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「ごめんね…」夜鳴きや徘徊の愛犬を泣きながら託して…長寿時代の“老老飼育”の現場

  • 2025.10.29

人も犬も長寿になる中、いま"老々飼育”という、厳しい現実が広がっています。

どうすれば、愛犬の穏やかな暮らしを守れるのか。悩める飼い主を救う取り組みを見つめます。

広がる“老々飼育”

チワワのペコちゃんは17歳。人間の年齢では84歳の老犬です。飼い主のもとへ帰るのは1週間ぶりのこと。

ペコちゃんは、札幌で活動する『逢犬(あいけん)はうす』が送り届けます。
介護が必要になった高齢の犬たちを預かる団体です。

Sitakke

飼い主はいま90代。
食が細くなったペコちゃんに、食事を用意し、おむつを交換することが難しくなりました。

『逢犬はうす』を運営する宮西雅子さんはお家でくつろぐペコちゃんに 「なにペコちゃん、おうちいいの?よかったね」と話しかけます。

90代の飼い主は、1週間単位で『逢犬はうす』にペコちゃんを預け、2、3日を自宅で一緒に過ごす。
そんな“老々飼育”の暮らしが続いています。

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今から9年前の2016年、札幌・北区に宮西雅子さんが『逢犬はうす』を立ち上げました。

朝から夕方まで預かる犬もいれば、1か月単位のショートステイや、年老いた犬が最期のときを迎えるまで、終生預かるケースもあります。
現在、30頭ほどを預かっています。## ペットも認知症に…

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あいちゃん 18歳

「ペコおはよう。あいちゃん大丈夫?」

宮西さんが話しかけます。

「あいちゃんの飼い主は、お父さんもお母さんも高齢で、世話がきつくなっている、あいちゃんに徘徊されて」

認知症を患う柴犬のあいちゃんは18歳。
徘徊が止まず、食事も排便も難しくなっています。
飼い主は病の果て、あいちゃんの余生をここに託しました。

「私たちだってずっと寝てたらしんどいじゃん?」と話す宮西さん。

高齢のあいちゃんは、自分の力で歩くことがもうできず、車いすが必要です。
車いすは、以前ここに愛犬を預けていた利用者が譲ってくれました。

「置いて帰るとき、泣いていた」

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ルンちゃん

「この子は、本当に穏やか。きっといいトイプードルだったと思う」

『逢犬はうす』に来て1年になる老犬のルンちゃん。

3年前から夜鳴きが激しくなり、やはり歩行も困難になりました。
ルンちゃんの飼い主も高齢で、現在、自宅で病と闘っています。

「お母さん(飼い主)は、ルンちゃんを置いて帰るとき泣いていた。“ごめんね、ごめんね”って。だけど、そういうことじゃないんだよって説明して。自分で看られないものを抱えているほうが、ルンちゃんに気の毒だからって」

飼い主に、頼ってほしい…。宮西さんには“虹の橋”を渡っていく犬たちに、その最期のとき、いつも呼びかけていることがありました。

次回の記事でお伝えします。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年10月8日)の情報に基づきます。

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