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「仕事の帰りに一人反省会をすることも」早見沙織のメンタル回復術と今一番お気に入りの“相棒”

  • 2025.11.7
早見沙織さん。

「プレデター」シリーズ最新作、『プレデター:バッドランド』でアンドロイド・ティアの日本版声優を務めた早見沙織さん。いつもとは違うアフレコ現場に戸惑いもあったそうです。

早見さんのとっておきのバディについてや、元気回復の秘訣も語っていただきました。


――今作の吹替版の見どころを教えてください。

吹替版では、言語の異なるアンドロイドとプレデターを、日本語でどう表現しているかにも注目していただきたいです。

アンドロイドのティアは、人間の言葉を話すので、日本語で吹替えができます。それに対し、エイリアンのプレデターは言語が未解析なので、日本語に置き換えることができません。

それゆえ、プレデターのセリフはすべて字幕で対応していますが、冒頭でプレデターが登場してからしばらくは、プレデターしか出てこないので、吹替版にもかかわらず、字幕映画のようなつくりになっているのは面白いと思います。

私も、映像チェックの時に「あれ? 吹替版だよね?」と思いました。

――アフレコの現場も、いつもと違う雰囲気でしたか。

そうなんです。途中から「あれ?」と思うことが多くありました。

収録が始まる前は「ティアとして楽しみながら収録できたらいいな」、「エル・ファニングさんの幅広い表現を、アフレコで表現できたらいいな」などと憧れと野望を抱いて現場に入りました。ところが、収録を進めていくうちに、私だけがずっとしゃべり続けていることに気がついてしまったのです。

基本的にプレデターのデクは字幕なので、日本語の吹替えもありません。ということは、劇場でご覧になるお客さまは、映画が始まってからずっと、しばらく私の声だけを聞くことになるんだな……、と思うと、より気合が入りました。

早見沙織さん。

――字幕で喋るデクとのかけあいは難しかったのでは?

そうですね。ですが、“違う表現手段を持った者同士が、意思疎通を図る”というのは、まさにプレデターとアンドロイドの交流と同じ感覚だととらえています。デクは言葉や文字も扱いますし、コミュニケーションができないわけではありません。どんなに違う言語、知らない言語を使っていても、ティアにとっては、自分の知っている言語を使って話しているような感覚でコミュニケーションが取れるのだろうと考えたら、違和感もなく、スムーズに受け入れられました。

日当たりのいいカフェで、美味しい紅茶を……

早見沙織さん。

――アンドロイドとプレデターという種族を超えたバディが誕生したわけですが、早見さんにも今“相棒”はいらっしゃいますか?

はい、います。冬用のパジャマです。最近急に寒くなりましたが、エアコンをつけてしまうと、温風で喉を痛めてしまうことがあるので、エアコンに頼らず、「少し肌寒いな……」と思いながら寝ていました。

ですが、モコモコのパジャマを購入しまして、それがすごくあたたかくて気に入っています。家に帰ると真っ先にそれに着替えて、部屋でゴロゴロするのが至福の時間となっています。

今一番の“相棒”です。

早見沙織さん。

――素敵な相棒ですね。大好きな相棒と一緒なら、寒さも気になりませんね。

それでも、落ち込むこともあります。私は学生時代に声優の仕事を始めたのですが、仕事を始めてすぐの頃は不安に襲われてばかりでしたし、うまくできなくて仕事の帰りに「一人反省会」をすることもよくありました。

ですが、だんだんと「落ち込むだけ落ち込んだら、あとはいかに回復するかに焦点を当てればいい」と思えるようになりまして。そこからは、とにかく一度徹底的に落ち込んで、そこから浮上してくるように考え方を変えました。

――どうやって落ち込みから浮上するのですか?

元気な時に、携帯のメモ帳に「自分がこれをやったら元気になれる」というものを書きだしておくんです。ここ4〜5年は、落ち込むことがあると、そのリストを見ながら、できることだけやっていく、というのを意識して実行するようにしています。

9月に、アーティストデビュー10周年の単独ライブを開催させていただいたのですが、それが終わるまでは、やりたいことを封印していました。今はライブも無事に終わりましたので、「後で読もう」と思って積読していた本を読んだり、観たかった映像作品を少しずつ観たりして、「やることリスト」を消化しています。そんな小さなことも、自分の回復要素のひとつになっています。

早見沙織さん。

――それなら真似できそうです。早見さんのとっておきの回復方法はどんなことですか?

自分の気持ちが上がることなので、人それぞれ違うと思いますが、私が昔からよく実行しているのは、「オシャレなカフェで紅茶を飲む」ことです。私は、オシャレなカフェに行き、のんびり紅茶を飲む時間を持つことでメンタルがすごく回復するんです。ですから、少し気分が下がってきたな、と感じたら、日当たりのいいカフェで、美味しい紅茶を丁寧に味わう時間を持つようにしています。

――そうなんですね。お気に入りの紅茶があれば教えてください。

定番すぎるかもしれませんが、マリアージュフレールが好きでよく飲んでいます。

――名前を聞いただけで気分があがりそうです。落ち込んだ時用にストックしておきます! 今日はありがとうございました。

早見沙織(はやみ・さおり)

声優。5月29日生まれ、東京都出身。中学3年のときに声優デビューを果たす。主な出演作は『鬼滅の刃』(胡蝶しのぶ役)、『SPY×FAMILY』(ヨル・フォージャー役)、『ONE PIECE』(ヤマト役)等。2025年には、『雨と君と』主人公の藤役、『ブスに花束を。』主人公の田端花役などがあり、2026年1月からも『魔術師クノンは見えている』主人公のクノン役などで出演予定。

文=相澤洋美
撮影=松本輝一

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