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アメリカ在住中に2人の子どもの母に。コロナ禍の大変なときでしたが、成長する姿をそばで見守ることができました【山本山社長・山本奈未さんのターニングポイント#2】

  • 2025.11.2

アメリカ在住中に2人の子どもの母に。コロナ禍の大変なときでしたが、成長する姿をそばで見守ることができました【山本山社長・山本奈未さんのターニングポイント#2】

お茶と海苔で知られる老舗企業「山本山」。同社の社長で山本家の十一代当主でもある山本奈未さんは子どもの頃から海外志向が高く、進学先のアメリカの大学でリーダーシップをとることにも開眼。学業を修め「山本山」に入社したのちには、どんな転機があったのでしょうか。ご家族についてのお話も伺いました。

7歳と6歳の子どもを育てています

――中学生のときに参加したサマーキャンプがきっかけで海外留学をめざすようになり、進学されたアメリカの大学でのリーダー体験が今につながる転機になったのですね。

はい。そしてもうひとつ人生のターニングポイントとなったのが、子どもを授かったことですね。

――お子さんがいらっしゃるんですね!

そうなんです。7歳の男の子ともうすぐ6歳になる女の子です。出産したのは31歳と32歳のとき。当時は「山本山」の副社長でした。

――出産はどんな意味で山本社長にとってのターニングポイントでしたか?

家業を継ぐという意味で、私が「山本山」に入社することはデフォルト(規定路線)だったのですが、もうひとつ、跡継ぎをもうけることも重要でした。もともと子どもは欲しいと思っていたんです。出産でその役目を果たすことができました。

――江戸時代に煎茶を広めた初代山本嘉兵衛(かへえ)から数えて、山本社長は十一代目にあたるのですよね。初代をはじめとする山本家の人々に対してはどんな思いがありますか?

「山本山」には335年の歴史があり、お茶と海苔という日本の文化の一端を担っています。会社としてだけでなく文化を継承する家系として、次世代につないでいかなくてはならないという思いは強く持っています。

子どもたちのやりたいことを尊重して「得意」を伸ばしていきたい

――お子さんが生まれて、少し肩の荷が下りた感じだったのでしょうね。出産されたときは、アメリカにいらしたとうかがいました。

はい。出産したのがコロナ禍直前の2018年と2019年で、2020年以降の数年間は日本に帰ることができなかったんですよね。仕事もコロナ対策に終始していて、アメリカの自宅でリモートワークをするしかなかったのですが、子どもたちの幼児期をきちんと見つめられたことは良かったのかもしれません。

――お子さんの教育方針についてはどのようにお考えですか?

基本的に子どもに合った教育をしたいと思っているので、私が希望しても子どもたちが希望しないのであれば強要しないつもりです。やはり誰しも「得意」と「不得意」がありますから、その子の強みになる「得意」のほうを伸ばしていきたいですね。夫はアメリカ人なのですが、子どもたちも含めて家族間の会話は英語です。帰国して今は日本の小学校と幼稚園に通わせているので、日本語はそちらで覚えてきます。

毎日「よく寝ること」に注力して体調管理

――母親になる前と後で、時間のやりくりなどが大きく変わったのではないでしょうか?

もう全然違いますね。自分のための時間はゼロです(笑)。余暇の時間もないに等しいので、今は楽しんでいる趣味などはないんです。ただ、もともと旅が好きなので、出張先ですきま時間を使って街歩きを楽しんだりしています。

――少し安心しました。とはいえ、責任ある立場でプレッシャーも大きいと思うのですが、実践しているリフレッシュ法や健康法などはありますか?

私の場合はとにかく寝ます。体調管理に睡眠が大事だと思っているので。夜の9時半就寝、朝の5時半起床という生活を心がけていますが、会食などでどうしても帰宅が遅くなる日もあるので、1週間単位で調整していく感じです。毎日、夕食の時間帯から寝ることを考えていますね。夕食の内容、寝室の室温や明るさ、寝る前のアクティビティ(行動)まで、睡眠の質が下がらないように意識しています。これから寝具も理想のものに変えていきたいなと思っているところです。

――山本社長のお母さまは60代とのことで、ちょうど「ゆうゆう」世代なんですよね。お母さまと同世代の女性にメッセージはありますか?

「山本山」の商品は母と同世代の女性のみなさんにご支持いただいているので、とてもありがたいですね。最近の60代の女性は、みなさん若いのでびっくりしてしまいます。体によいものを食べて、お茶と海苔も摂っていただいて(笑)、ますます健康でいていただきたいと思います。母には子どもたちを見てもらうこともあるので感謝は尽きないのですが、これからも元気でいてもらって、2人の孫を見守ってほしいなと思います。

山本山社長・山本奈未さんのターニングポイント②
「子どもを授かり、これからの山本山を託す存在ができました。母親になってさらに多忙になりましたが、睡眠の質に気をつかって体調管理に努めています」

プロフィール

山本奈未さん

やまもとなみ●1690年(元禄三年)に煎茶商として創業した「山本山」の代表取締役社長にして山本家十一代当主。2009年にThe College of Idahoを卒業し、同年に「山本山」に入社。海外事業部部長やYAMAMOTOYAMA U.S.A社長などを歴任し、2023年に代表取締役社長に就任。同年、ハーバード大学経営大学院 OPM 修了。上質なお茶と海苔の販売のほか、お茶と海苔を使ったさまざまな食品を展開している。プライベートでは、アメリカ人の夫とともに2人の子どもを育てている。


DATA

山本山 ふじヱ茶房
住所:東京都中央区日本橋2-5-1 日本橋髙島屋三井ビルディング1階
※詳細は公式サイトをご確認ください。

撮影/土屋哲朗 構成・文/志賀朝子

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