【ホラー】怪異は命の恩人だった!?自分にしか見えない「手」によって九死に一生を得たネイリスト【作者に聞く】

壁から手が生えている…。湧き上がるのは、なぜ？という疑問と少しの恐怖。自分にしか見えない「手」は、何ともいえない禍々しい気を放っている。そんな手にネイルを塗ってあげたら？優しいラストに「いい話」「すてき」などのコントが集まる・早々乃曜七(@kakesichi67)さんの「爪のお礼」を紹介する。

本当は怖くない？怪異は命の恩人

本作「爪のお礼」を描いたきっかけについて「『得体の知れない怪異と実はコミュニケーションが取れたらどうなるだろう』と考えて、自分が凄く怖がりだから、手だけの霊に遭遇してしまったら凄く怖い。ならば、そういう霊が怖くなくなるような話を描いてしまおうという発想につながりました」と話す作者の早々乃曜七さん。本作は「今昔物語集」の「子供の手が柱から出てきて人を招く」という話を元ネタにしているそうだ。

怪異の手しか見えないことについては、「『表情の読めない』キャラクターが好きで、無口や寡黙なキャラという意味ではなく、そもそも人間の顔を持たないキャラクターが身振り手振りで必死に感情を表そうとする姿に萌えを感じます。手だけの姿なのに、戸惑いや喜びといった感情が伝わってくるキャラクターを描いてみたいと思いました」とのこと。特に本作でのこだわりは「『手だけ』という個性をどのように読者に印象づけるのかを意識しました。手だけのキャラは何をされたらうれしいのか。どうやって主人公のことを助けるのか。背中に指で文字を描いて感謝を伝えるのも、『手だけ』というキャラクターだからこそ、生きる場面だと思います」と教えてくれた。

いつの時代でもちょっと妖しくも気になる存在の怪異…。実はそんなに怖い存在でもないのかも？と怪異に対して温かさを感じられる本作を、ぜひ読んでみてほしい。

取材協力：早々乃曜七(@kakesichi67)

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