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「炎上して困るわ」と語る勘違いインフルエンサーの友人。SNSをこっそり見ると意外な事実が【短編小説】

  • 2025.10.30
「炎上して困るわ」と語る勘違いインフルエンサーの友人。SNSをこっそり見ると意外な事実が【短編小説】

自称インフルエンサーの友人

私の周りには、自称「インフルエンサー」の友人がいます。
彼女はいつも流行の服を身につけ、カフェに行けば必ず「映える」写真を何枚も撮影します。
SNSのフォロワー数は、正直なところ、私とそこまで大差ありません。
でも、彼女は自分のことを「世間に影響を与える存在」だと強く信じ込んでいるようでした。

そんな彼女と、先日久しぶりにランチをしました。
パスタの写真を一通り撮り終えた彼女は、急にスマホから顔を上げ、大きなため息をつきました。
「はぁ……。もうイヤになっちゃう」
「どうしたの? 何かあった?」
私が尋ねると、彼女は少しうんざりしたような、でもどこか誇らしげな表情でこう言ったのです。
「私って、本当にアンチ多いのよね。昨日も投稿にちょっと変なコメントついてさ。炎上して困るわ」

私は一瞬、言葉に詰まりました。
「え、アンチ? そんなに話題になってるの?」
彼女が「炎上」しているような話は、ついぞ聞いたことがありません。
「まあね。目立つと叩かれるのは、仕方のないことだから」
彼女はそう言って、悲劇のヒロインのように窓の外を眺めています。

その日はそのまま解散しましたが、私はどうにもモヤモヤが収まりません。
もし本当に彼女が理不尽な批判にさらされているなら心配です。
でも、それ以上に「本当かな?」という好奇心が勝ってしまいました。

調べた結果

家に帰った私は、こっそりとスマホを手に取りました。
まず、彼女のアカウント名で検索します。出てくるのは彼女自身の投稿ばかり。
次に、彼女の名前(仮名)と「アンチ」や「炎上」という言葉を組み合わせて検索してみました。
「もしかして、私が知らないだけで、どこかの掲示板ではすごく叩かれているのかも……」 そんな想像をしながら、検索結果をスクロールします。

しかし、いくら検索しても、何も出てこないのです。
彼女を批判するどころか、彼女の存在について言及している第三者の投稿が、まったくないのです。
必死に探して見つかったのは、数ヶ月前の彼女の投稿に対する「写真、素敵ですね」という当たり障りのないコメントが数件だけ。
彼女が言っていた「変なコメント」とやらも、どこにも見当たりません。

私は静かにスマホの画面を閉じました。
彼女が戦っている「たくさんのアンチ」とは、一体誰だったのでしょうか。
もしかしたら、たった一件の否定的な(あるいは、そう見えただけの)コメントを、彼女が「大勢の敵」に仕立て上げていただけなのかもしれません。
「有名税」とため息をついていた彼女の顔を思い出し、私は何とも言えない、複雑なため息をつくしかありませんでした。

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

 

 

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