1. トップ
  2. 恋愛
  3. 「だ、だれかいるーッ!」窓の前を【行ったり来たりする不審な影】の正体は?

「だ、だれかいるーッ!」窓の前を【行ったり来たりする不審な影】の正体は?

  • 2025.10.26

新しい施設ができると、地域に活気が生まれ、利用する人の気持ちも明るくなるものです。しかし、新しく清潔な空間にもかかわらず、ふと違和感を覚えたら……? 今回は、私が体験した不思議なエピソードを紹介します。

町にできた待望の施設

数年前、私の地元に新しい交流施設が建ちました。スタジオやトレーニングジムもあり、イベントや集まりができる広い会議室まで揃っています。

これまで何もなかった町に突然現れたような大きな施設に、地域の人々はみんなワクワクしていました。
そして、オープンした後は私自身も、子供会や会議でよく利用するようになりました。

どうしても気になる一角

便利で明るい施設なのに、私にはどうしても引っかかる一角があります。そこに足を踏み入れると、空気が少し重いような、胸の奥がザワザワするような不思議な感覚になるのです。
何となく嫌だなと感じつつも、忙しさに紛れて気のせいだとやり過ごしていました。

通り過ぎる黒い影

ある日の夜、スポーツ協会の会議が開かれました。昼間はにぎやかな場所も、夜になると人がまばらで静まり返ります。そのとき私は、ガラス戸の前を横切る黒い影をハッキリと見ました。

最初は他の利用者だと思いましたが、その影は何度も行ったり来たりを繰り返します。思わず隣にいた知人に「さっきから黒い人が通ってるけど、知ってる?」と尋ねると、「え? 誰も通ってないよ。怖いこと言わないで」と返されました。

驚くことに、会議室にいる誰一人として気づいていないのです。影は私の視界にだけ現れ続け、背筋が冷たくなるのを感じました。

母が語った土地の記憶

後日、その出来事を母に話すと、「あの場所、私が子どもの頃は病院があったんだよ。今よりずっと亡くなる人も多かった時代だからね……」と教えてくれました。

新しく整った交流施設に姿を変えても、その土地に刻まれた記憶は残り続けているのかもしれません。にぎやかな声に包まれる今でも、過去を知る者たちがふと姿を見せる……そう思うと、不思議と納得がいきました。

時に現れる場所の記憶

明るさや新しさだけに目を向けるのではなく、その場所が歩んできた歴史や背景に思いを寄せることも大切だと感じました。
普段は人々の笑顔で満たされる交流施設であっても、時には過去の記憶が顔をのぞかせる。私が見た黒い影も、その土地の一部だったのかもしれません。

【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:hiroko.S
4人を育てるママライター。20年以上、接客業に従事。離婚→シングルマザーからの再婚を経験し、ステップファミリーを築く。その経験を生かして、女性の人生の力になりたいと、ライター活動を開始。現在は、同業者や同世代の女性などにインタビューし、リアルな声を日々収集。接客業にまつわる話・結婚離婚、恋愛、スピリチュアルをテーマにコラムを執筆中。

元記事で読む
の記事をもっとみる