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2025年火山活動は高まっている?火山災害に備える情報活用術を紹介します

  • 2025.11.7

南西諸島や小笠原諸島、北海道などで火山活動が活発化し、火山災害への備えがこれまで以上に重要視されています。

さらに、富士山の噴火リスクや群発地震と火山活動の関連も指摘されるなど、噴火災害への関心が一層高まっています。また、火山噴火発生時には、火山ガスや降灰、火砕流など多様な災害が発生する可能性があるため、事前の防災対策が欠かせません。

本記事では、噴火時に確認すべき情報と火山災害への備えを解説します。

最近の火山活動や噴火のリスクについて

2025年は日本各地で火山活動が活発化し、全国的に噴火リスクが高まっています。実際に各地でたびたび噴火が観測され、桜島では入山規制となる噴火警戒レベル3となっています(※)。ほかにも、霧島山(新燃岳)は6月22日に7年ぶりに噴火し、現在(※)噴石などの警戒が呼びかけられている状況です。

また、2025年6月21日からトカラ列島で発生した群発地震も火山との関連が指摘されています。

過去に活発に活動してきた富士山もここ300年ほど噴火しておらず、いつ噴火してもおかしくない状態とされています。

このような火山活動の活発化に伴い、ハザードマップや噴火情報を正しく活用し、防災対策を強化することが大切です。

※2025年10月20日時点

火山噴火時に見るべき情報

火山災害に備えるには、さまざまな情報を収集し、迅速かつ適切な行動をとることが大切です。まずは、火山噴火時に見るべき情報を解説します。

ハザードマップ

「火山ハザードマップ」は、噴火に伴う火砕流、溶岩流、降灰、火山ガスなどの災害がどの地域にどの程度の影響を及ぼすかを示した地図です。住民や旅行者が自宅や滞在先のリスクを理解し、避難計画を立てるための基本情報となります。

ハザードマップは各自治体が作成・発行しているため、自治体のWebサイトで確認しておきましょう。国土交通省の「わがまちハザードマップ」で、各自治体の火山ハザードマップを確認することもできます。

火山の状況に関する解説情報

「火山の状況に関する解説情報」とは、噴火警戒レベルを引き上げる可能性は低いものの、火山活動に変化がみられるなど、火山活動の状況を伝える必要があると判断した場合に発表される解説情報です。

噴火警戒レベルの引き上げ基準に現状達していないものの、今後の活動の推移によっては噴火警戒レベルを引き上げる可能性がある場合には「火山の状況に関する解説情報(臨時)」が発表されます。

いずれも、火山活動の現状や具体的な警戒事項を把握できます。

噴火に関する火山観測報

「噴火に関する火山観測報」とは、火山の噴火が発生した際に、その時刻や噴煙の高さ、噴煙が流れる方向、噴火に伴って観測された火山現象などの情報を迅速に発表するものです。

噴火後、直ちに発表され、噴火が継続している場合や停止した場合の状況も知らせます。

この観測報は、登山者や周辺住民に噴火発生を知らせる目的があり、防災行動を迅速にとるための基本情報となります。なお、噴火が発生してから3時間以上経過し、噴火が停止している場合は原則発表されません。

噴火警報・予報

「噴火警報・予報」とは、火山の噴火に伴う生命に危険を及ぼす火山現象(大きな噴石、火砕流、融雪型火山泥流など)が発生するおそれがある場合、気象庁が発表する情報です。

気象庁では、本庁(東京)に設置された「火山監視・警報センター」のほか、札幌・仙台・福岡の各管区気象台に設置された「地域火山監視・警報センター」で、活火山の火山活動を監視しています。

111の活火山のうち、50火山については、噴火の前兆を捉えて噴火警報等を適確に発表するために、地震計、傾斜計、空振計、監視カメラ等の火山観測施設を整備し24時間体制で常時観測・監視しています。

この常時観測火山である50火山のうち、49火山(2025年8月現在)で噴火警戒レベルが運用されています。これらの火山では、噴火警戒レベルを付けて噴火警報・予報を発表します。噴火警報・予報は5段階に分かれており、火口周辺規制や入山規制など状況に応じて段階的に発令されます。

噴火状況の把握や避難判断に役立つ情報です。

レベル4以上は「特別警報」に該当し、住民には避難が強く推奨されます。

なお、噴火警戒レベルが運用されていない火山については、噴火警戒レベルに代わる形で火山の状況に応じて「噴火警報・予報」が発表されます。

また、海底火山も噴火警報・予報を運用しています。

火山が噴火した際には、噴火警報に基づいた避難行動が必要です。

火山ガス予報

「火山ガス予報」とは、火山の噴火などにより居住地域に有毒な火山ガスが滞留するおそれがある場合に発表される予報です。

火山ガス濃度の観測データと気象データをもとに、火山ガスの拡散範囲や濃度の推定・予測を行い、どの地域で濃度が高まる可能性があるかを示します。

火山活動の状況に応じて3時間ごとに24時間先までの火山ガスの動向を発表しています。

降灰予報

「降灰予報」とは、火山噴火によって生じる火山灰が「どこにどれだけの量で降るか」を気象庁が予測し発表する防災情報です。

火山灰の降灰量は以下の3段階に分類されます。

・ 多量(1mm以上)
・ やや多量(0.1mm~1mm未満)
・ 少量(0.1mm未満)

出典:気象庁「降灰予報

降灰予報は、その厚さに応じて適切な防災行動を促します。たとえば「多量」の場合は外出を控える、「やや多量」ではマスク着用や注意運転が推奨されます。

降灰の状況や影響、具体的にとるべき行動を判断する際に役立つ情報です。

火山に備えるポイント

火山の噴火に備えるには、火山に関する情報を把握し、日常生活に活かすことが重要です。気象庁や自治体から発信される噴火警戒レベル、火山ハザードマップ、火山ガス予報、降灰予報などの情報をチェックし、火山の状況に応じて適切な行動が取れるようにしましょう。

防災用品や備蓄品の用意も欠かせません。たとえば、火山灰の吸入を防ぐマスクや眼を保護するゴーグル、飲料水や非常食(最低でも3日分以上)など。また、停電や断水といったインフラの被害に備え、懐中電灯や携帯電話の充電器も用意しておく必要があります。

そして、家族や地域で避難計画を立てておくことも大切です。避難経路や集合場所、連絡手段などを事前に共有し、緊急時に混乱が生じないように準備しておきましょう。

日頃から防災意識を持ち行動することで、火山災害による被害を軽減し、安全を守りましょう。

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〈執筆者プロフィル〉
田頭 孝志
防災アドバイザー/気象予報士
田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

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