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映画配給会社のギャガから、アートハウス映画レーベル「NOROSHI」スタート!

  • 2025.11.7

世界の優れた映画を、日本の観客に届け続けてきた映画配給会社のギャガ株式会社が、このたび、新たなアートハウス映画レーベル「NOROSHI A GAGA LABEL」(以下、通称 NOROSHI 読み:ノロシ)を立ち上げた。

【写真を見る】第78回カンヌ国際映画祭にてグランプリに輝いた『センチメンタル・バリュー』

このレーベルの目的は、洋画コアファンに届けたい作品を、しっかりと“知らせて、届ける”というコンセプトのもと、アートハウス系作品や国際的に高く評価される良質な映画を厳選し、作品ごとに向き合いながら、映画ファンと共に作品を育てていくこと。近年、国内の映画公開本数自体は増加している一方で、日本における洋画市場は年々縮小傾向にある。こうした状況だからこそ、「見逃されるべきではない作品」を“知らせて、届ける”ことの重要性は、かつてないほど高まっている。

「NOROSHI」は、選りすぐりの作品ラインナップを通して、素晴らしい映画体験を保証するとともに、全国各地の劇場とともに継続的な上映や特集企画を展開し、洋画の活性化を目指す。ギャガはこれまで、アカデミー賞に関連する107作品を手がけており、うち83受賞、409ノミネート。そのなかで、8作品が作品賞を受賞するなど、世界的に評価の高い作品を多数送りだしてきた。「NOROSHI」レーベルの第1弾作品としては、『わたしは最悪。』(21)のヨアキム・トリアー監督最新作で、来年のアカデミー賞にも有力視されている『センチメンタル・バリュー』の2026年2月公開が決定している。本作を皮切りに、今後は世界各国から注目すべき才能ある監督たちの個性あふれる作品を中心に、継続的に展開していく。

『センチメンタル・バリュー』は、カンヌで19分もの拍手喝采を浴び、「トリアー最高傑作」との呼び声も高い、本年度の各賞レース席巻を予感させる話題作で、オスカーのノルウェー代表選出作品。幼い頃に家族を捨てた映画監督の父が、女優ノーラのもとへ、主演を依頼しに訪れる。怒りと哀しみがいまだ癒えない彼女は、断固として拒絶するが……。

続いて『SOUND OF FALLING(英題)』(2026年4月公開)は、2025年、カンヌで審査員賞を受賞した1本。1910年代、40年代、80年代、そして現代の北ドイツと、農場に100年在り続ける1軒の「家」を舞台に、4人の少女たちの青春期が時を越えて重なり合い、共鳴していく。気鋭マーシャ・シリンスキーによる映画言語の更新を、世界の批評家が絶賛した。本作はオスカーのドイツ代表選出作品。

『THE LOVE THAT REMAINS(英題)』(2026年7月公開)は、『ゴッドランド/GODLAND』(22)のフリーヌル・パルマソン監督が現代の“家族の肖像”を活写する。オスカーのアイスランド代表選出作で、圧倒的自然のなかで、アイスランドの四季の移ろいとともに、変わりゆく夫婦のかたち、家族の風景を描きだす。

『NIGHTBORN(英題)』(2026年8月公開)は、北欧ホラー『ハッチング―孵化―』(22)のハンナ・ベルイホルム監督作。フィンランドの森に移り住んだ、サーガと夫のジョン。生まれくる子に夢を馳せていた夫婦だが、サーガは生まれた赤ちゃんに不気味な違和感を覚え、それを認めないジョンとの間に亀裂が生じていく。

ぜひアートハウス系作品や国際的に高く評価される良質な映画を送りだす「NOROSHI」を今後も注目していきたい。

文/山崎伸子

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