1. トップ
  2. 譜久村聖、モーニング娘。卒業後1年の休業を経て実感「自分は心から仕事が好き」

譜久村聖、モーニング娘。卒業後1年の休業を経て実感「自分は心から仕事が好き」

  • 2025.11.3
譜久村聖 クランクイン! 写真:米玉利朋子(G.P.FLAG inc) width=
譜久村聖 クランクイン! 写真:米玉利朋子(G.P.FLAG inc)

モーニング娘。’23の卒業から2年、譜久村聖は現在のソロ活動で「心から仕事が好き」だと実感しているという。その一つの形となった2冊同時発売の写真集『瑠璃藍』『Vers l'Aube(ヴェール・ローブ)』(ワニブックス)では、雨空のベトナムで「宝物」になった作品づくりに没頭。かたや、ハロー!プロジェクト(以下、ハロプロ)のOGたちが名を連ねる「M-line Special」というライブでのステージでは、古巣への思いも胸に気持ちを新たにする。

【写真】29歳になった譜久村聖、大人な表情も! インタビュー撮りおろしショット

■29歳の誕生日に発売の写真集は愛情を受けた「宝物のような作品」に

2年ぶりに出版される譜久村の最新写真集は、モーニング娘。’23を卒業後初の写真集に。初めて訪れたベトナムでは「原点回帰~新しい旅のはじまり」をテーマに、柔らかくおっとりとした雰囲気、大人の女性としてのシャープさの両面を表現した。異例の2冊同時発売となる『瑠璃藍』『Vers l'Aube』はすべての収録カットが異なり、20代最後の姿を惜しみなく記録している。

――23年11月にモーニング娘。’23を卒業して約2年。卒業後に1年の休業期間を経て、芸能活動を再開してから初の写真集出版となります。

譜久村:グループを卒業後に写真集を出す機会があるものかと思っていたんです。でも、卒業後に観たモーニング娘。のコンサートで出版社の方が「ふくちゃん(譜久村の愛称)が戻ってきたら(写真集を)また出そうね」と言ってくださったのがうれしくて、振り返るとそのときから出版の決意は固まっていました。

――テーマの「原点回帰~新しい旅のはじまり」は、全編を通して表現できましたか?

譜久村:表情でしっかり出せました。「今回で写真集は最後になるかも」と思いながら臨んだことで、しっかりと作品と向き合えました。スタッフさんが「ふくちゃんにはこんな衣装が似合うんじゃない?」と提案してくださったり、私からも何がやりたいかとしっかりと伝えたり、いろんな思いが重なったし、いろんな方からの愛情が詰まった宝物のような作品になりました。

――2冊同時発売の1冊『瑠璃藍』のタイトルは、譜久村さんが「自分の好きな色と漢字」から考えたそうですね。瑠璃色も藍色も、どちらも青系統の色です。

譜久村:青が好きで、青から水色へと変わるまでの色味が全部好きなんです。写真集では、私の好きな青を感じてほしいと思って『瑠璃藍』のタイトルを付けました。ロケ地について「白い建物に青い屋根がありピンクの花がある場所でパキッとした青いワンピースを着てみたいです」と具体的なアイデアも出していたんです。『瑠璃藍』の表紙撮影では、カメラマンさんがフィルターを使わずに青みがかった光を表現してくださったり、空や海だけではないいろんな青を表現してくださったのがうれしかったです。

――もう1冊の『Versl'Aube』では『瑠璃藍』と対比する意図もあったんでしょうか?

譜久村:対比というより、2冊で繋がっている感覚です。でも、それぞれに違うイメージもあって、同じロケ地であっても衣装や撮り方を変えているんです。それぞれのよさがあるので、見比べてほしいです。

――力の入った作品の撮影にあたっては事前に、ボディメイクなどの努力はいかがでした?

譜久村:写真集撮影になると、ヘアメンテや身体のケアといったお決まりのルーティンがあるんです。でも今回は、それほど力まずにゆるくやっていました。撮影のためにというより、日常でハマっていたことが意外と役立ったんです。ロケ地のベトナムへ向かう直前は、座った状態で腰にダンベルを置いて足を上げるお尻の筋トレにハマっていて、楽しいから続けていただけなのに撮影で「お尻がキレイ」と言われて驚きました(笑)。

――(笑)。ベトナムでの撮影は「全日大雨」だったそうですね。

譜久村:膝下まで水に浸かる日もあったし、街中を歩く水牛が溺れてしまうのではないかと心配するほどでした。雨を活かすために現地の市場でオレンジのワンピースを調達して、川のようになった道路で立ったまま撮影したカットもあります。複数回のロケで、次にベトナムへ行ったときに「ここって、道路だったんだ」と気が付きました。室内の撮影でも屋外で降る雨を活かすために、カメラマンさんが白いシーツを敷いて光の反射を工夫してくださったり、プロの技が集結する現場でした。

■1年の休業を経た活動復帰で実感「自分は心から仕事が好き」


――最新写真集は20代最後の作品となりましたが、20代を振り返っていかがでしょう?

