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『国宝』『秒速5センチメートル』『君の顔では泣けない』2025年の話題作で活躍する若手俳優集団“EBiDAN NEXT”の存在感

  • 2025.11.9

10月10日に公開されると、週末観客動員数ランキングの上位に入った『秒速5センチメートル』(公開中)や、今年6月に公開されたにもかかわらずいまだ興収トップ5入りを果たす『国宝』(公開中)、また11月14日(金)に公開が控える『君の顔では泣けない』。こういった話題作で活躍している「EBiDAN NEXT」を知っているだろうか?

【写真を見る】転校生同士という共通点から、しだいに仲を深めていく貴樹と明里(『秒速5センチメートル』)

多才なタレントが集う「EBiDAN」、そして「EBiDAN NEXT」

まず、「EBiDAN」とは、超特急やM!LKといったスターダストプロモーションのアーティストが所属する集団であり、“若手俳優集団、恵比寿学園男子部”として活動を開始。超特急の草川拓弥やM!LKの佐野勇斗、原因は自分にある。の杢代和人など、俳優としても活躍しているメンバーが多数在籍している。そんなEBiDANの“研究生”というポジションがEBiDAN NEXTであり、新人や比較的年齢の若いタレントが所属。アーティストや俳優を目指して日々努力を重ねている。

ViVi国宝級イケメンランキング2025年上半期のNEXT部門1位を獲得し、「ビリオン×スクール」、「放送局占拠」など人気ドラマへの出演が続く柏木悠(超特急ハル)は、超特急加入前にEBiDAN NEXTとして活動していた。また『万引き家族』(18)や「終活シェアハウス」などで知られる城桧吏は、かつてEBiDAN NEXTの前身であるEBiDAN39&KiDSに在籍しており、俳優としても類稀な逸材を輩出した実績を持っている。

下半期の話題作で存在感を発揮する上田悠斗&武市尚士

【写真を見る】転校生同士という共通点から、しだいに仲を深めていく貴樹と明里(『秒速5センチメートル』) [c]2025「秒速5センチメートル」製作委員会
【写真を見る】転校生同士という共通点から、しだいに仲を深めていく貴樹と明里(『秒速5センチメートル』) [c]2025「秒速5センチメートル」製作委員会

前述の『秒速5センチメートル』にはEBiDAN NEXT NAGOYAから上田悠斗が出演。同作は『君の名は。』(16)などのヒットメーカー、新海誠が手掛けた2007年公開の同名劇場アニメーションの実写映画化。小学生の時に出会うも引っ越しで離れることになり、中学生で再会し、大人になってからまた会うことを約束する、孤独な男女の心の交流と変遷を描いている。

自身の引っ越しをきっかけに、栃木に住む明里に一人会いに行く貴樹だが…(『秒速5センチメートル』) [c]2025「秒速5センチメートル」製作委員会
自身の引っ越しをきっかけに、栃木に住む明里に一人会いに行く貴樹だが…(『秒速5センチメートル』) [c]2025「秒速5センチメートル」製作委員会

上田が扮するのは、SixTONESの松村北斗が演じる主人公、遠野貴樹の幼少期。本格的な演技は初挑戦ながら、ヒロインの篠原明里(白山乃愛)と小学校で出会い徐々に心を通わせていく様子を好演。上田自身も初めて本編を観て、「もっとできたんじゃないかと思う気持ちもあります」としつつも、「すごくすてきで感動しました」、「お芝居にすごく興味を持ちました」と演技分野への意欲を語っている。はにかんだような笑顔や、不安に満ちた表情がとても印象的で、貴樹の繊細さを見事に体現した。

心と体が入れ替わってしまったまま生きる男女の15年を描いた『君の顔では泣けない』 [c]2025「君の顔では泣けない」製作委員会
心と体が入れ替わってしまったまま生きる男女の15年を描いた『君の顔では泣けない』 [c]2025「君の顔では泣けない」製作委員会

