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「娘は食が細めで注文が多い」「夫が健康診断にひっかかって」著者・たかぎなおこさんの毎日のお弁当づくりに変化が…!?

  • 2025.10.29
『お弁当デイズ フダン弁当、ハレの日弁当』。

「3年間も続くのかあ…」と思っていた娘のお弁当作りも、卒園が近づき残り少なくなってきました。夫はとうとう会社の健康診断にひっかかってしまい、デカ弁当箱を封印して、目指せ野菜たっぷり弁当です。イラストレーター・たかぎなおこさんの新刊『お弁当デイズ フダン弁当、ハレの日弁当』では、普通の日も特別な日もおいしくてうれしいお弁当を巡る日常を描いています。

著者のたかぎさんに、日常のお弁当とハレの日弁当についてうかがいました。


朝は、夫と娘のお弁当作りで大忙し!

お弁当デイズ』収録「はじめに」より。

――毎朝、ダンナさんのお弁当を作っていたたかぎさんですが、娘・むーちゃんが幼稚園に入園して、2つお弁当を作る毎日だったんですよね?

娘が1歳になるくらいの頃に夫が転職しまして、それを機に夫にお弁当を作るようになりました。誰かにお弁当を作る経験なんてなかったので、最初の頃は「おいしい愛妻弁当を作らねば!」とけっこうはりきっていろいろ作ってました。

でも、だんだん手抜きを覚えたり、パターンも決まってきたりして、かなり早く作れるようになってきてたのですが、娘が3歳になって幼稚園に入園してから2人分のお弁当を作る日々が始まりました。

――ダンナさんはよく食べるほうだし、娘さんは小柄で食も細くて、お弁当箱の大きさも全然違いますよね。2人においしくお弁当を食べてもらえるようにどんな工夫をされていましたか?

夫はたいていのものは喜んで食べてくれるのですが、娘は食べられるものが限られていたので、娘弁当にかける意識の方がだいぶ大きかったです。

娘弁当のほうは、とにかくやわらかくて小さくて食べやすいことを心掛けて、夫弁当のほうはその残ったものとなにか1品をドカッと入れて……みたいな。娘のお弁当はあまり味を濃くしたり辛くしたりもできないので、娘の分のおかずを取ったあとに、夫の分は味付けを濃くして胡椒も振って~などをやってましたね。

テレビで見た作り方に変えたら卵焼きがきれいにできた!

『お弁当デイズ』収録「どうしたらきれいに焼ける?『卵焼き弁当』」より。

――卵焼きがあまり好きでないむーちゃんに、卵焼きをお弁当に入れることを禁止されていました。むーちゃんは好き嫌いがいろいろあったんですか?

娘が幼稚園に入ってお弁当生活がスタートした頃を描いた『お弁当デイズ 夫と娘とときどき自分弁当』の中で、桜でんぶのおにぎりを入れたら娘に怒られたという話があるのですが、甘いおかずはあまり好まないようで。喜ぶかな~と思って冷凍食品のスイートポテトのおかずを入れたら、これも「もう入れないで」と言われちゃいました。

卵焼きはしょっぱく作っても苦手のようなんですが、オムライスに薄く巻いてある卵は大好きで、卵自体が嫌いなわけではないようです。

子どもが好きそうなコロッケやハンバーグもあまり喜ばないし、煮たこんにゃくや切り干し大根といった、やや渋いおかずを好んで食べたりします。でも、それも日によって気分が変わったりして、いまだに娘の好き嫌いはよくわからないところがあります。

卒園が近づき、娘弁当作りもあと少しで終わり…

『お弁当デイズ』収録「私も3年間よくがんばった…!『幼稚園ラスト弁当』」より。

――卒園が近づいてきて、娘弁当作りが続くのもあと少しだけなんだ、と気づいた時は、たかぎさんもちょっぴり感傷的な気分になったとか。

そうですね、「今日新しいピックだったね」とか「今日のウインナー、いつもと切り方がちがったね」とか、娘はよくお弁当のちょっとした変化に気づいて感想をくれていたのですが、こういうやりとりもなくなるんだなぁ~と思ったら、ちょっとさみしくなりました。園児服もかわいかったし、園にお迎えに行くと娘が教室から飛び出してくるのもかわいかったから、幼稚園時代がもう終わっちゃうこと自体がさみしくなってきて……。

――幼稚園での最後のお弁当はどんなお弁当だったんですか?

最後のお弁当は、いろんな味のミニおにぎり5個に唐揚げ、娘が好きなキャラクターのかまぼこ、デザートはいちごでした。本当は、海苔を使ってメッセージ入り弁当とか、ハムをお花にしてみるとか、3年間食べてくれてありがとうという気持ちを込めた、なにかちょっとラストっぽいことしてみたかったです。

「ハレの日弁当」が作れなかった幼稚園時代…

『お弁当デイズ』収録「運動会だからこそ! 憧れの『ハレの日弁当』」より。

――ところで、たかぎさんが子供の頃の「ハレの日弁当」ってどんなお弁当でした?