譜久村:同い年よりも子どもだなという気持ち、変に大人になっちゃったという気持ちが両方ありました。そのバランスを取るのは難しくて、同い年の友だちと仕事の話をしても共感できないコンプレックスもあったんです。でも、自分に対しては「常に年相応でありたい」と言い聞かせていたし、誕生日を迎えるたびに「いい◯歳だったな」と繰り返せる充実感もありました。

――27歳で、モーニング娘。’23を卒業。ハロプロの研修生にあたる「ハロプロエッグ」への加入から数えると、約15年のアイドル人生を終了しました。

譜久村:卒業後の変化としては、スケジュールを自分で組めるようになりました。グループ時代は1ヵ月ごとに決められたスケジュールに沿って動き「明日は何があるかな?」と気にする程度の生活で、空いている日があっても「何か入るかもしれない」とずっと身構えていたんです。でも、卒業後はスケジュールに余裕が生まれて、月イチで美容院やネイルサロンの予約を入れたり、パズルのように予定を埋めていくのが楽しくなりました。

――卒業後、24年11月29日の復帰イベントまでは丸1年の休業期間もありましたよね。

譜久村:休業期間に、アウトドア派になりました。ゲームやアニメ、漫画が趣味の超インドア派だったんですけど、友だちと陶芸教室や脱出ゲームに行くほどになって。色彩検定や温泉ソムリエ、スキューバダイビングの資格も取りました。その流れもあって、モーニング娘。の後輩にあたる(12期メンバーの)羽賀朱音ちゃんのおかげで、旅行のプランも立てられるようになったんです。24年冬に一緒に愛知と三重を旅行して、私が「ここ行きたい!」と言った場所をすべてまわれるように完璧な旅行スケジュールを立ててくれて、やり方を学んだので、自分発信での旅行も楽しめるようになりました。

――休業から復帰後は、25年4月にシングル『ロングラブレター/アニバーサリーはいらない』でソロデビュー。M-line Specialというライブで精力的にステージに立っています。

譜久村:やるからには全力でやりたいし、自分は心から仕事が好きなんだと思います。活動復帰前には、事務所の方々に「こういうことがしたいんですけど、実現のためにはどうすればいいですか?」と恥ずかしがらずに何でも質問しました。1人での活動となると何が私にふさわしいのか、何を求められているのかも分からなかったし、まだまだソロとしての準備期間が必要だと思って活動しています。

■古巣の後輩たちは「今のモーニング娘。を体現してくれている」


――譜久村聖として音楽の世界で生き続けていますが、M-line Specialのステージではグループ時代との違いも感じていますか?

譜久村:軸があったものに途中から参加しているので「M-line Specialらしさとは何だろう?」と、常に考えながらステージに出演しています。メンバーは個々で活動しているので、グループ時代にあったいい意味でのバチバチ感がなく、自分を出すのはむしろ難しいです。でも、音楽を広められる大切な場所ですし、ステージごとで出演メンバーが必ずしも固定されないライブに「それでも足を運んでみたい」と、ファンのみなさんにどうすれば思ってもらえるかと個人とは別軸で考えています。

――歌える環境を大切にしながら、ソロアーティストとしての可能性は未知数ですね。

譜久村:もっと曲を出したいし、もっと動きたいと思っています。今はツアー「M-line Special 2025 Autumn ~Make Some Noise!~」(9~11月)を回っていて、楽屋で「自分に合う曲って何だろう?」と参加メンバー同士で話しているんです。グループ時代には出てこなかった話ですし、相手との会話で何かが生まれる気もして。12月に一緒にツアーを回っている小関舞ちゃんと森戸知沙希ちゃんがコラボレーションシングルをリリースするのも新しい試みで、2人が楽しんでいるのを見て私も刺激を受けたし、怖がらずに何がやりたいのかをもっと伝えていきたいです。

――かたや、モーニング娘。時代の同期である9期メンバーのみなさんとは、今も強い絆を感じられます。

譜久村:会話の内容は日に日に大人っぽくなってきました。でも、距離感はまったく変わりません。7月7日にあったえりぽん(生田衣梨奈)のバースデーイベントで久々に会ったんですけど「わー、久しぶり!」とはならずに「やぁ」と一言目の挨拶を交わす程度で、昨日も会っていたかのようなテンションでした(笑)。翌日に開催されたえりぽんの卒業公演では12期メンバーとOCHA NORMAの窪田七海ちゃんも私たちのもとにきてくれて、みんなでワチャチャする空気感で、ひと昔前のような懐かしさもありました。

――譜久村さんたちが巣立ったモーニング娘。’25は現在、どのように見守っていますか?

譜久村:コンサートを観るたびに感動します。パワフルなメンバーの元気、エネルギーが伝わってくるんです。たまにしか会えないのでしゃべりたい気持ちもありますし、鑑賞後には素直な感想を伝えています。新曲の『気になるその気の歌』とかも好きなんです。後輩のみんなが今のモーニング娘。を体現してくれているし、OGとしても誇れます。

――25年7月に卒業した生田さんを経て、リーダーを継いだ12期メンバーの野中美希さんにも、特別な思いがあるのではないでしょうか?

譜久村:野中を中心にしながらみんなが動いていて、野中自身もまとめようとしている姿を見て、心から応援したくなりますし、会ったときに「頑張ってね。何かあったら、いつでも相談に乗るから」と伝えました。(11期メンバーの)小田(さくら)に加えて、野中と同期の牧野(真莉愛)も新たなサブリーダーになって、12期がトップに立ち新しい空気感になったので、野中には「昔の形は気にしなくていいからね」とも言ったんです。リーダーになってから「今まで気が付かないこともあった」と野中が話してくれて、うれしかったです。

(取材・文:カネコシュウヘイ 写真:米玉利朋子[G.P. FLAG inc】)

譜久村聖写真集『Vers l’Aube』『瑠璃藍』は、ワニブックスより10月30日発売。『瑠璃藍』は3500円+税、『Vers l’Aube』は6200円+税(メイキング DVD90分と超レアカットお風呂ポスター付き)。

元記事で読む
の記事をもっとみる