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2025年冬“グレーのスカート”を持たない理由なんてない

  • 2025.11.6

冬になると、当然のようにウールコートやレザーブーツ、カシミヤニットを手に取る。けれど、私のクローゼットで最も登場頻度が高いのは、“グレーのウールスカート”だ。私のワードローブには、腰のボタンがアクセントになったラップスカート、深いチャコールカラーのボックスプリーツ、キルトピンの付いたミニ丈、そして初冬にぴったりな、軽やかなウール×コットン混の一着もある。どれもヴィンテージショップやチャリティショップで見つけたものばかりで、リセールアプリを無心にスクロールしていて出会った掘り出し物もある。

ここ数年、グレーのウールスカートは私の冬の装いの“柱”のような存在だ。ブランケットのように頼もしい厚みがあり、寒さが増すほどその温もりを感じる。ファッションウィークではチェックやタータンが主流だったけれど、無地のグレーウールには、控えめでありながら確かな存在感がある。一見“おばあちゃんっぽい”と思われるようなアイテムこそ、スタイリング次第で洗練の象徴になる——そのことを、このスカートは教えてくれる。

スタイリングの鍵は、“知的なバランス”にあり

グレーのウールスカートを着こなす、イザベラ・ローズ・デイヴィー。
グレーのウールスカートを着こなす、イザベラ・ローズ・デイヴィー。

「私が着まわしているのは、3枚のグレーのウールスカートです。ひとつはフォルツァ コレクティブ(FORZA COLLECTIVE)のプリーツスカート、もうひとつはサックス・ポッツSAKS POTTS)のクロップドジャケットセットアップになったもの。そして最後は、エムケーディーティー スタジオ(MKDT STUDIO)のドット柄のセンタースリットスカート。どれも欠かせません」と話すのは、コペンハーゲン・ファッションウィークのCOOであり、ストリートスナップの常連、イザベラ・ローズ・デイヴィー。デンマーク・コペンハーゲンで6年間を過ごす彼女は、笑いながらこう続ける。「私は習慣の生き物なの。私のパートナーが証人です。小さなアパートで、私のワードローブがスペースを占領しているって、いつも揉めています。でも実際は、同じ服ばかり着ているの。いいブーツ、上質なニット、そして素敵なスカート——これが私の“方程式”なんです」

私自身も、その方程式には深く共感する。ニットの代わりにハリのあるシャツを合わせてシャープにまとめたり、ストライプのラガーポロで抜け感を出したり。足もとはローファーやスリムなレトロスニーカーに置き換えても、同じバランスが保たれる。アウターも自由自在——ナイロンボンバー、レザージャケット、ウールコート。どれを羽織っても、プリーツスカートが全体を上品に引き締めてくれる。「グレーのウールスカートの“完璧な均一性”と思うと、私はいつもそこに意外性を添えたくなるの」とデイヴィーは続ける。「調和しながらも、予想外の組み合わせを楽しみたいの」

プラダ 2025-26年秋冬コレクション
プラダ 2025-26年秋冬コレクション
ヴァケラ 2025-26年秋冬コレクション
ヴァケラ 2025-26年秋冬コレクション

実際、2025-26年秋冬のランウェイでも、グレーのスカートは一大トレンドとして再浮上していた。プラダPRADA)では、しわ加工や解体的なアプローチで再構築され、ヴァケラVAQUERA)は大ぶりなプリーツとベルトを効かせ、インクのように深い黒のシルクシャツとスタイリング。ヴィヴィアン・ウエストウッドVIVIENNE WESTWOOD)では、アンドレアス・クロンターラーがツイード素材をカットし、脚を覗かせる“パンクなねじれ”を加えた。

そして、次の季節へ——グレーのウールスカートはまだ終わらない

シャネル 2026年春夏コレクション
シャネル 2026年春夏コレクション
フェンディ 2026年春夏コレクション
フェンディ 2026年春夏コレクション

2026年春夏のランウェイでも、このスカートの勢いは健在だった。なかでも印象的だったのは、マチュー・ブレイジーによって再解釈されたシャネルCHANEL)に登場した、ペンシルスカート。片側に並んだゴールドボタン、腰骨の位置で軽やかに穿かれたローライズシルエット、そしてクロップドジャケットと細ベルトを合わせたルックは、まさに“理想の一枚”としてウィッシュリストの最上位に躍り出た。そのほかにも、ヴェトモンVETEMENTS)、フェンディFENDI)、ジル サンダーJIL SANDER)から、流れるようなラインやふんわりとしたボリュームを備えた新解釈が続々と登場。ブランドごとに異なる個性で、グレーのスカートの魅力を再定義していた。

なぜ、このアイテムがここまで愛され続けるのかは明白だ。「私がすでに持っている服とも相性がよく、シャープで完成された印象をくれる。そして何より、地元デザインを誇りを持って着られる」とデイヴィーは語る。誠実な素材、無駄のないデザイン、そして確かな洗練——。この冬、ワードローブにひとつだけ新たに加えるなら、間違いなく“グレーのウールスカート”だ。

2025-26年秋冬、ワードローブにくわえたいグレーのスカート6選

Text: Augustine Hammond Adaptation: Saori Yoshida

From: VOGUE.UK

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