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山好き女子の憧れ・四角友里さんに聞く。初心者でもできるスローな山歩きのススメ

  • 2016.5.29
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新緑が気持ちいい季節。こんな時期には、自然豊かな山をのんびり歩いてみたくなりますね。でも、ハードなイメージもある山歩き。実際に山歩きデビューするのはちょっと不安という人も多いのでは? そこで、アウトドアスタイル・クリエイターとして、女性のためのアウトドアライフを提案している四角友里さんに山歩きの魅力を教えてもらいました。

まずは自然豊かな観光地の遊歩道から始めよう

四角さんが初めて山歩きを体験したのは2003年の夏頃、当時の彼に誘われて行った上高地だそう。

「初めて歩いたのは、観光客もたくさん来るような1時間半程度の遊歩道でした。それでも、登山の経験など無かった私にとってはものすごい大冒険。上高地は自然保護のためマイカーの乗り入れが規制されていて、指定駐車場からバスやタクシーに乗り換えて上高地に入らなければならないのですが、そんなエリアが日本にあることすら知らなかったので、異世界に迷い込んだような新鮮な驚きがありました」

「たった数十分歩いただけなのに、『山』という大きな存在に包まれている感覚を味わったんです。遠くに見える北アルプスの山々には、夏なのに雪が残っていて、川に手を入れたら驚くほど冷たい。山から流れ出る清流や、爽やかな風など、何もかもが初体験でした」

はじめて行った上高地で雄大な山々の存在に魅了された四角さん。この時に四角さんが歩いたのは平坦な遊歩道。初心者がまず最初に訪れ、歩く楽しさを知るには最適です。

上高地以外にも、長野県の霧ヶ峰高原や美ヶ原高原、日光の戦場ヶ原や箱根、標高2400メートルまでケーブルカーやトロリーバスなどを使ってアクセスでき、北アルプスの空気を味わえる立山室堂など、観光地としても人気の自然豊かな場所は数多くあります。

自然の中でしか出会えない美しい「宝物」を見つけよう

上高地での山との出会いをきっかけに、現在まで山歩きを続けている四角さん。山歩きをする楽しさって、どんなところにあるのでしょうか?

「山を歩いていると、鮮やかな花や聞いたことのない鳥の歌声、光に透ける葉っぱの葉脈など、『あ、きれいだな』と思う瞬間に、次々と出会うことができます。そんな山の中での出会いは私にとって宝物。そうやって、自然の中でしか出会えない美しい瞬間がどんどん積み重なって、もっともっと先に進んで行きたくなるんです」

四角さんにとっての山歩きの魅力は、ゴールを目指すことではなく、宝物を拾いながら道中を楽しんで歩くことなのだそう。自分のペースでゆっくりと歩き、惹きつけられたものの前では素直に足を止めてみてほしいと言います。 「山の魅力は本当に終わりがないんです。憧れの山に登って達成感を得ても、そこから見える登ったことのない山々はまだずっと先まで連なっている。季節ごとに景色も変わるし、同じ道を何度歩いていても、そのたびに違う発見があります。ぜひ、その一瞬一瞬にしか出会えない宝物を見つけに、多くの方に自然の中へ出かけていって欲しいですね」

一歩一歩自分の足で進む山歩きで、心も身体もハッピーに

山歩きをすることで、心身ともに日常生活にも変化が生まれるそう。

「山歩きには、そのほかにも様々なメリットがあると思います。例えば、普段見過ごしていたきれいなものや身近な自然に敏感になれますね。家の近所や街の中でも『ここにこんな花が咲いていたんだ』なんて感じられるのはちょっとした喜び。それによって、日常生活に彩りがプラスされます。季節にも敏感になるので、旬のものを食すようになり、その美味しさに気づけるようになりました。そんなちょっとした日常の幸せをたくさん感じることができるようになると思います」

また、自分の足を使って何キロも歩くうちに、自分自身の身体と向き合うことができるのだとか。

「普通に歩いているだけでも、体の声を敏感に感じ取れるようになります。私は普段、山歩きのための特別なトレーニングなどはしてないのですが、『今日はエスカレーターに乗らずに階段を使ってみよう』と日常生活の中で意識して体を動かすようにもなりました」

「そして、山の中では誰もが、ペースは違えど自分の足で進むしかない。たとえ険しい道でも、ゆっくりでいいから一歩ずつ歩いていけば、どんなところでもたどり着けるという自信が生まれました。それによって、仕事で困難な状況になった時にも慌てずきちんと立ち止まって考えたり、着実に進んでいく方法を身につけられたように思います」

前へ前へと進んで行く山登りを通して、考え方もポジティブになっていくのだそう。大人の女性が人生を歩んでいくうえで大切なものが、山歩きを通してきっと見つかるはずと四角さんはいいます。

温泉やスイーツ、歩くだけじゃない楽しみを探そう

登山では、山の中をただ歩くだけではなく、人それぞれに様々な楽しみ方ができるのもまた面白いところだそうです。

「私はいつも、行動食(おやつ)として大好きな豆大福を持って行きます。それを山の中で食べたり、湧き水で沸かしたコーヒーを飲むのが楽しみなんです。最近は『色合わせのカード』を持って行って、自然の色と同じ色を探す遊びもお気に入りです」

また、下山後に麓の温泉やカフェに立ち寄るのも楽しみのひとつなんだとか。

「麓の町では、人々が暮らしている場所と山とが密接に関わりあっているのが感じられます。例えば、山の森が豊かだからこそきれいな水に恵まれ、それによってお蕎麦や野菜が美味しかったり、美味しいコーヒーが飲める喫茶店があったり。それらを行き帰りに堪能するのもまた、山を訪れる楽しみの1つです」

「山に行く理由はなんでもいい。楽しみがいくつもあると、もっともっと山に行きたくなる」と四角さん。身の丈にあった「両思い」になれる山を探して、まずはゆっくり楽しみながら登ってみましょう。きっと自分なりの山歩きの楽しみが見えてくるはずです。

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