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「どうする? こどもの予防注射」 おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 Vol.27 

  • 2016.5.30

母になって、人生で初めて保護者という立場になり最も驚いた事は地方自治体からやってくる定期予防注射の種類とその数。

1歳になるまでに受けた方が良いとされる予防注射の種類はなんと4種類以上もあり、それぞれ2本、3本と定期的に打ち続ける必要がある。そのどれもがあまり馴染みのない名前…。

例えば「ヒブ」や「ロタ」解説には初めて見る病原菌の名前ばかりが登場し、わたしはまるで高校受験で元素記号を暗記する学生のような気分になった。

最初「ヒブ」と聞いたとき、わたしはハブやマムシの一種かと思った。そして、「ロタ」はロリータの省略系のようなサウンドで、どちらも何を予防するものなのか説明を読まなければ全く分からない名称。

わたしが幼かったころには聞いた事もない病原菌の数々に、本当にこの注射は必要なのだろうか?という考えも出てくる。

できることなら風邪すらも引かぬような丈夫な身体になってほしいと願うけれど、あの小さな身体に何本も注射を打つなんて大丈夫なんだろうか…。

きっと母になったばかりの女性なら、同じ気持ちを持った事があるに違いない。この注射一本、わたしの選択で、わが子の人生を左右する事になるかもしれないと、この決断をとてもとても重荷に感じた。

両親にも相談をし、悩みに悩んだあげく、結局わたしは無料で受けられる予防接種を4本受ける事にした。病院の窓口で受付を済ませ、息子の名前を問診票に記入する。

初めての予防接種、息子はいつもと変わらない様子。先生を前にしても、わたしの膝の上で安心しているようだ。これから痛い注射を打たれる事を知らず、かわいそうにのお。

「はい~腕を出してくださいねぇ。ちょっとチクッとしますよ~。」と、先生。

この感じ、幼少期を思い出す。小学生のころ、わたしは注射が大嫌いだった。今度は自分の番でなく、息子の番。わたしにも守りたい存在が出来たということか! あぁ、感慨深い。

先生が注射をチクンと息子の腕に刺す。

なんともなかったようなボーッとした表情でいた息子だけれど、数秒すると痛みにやっと気付いたのか「びえ~ん」と泣き出した。

やっぱり、痛いよなあ…。すぐさま抱き上げ、頭をなでてやるとすぐに泣き止む息子。母という存在は、こどもにとって大きな安心材料になるのだなぁと感じた。

病院を出ると、外はお天気が良く気持ちのよい風が吹いていた。息子のやわらかな髪がふわふわと揺れる。わたしはその髪をなでながら、この子が大人になるまでに、わたしはあと何回この子の人生の選択をお手伝いするのだろう。と、ぼんやりと近い未来のことを考えるのだった。

つづく

次回は「息子、初めて風邪を引く」をお届けします。

(Boojil(ブージル))

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