とにかくおにぎりが好きだったので、「ハレの日弁当」におにぎりは絶対入れてほしかったです。おにぎりってシンプルな料理ですが、母が普段の日に作ってくれることはほぼなかったので、「おにぎり=特別な日」というイメージでした。梅干しやシャケなどの具の白いごはんに海苔が巻いてある普通のおにぎりが好きです。あとは骨つき肉(手羽元)の唐揚げがあれば最高でしたね。

――むーちゃんが幼稚園の時はコロナ禍だったから、行事はのきなみ中止だったんですよね。

そうなんです、3年間コロナ禍で(涙)。遠足は一度もなく、運動会はあるにはあったんですが時間短縮のミニ運動会でした。お遊戯会もネット配信で生では観覧できず、参観日も中止……。ハレの日弁当は作る機会もなければ、他の子のお弁当を見る機会もなかったです。ずっと他の子はどんなお弁当を持ってきてるのか見てみたいな~と思ってました。

――その後、小学生になって初めての「ハレの日弁当」は運動会の時。どんなお弁当にしたんですか?

運動会は青空の下でお弁当を広げて親子一緒に食べるのかなと思ってたんですが、子どもたちだけ教室に戻って食べると聞いてびっくり! 親子で一緒に食べるなら、いろんなおかずをいっぱい持っていって、子どもが食べきれなかったものは親が食べたり持ち帰ればいっか~と思っていたのに思惑が外れまして……。それで、子どもだけで食べるのなら、量が多すぎたり、苦手なものがあったら困るから、幼稚園時代に喜んでよく食べてくれたおかずを入れて、間違いのないお弁当を適切な量持たせる、という方向になりました。

大イベント・遠足の前日に風邪をひいてしまい…

『お弁当デイズ』収録「ピンチヒッターおつぐやんの『お父さん弁当』」より。

――翌年の春の遠足はおやつもお弁当も持参で、親子で新しいお弁当箱を買いに行ったり盛り上がっていたのに、なんとたかぎさんが風邪でダウンしてしまい……!

遠足前日に風邪で寝込んでしまったんです。寝込んでいなければ、海苔巻き弁当を作ってみたいと思っていて、娘のOKがとれたら、ツナマヨの入った細めの海苔巻きを作ってお弁当に詰めてみたいな~と思ってました。

夫は普段からよく料理をしますし、スキルはあるのですが、娘のお弁当は作ったことがなくて、急に頼まれてとても不安がってましたね……。

――初めての「お父さん弁当」、できあがりはどうでした? たかぎさんのお手紙付きのお弁当にもジーンとしました。

夫は料理が得意なほうだし、手先も器用なので、かわいらしく上手に出来ていました。でも、漫画にも描きましたが、ちょっと量が少なかったみたいで(笑)。でも、すごくおいしかったと言ってました! 手紙も喜んでくれたので、その後も入れるようにしてます。

娘が初めてお弁当を作ってくれた!

『お弁当デイズ』収録「感激&斬新!? むーちゃんが作る『交換弁当』」より。

――そして今回、むーちゃんは小学生ながら初めてお弁当を作ったとか!

普段もおままごとが大好きで、お料理やお弁当作りに興味はあったようです。火を使う作業やちょっと難しい作業は手伝いましたが、それ以外は「見ないで!」とひとりで作ってました。

――むーちゃんはお料理が好きなんですか?

娘お気に入りの、火を使わず作れる料理の本がありまして。電子レンジで作るトマトと卵の料理とか、塩昆布をまぜて作る無限キャベツとか、ツナ缶のユッケ風とか、お酒のつまみになりそうなけっこう渋いものをたまに作ってくれたりします。どんどん料理好きな子になっていってくれたら嬉しいです。

――最後に、新刊『お弁当デイズ』の読んでほしいポイントと、たかぎさんがこれから描いてみたい家族のシーンがあれば聞かせてください。

読んでほしいポイント……だんだん量が増えていってる娘弁当とちょっとずつボリュームダウンしていってる夫弁当の対比でしょうか。あとは、夫弁当や私の昼食に、あきらかに娘弁当の残り物がまぎれてるところとか……(笑)。

今後は、娘もようやく一人前の駅弁が食べられるようになったので、家族で駅弁を楽しみながらどこかに旅行する話を描いてみたいです。

たかぎなおこ

イラストレーター。三重県出身。2003年、『150cmライフ。』でデビュー。著書に『マラソン1年生』『おかあさんライフ。』『体力アップ1年生』(以上、KADOKAWA)、『浮き草デイズ』「万歳!」シリーズ、「お弁当デイズ」シリーズ(以上、文藝春秋)など多数。2015年に結婚、一児の母となり、子育て満喫中。 たかぎなおこHP ホクソエムhttps://hokusoem.com/

文=ライフスタイル出版部

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