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『40までにしたい10のこと』で大注目の庄司浩平、将来のビジョンは「2足ではなく何足かのわらじを履きたい」

  • 2025.11.10

ドラマ24『40までにしたい10のこと』、『仮面ライダーガヴ』などに出演し、注目を集める庄司浩平さん。自身が制作に深く関わった写真集へ込めた想いについてインタビュー。さらに、ブレイクのきっかけとなったドラマ作品について振り返ってもらいながら、俳優としての自身について語ってもらった。

2nd写真集を発売したばかりの庄司浩平さんにインタビュー
2nd写真集を発売したばかりの庄司浩平さんにインタビュー

「一度しか見てもらえないのは寂しい」見るたびに違う感情を抱ける写真集に

――写真集『だから、ぼくは』は、庄司さんが書き下ろした文章によるストーリー仕立ての写真集になっていますね。

【庄司浩平】文字を書くことが好きだったので、文字と組み合わせた写真集を作れたらおもしろいんじゃないかなと思ったんです。一度読み終わった写真集を、また手に取ろうと思ったことがないなと感じていて。一度で満足してしまうというか。一度しか見てもらえないのは寂しいので、見るたびに違う感情を抱ける作品にしたいなと思い、このような見せ方のものが出来あがりました。

――1st写真集と比べて、制作に携わるスタンスにも変化はありましたか?

【庄司浩平】全く違っていると思います。最初の写真集のときは何もわかっていなかったので、何をやるか、どんな衣装を着るかなどについては関わっていませんでした。1st写真集はそういったフレッシュさや、写真集といえばこうだよねという王道をやるよさだったりが求められているものだと思います。ただ、今回は2冊目ということで深く関わっていろいろな意図を込めながら、新しいことができたらと思って取り組んでいきました。

【写真】「100点の出来栄え」と語る写真集から、庄司浩平さんの魅力あふれる1枚 (C)KADOKWA/写真:神藤剛
【写真】「100点の出来栄え」と語る写真集から、庄司浩平さんの魅力あふれる1枚 (C)KADOKWA/写真:神藤剛

――自ら短編小説も執筆されるほど文学がお好きということですが、本作を制作するにあたり影響を受けた作品があれば教えてください。

【庄司浩平】梶井基次郎の「檸檬」ですね。“あまりよくわからないけど、なぜか最後は晴れ晴れする”という世界観を取り入れたいなと思ったんです。文庫の「檸檬」を持っているカットがあるなど、「檸檬」のエッセンスを散りばめた写真集になっているので、ぜひ見つけてほしいです。

窮屈さを感じていた2年前からの変化

――本作の中で特にこだわった部分についても教えてください。

【庄司浩平】顔に塗料を塗ったブラックコーデのものですね。ベルトで上半身を縛っているのですが、すごくおもしろい絵ができたなと思いました。遊び心があるけど、実は縛られていて、そのあとの文章につながるような一枚になったなと思っています。

――庄司さんがSNSで発信する言葉の中にも“縛りから抜け出す自由”、“窮屈”といったニュアンスが散りばめられているように感じます。そういう意味で、選んだ一枚はご自身と通ずる部分もあるのかなと思ったのですが。

【庄司浩平】そうですね。2年前ぐらいまでは窮屈だなと思う時間は多かったです。ただ最近は、この写真みたいに遊び心を持てるようになったなと感じています。この仕事をしているうえで“縛り”はどうしても身近なものだと思います。ただ、社会を生きるということはどこかに属するということなので、僕だけではなく、誰でも大なり小なり、縛られているのかなと。そんな当たり前のことを理解できた瞬間から、今の環境にも遊びはあるんだなと、捉え方が変わったように思います。

(C)KADOKWA/写真:神藤剛
(C)KADOKWA/写真:神藤剛

――制作の過程でゲラチェックなども経験されたかと思います。俳優業とは違う作業をやってみて、感じたことはありますか?

