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秋から始めるガーデニング:日が短くなると花咲く「短日植物」の育て方とコツ

  • 2025.11.12

秋から始めるガーデニング:日が短くなると花咲く「短日植物」の育て方とコツ

日が短くなることで開花する植物のことを「短日植物」といいます。理科の授業で習ったかもしれません。この性質や植物を知っておくと、秋からのガーデニングに役立ちます! わが家のキクやコスモスが思うように咲かなった理由も、ここで見つかるかもしれません。

秋の庭を華やかに彩る短日植物

一年のうちで春分の日と秋分の日は、昼と夜の長さがほぼ同じになります。春分の日から日長(日照時間)は延びて、夏至で最長になってからは日長が短くなり、秋分の日を経て冬至で日長は最短となります。

こうした日長の長短に影響されて開花する性質の植物が、長日植物と短日植物です。長日植物の代表格は夏を彩るペチュニア。短日植物の代表格はキクやコスモスでしょうか。ただし、品種改良が進んでペチュニアは春から秋まで咲き続け、キクは一年中咲く品種があります。

それでもこの性質を知っていると、「うちの花が咲かない」理由がわかったり、2年目のポインセチアを見事に色づかせたりできるかもしれません。そして、ちょっと物寂しい秋の庭を、短日植物で華やかに彩れます。

街灯の下で花が咲きにくい理由とは!?

例えば、皇帝ダリアは茎が木質化するダリアの仲間で、草丈が5mほどまでになる大型の多年草です。道路沿いでのびのび育てようとしましたが、いつまでも咲かずに霜が降りて枯れてしまったという話を聞きます。そばには街灯があって一晩中明るかったのです。

皇帝ダリアは短日植物で、日長が短くならないと花芽がつきません。近くに街灯などがあると、日が長いと感じて咲かないのです。これと同じことが玄関先の花壇などでも起こりがちです。よく咲くはずのキクや宿根アスターなどがいつまでも咲かないときは、夜間の明かりを確認してみてください。

短日植物は秋分の日を目安に、9月下旬~10月中旬に植物ホルモン「フロリゲン」を放出して花芽を形成します。この時期に夜(暗い時間)が長くなることが、短日植物を咲かせるスイッチ。霜の降りる時期はすぐにやってくるので、急いで外の明かりを消しましょう。

人工的な短日処理でポインセチアを色づかせる

クリスマスのディスプレイで人気のあるポインセチア。赤やピンクなど華やかに色づくのは苞という部分で、花のつけ根にある葉の変化したものです。花はその中心にある小さな丸い部分。メキシコ山地の原産で、暑さ寒さに弱いところがありますが、低木なので無事に2年目を迎えることがあります。

ところが、そのまま育てていたのではいつまでも苞が色づかなくて??? せっかく2年目を迎えたのに残念なことです。

自然に放っておくと花芽分化が起きるのは10月下旬以降で、苞が色づくのはクリスマスに間に合いません。

冬越しした株は春に枝を1/3ほどに切り戻し、気温15℃くらいになったら戸外に出して日に当て、夏は涼しいところで管理します。9月には室内へ入れて夕方17時から翌朝8時ごろまで段ボール箱などをかぶせて、光をシャットアウト(短日処理)。すると、11月には花芽ができて、苞が色づきます。

光の明るさや日照時間をコントロールしよう

ここまで短日植物にとって、日長が短くなることによる影響を紹介してきました。このように光は植物に大きな影響を与えます。花芽を形成するホルモンの作用だけでなく、養分をつくる光合成も光の量が影響します。

夏は戸外で栽培していたコチョウランなども、近年の気温上昇で年間を通して室内での栽培が推奨されています。けれど、室内の明るさは植物が光合成をするのに足りない場合が多いため、LEDで光補正をする栽培法がとり入れられ始めています。

耐陰性があるために室内で栽培できる観葉植物も、じつは日ざしを好むものが多いので、LEDで補光すれば生育がよくなります。植物育成用でなくても大丈夫。卓上ライトのLEDも利用できます。

気候や住宅環境が変化する中では、草花を楽しむのに日長や光量についても関心をもってまいりましょう。

おもな短日植物を画像で紹介

花が株を覆うように咲く【キク】

カラフルな花色、八重咲きもある【カランコエ】

ダイナミックな株に大きな花穂【アメジストセージ(サルビア・レウカンサ)】

クリスマスカクタスとも呼ばれる【シャコバサボテン】

夏から咲く園芸品種もある【コスモス】

春まで長く室内で咲き続ける【シネラリア】

小花が群れ咲いてボリュームが出る【宿根アスター】

これらの短日植物を用いて、庭でも室内でも賑やかな秋の彩りを楽しんでください。

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