『君の顔では泣けない』に出演するのは、上田と同じEBiDAN NEXT NAGOYAに所属する武市尚士。芳根京子と高橋海人共演で君嶋彼方の同名デビュー小説を映画化する同作は、お互いの心と体が入れ替わったまま15年の歳月を過ごす男女の物語が展開。高校1年生の時に入れ替わった坂平陸(西川愛莉/芳根)と水村まなみ(武市/高橋)は、その事実を誰にも言うことなく高校を卒業。進学や就職、出産など、様々な人生の転機を入れ替わったまま経験していく。しかし、15年過ぎた30歳の夏に、まなみは「元に戻る方法がわかったかも」と陸に伝える。

映画初出演となる武市は、高橋が演じるまなみの高校生時代を演じている。心はまなみのまま、体は陸として生きるという難しい役どころに挑戦しており、「俳優として初めての現場で、緊張でドキドキが止まらなかった僕に、監督やスタッフのみなさん、そして共演者の方々がたくさんのことを教えてくださったおかげで、最後まで演じ切ることができました」と撮影時の心境を明かしている。まなみになりきれない不器用な陸とは対照的に、覚悟を決めて陸の人生に順応していくまなみとして武市は瑞々しい演技を見せた。

“カンヌ俳優”越山敬達、初めての映画に奮闘する林新竜&後藤陽向

次に注目したいのが、EBiDAN NEXT TOKYOの越山敬達だ。ロングランヒットしている『国宝』で、同じスターダストプロモーションに所属する横浜流星が演じる大垣俊介の少年時代を演じている。俊介は、上方歌舞伎の名門の当主、花井半二郎の実の息子。父が引き取った、任侠の一門に生まれた立花喜久雄(黒川想矢/吉沢亮)と共に波乱万丈な人生をたどっていく。

俊介と喜久雄は、ライバルでありながら兄弟のような絆で結ばれた関係。越山は歌舞伎の所作や関西弁を習得し、俊介が喜久雄と一緒になって懸命に芸に打ち込む姿を熱演して感動を呼んでいる。また越山は、第77回カンヌ国際映画祭のある視点部門で上映された『ぼくのお日さま』(24)での演技が評価され、第48回日本アカデミー賞で新人俳優賞を受賞。同作での越山の役どころは、心惹かれる少女さくら(中西希亜良)とアイスダンスに挑戦する吃音を持つ少年タクヤ。内向的だがピュアでまっすぐな男の子を演じ、観る者の心を奪った。

『花束みたいな恋をした』(21)で知られる坂元裕二と土井裕泰が再びタッグを組んだ『片思い世界』(25)に出演したのは、EBiDAN NEXT NAGOYAの林新竜。ある強い絆で結ばれた3人の女性を描いた本作で林が演じたのは、物語のキーパーソンであり、横浜流星扮する青年、典真の少年時代。林は、初めての映画撮影に挑んだ喜びを「僕の憧れの先輩でもある横浜流星さんの幼少期役が演じることができるとわかった時は、本当にうれしくて興奮しました!僕が典真を演じるにあたって、不安や複雑な気持ちを表現できるように、この時典真はどんな気持ちだったんだろう。僕だったらどう感じたんだろうってたくさん考えて練習をして演じました」と明かす。短い出番ながらも透明感あふれる存在感を示している。

ほかにも、10月24日公開の『やがて海になる』にはEBiDAN FUKUOKAの後藤陽向が出演。三浦貴大が演じる主人公、修司の高校時代を演じている。後藤はこれが初めての映画出演だったが、広島を舞台にした本作で広島弁にチャレンジしているところも注目ポイントだ。

実は多くの話題作に出演しているEBiDAN NEXT。決して出しゃばることはなく、作品のカラーを纏ってそれぞれが心に残る演技を披露している。これからの活躍にも大いに期待したい。

文/入江奈々

※高橋海人の「高」は「はしご高」が正式表記

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