛り上げました。この企画はフォーマットが秀逸で、面白い特技を見ながら、獲得賞金がどんどん上がるスリルも味わえます。すでに第1回大会から面白く、今後もチャンネルの目玉企画になりそうな雰囲気を感じました。

ほかの「7:3トーク」「ダウプラボイス」「松本教授の笑いの証明」はかなり実験的な内容です。「7:3トーク」は、ゲストと一緒に“とある作業”をしながら語り合う企画で、意識の3割を作業に、残りの7割でトークをします。「ダウプラボイス」は音声のみのコンテンツで、「松本教授の笑いの証明」は笑いを実験・検証する企画。特に「松本教授の笑いの証明」に関しては、第1弾としてお笑いコンビ・笑い飯に何度も漫才をさせるという内容で賛否を呼んでいます。こういったテレビで見られない実験的な企画が、回数を重ねることでどう面白くなるのかが注目ポイントです。

月額料金は妥当! “試しに加入”がアリだと考えるワケ

現在配信されているオリジナルコンテンツを見ると、どれも手放しで面白いと言えるものばかりではありません。ただ、万人にウケる企画もあれば、実験的でどうなるのか分からないものまで、幅広くコンテンツが作られている印象です。しかも、今後はブラッシュアップされていくことが予想され、面白さや見やすさが増すのではないかと思います。

さらに、「お笑い帝国大学」「きもっち悪いダンス選手権」という、配信コンテンツとしては珍しい視聴者参加型の企画も。芸人だけでなく一般人からもスター候補が出現する可能性もあり、非常に注目されるコンテンツです。

さて、現時点でのコンテンツを見た限りでは、お世辞抜きで1100円は妥当だと感じます。決して安いとは思いませんが、松本さんだけでなくほかの芸人の活躍も見られるので、お笑いが好きな人が試しに加入してみるのはありだと考えます。

また、現時点でテレビに出演していない松本さんの活躍が見られるのも魅力です。SNSで賛否両論あることを踏まえても、ここまで笑いの歴史を作り上げてきた松本さんは、芸人として偉大であることには変わりありません。その松本さんが、芸人たちと新しいお笑いの形とプラットフォームを作り上げる姿は、歴史の証人として見守る価値があるものです。

今後は、浜田さんやコンビのコンテンツ配信も控えています。数々の伝説を作り上げてきたダウンタウンが、新たな挑戦を行っている「DOWNTOWN+」から目が離せなさそうです。
この記事の執筆者: ゆるま 小林
長年に渡ってテレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。その後、フリーランスの編集・ライターに転身。芸能情報に精通し、週刊誌、ネットニュースでテレビや芸能人に関するコラムなどを執筆。編集プロダクション「ゆるま」を立ち上げる。

文:ゆるま 小林

元記事で読む
の記事をもっとみる