【庄司浩平】構成がとても大切だなと思いました。新聞にコラムを寄稿したこともあるので、構成を考えるおもしろさは理解していますが、今回は100何ページもある中で写真を選んで、写真の大きさはどうするか、見開きにするかなど考えていきました。読み手を飽きさせない工夫も大切だし、作り手の意図も入れていきたいしと、本当にさまざまな方向から考えないといけないんだなと実感し、とても学ぶことが多かったです。

諦観を通して物事をクリアに見ることができるように

――先ほど、この1年で心情が変化してきたというお話もありましたが、出演作が話題となり反響もとても大きかった年だったと思います。この状況を庄司さんご自身はどのように感じていますか?

【庄司浩平】周りの急激な変化は感じています。でも、周囲のスピードがどんなに早くても、自分の身の置き場所は変えないようにしようというスタンスでいます。ただ、大変ありがたいことに、街を歩いていると気づいていただくことが多くなりまして。普段、キャップを被って眼鏡をかけているのですが、『40までに』で演じた田中慶司がめがねをかけていたこともあって、逆にバレている状況です。だから、これからどう生きていけばいいのか考えないといけないなと。さすがに、スーパーでクーポンを出そうとしている姿は見られたくないので(笑)。

――前作から約4年半ぶりの写真集となりましたが、この期間で特に変化を感じていることはどんなことですか?

【庄司浩平】よくも悪くもあきらめがつくようになりました。仕事を通してさまざまな葛藤を経験してきましたが、割り切りができるようになってから、物事をクリアに見ることができるなと気づいたんです。今たくさん注目していただている状況も、僕自身がどうとかではなく、『仮面ライダーガヴ』や『40までに』を観てもらったというキッカケの延長線上にあって、あくまで評価されているのは自分ではなく作品であるということを念頭に置いています。諦観するというのは、人生の中で大切な要素になったなと感じています。

――では、そういったドラマの現場を通して、俳優として成長したと感じることを教えてください。

【庄司浩平】『ガヴ』に関しては、メインキャラクターの中で1番年上で経験年数もあるほうだったので、その立ち位置での居方を考えるようになりました。反対に『40までに』では、2番手で風間俊介さんの相手というすごくいいポジションをいただき、見るもの聞くものすべてが新鮮でした。『ガヴ』と並行しての撮影だったのですが、この現場ではメインキャストの中で1番年下だったので、真逆の立ち位置を経験できて、とても学びがありました。30代、40代になると、上の世代、下の世代に挟まれていくことになるので、現場ごとに居方が変わってくると思うのですが、それを20代半ばで経験できたのはとても大きかったなと思っています。

夢中になって見た「三谷作品」への出演がひとつの夢

――今後の活躍がますます期待されると思いますが、将来のビジョンとして思い描いていることはありますか?

【庄司浩平】二足のわらじならぬ、何足かのわらじを履きたいと思っています。僕はバスケットボールが好きなのですが、先日もBリーグで選手の方へインタビューをさせていただくという貴重な経験をさせていただきましたし、今後も仕事として関わっていけたらうれしいです。

文芸に関しては、Webサイトで僕が書いた小説を公開していただき、仕事になりつつあるので、次は紙の媒体として出していくというのが目標かなと。俳優業、モデル業に関しては運や縁にも左右されるものだと思う部分はありますが、より多くの方に知っていただいて、演じたことのない役や経験したことのない環境に身を置き続けられるようにしていきたいです。

――具体的に出てみたい作品などがあれば教えてください。

【庄司浩平】三谷幸喜さんが好きなので、三谷作品に出てみたいです。三谷作品は、登場人物たちがおもしろいことをするのではなく、一生懸命な姿がなんだか滑稽に見えるところが魅力だと感じていて。ただ、演じるとなるとコメディセンスも必要になると思うので、磨いていかないといけない部分だなと。子どものころに夢中になって観ていた三谷作品に出演できたら、夢をひとつ叶えられたなと思います。

撮影=八木英里奈

取材・文=榎本麻紀恵

スタイリング=平松正啓

ヘアメイク=清末めぐみ

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