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おしゃれな人の家にあるのは、アートでも観葉植物でもなく“仏像”だった。

  • 2025.10.26

「仏像を飾る」と聞いて、ピンとこない人も多いだろう。だが、一度その目で見てみれば、常識はひっくり返される。ミニマルな部屋に置かれた鎌倉時代の誕生仏や現代的な空間に佇む平安時代の観音菩薩像。銀座で開催されるある企画展は、古美術が持つ無限の可能性を教えてくれる。それは、ただの装飾ではなく、あなたの部屋に「歴史」という唯一無二の深みをもたらしてくれるはずだ。

古美術を部屋に「しつらえる」という選択。

銀座のダンスクムーベルギャラリーが、奈良の古美術店NAKAGAMIと協力して開催する『古美術をしつらえる』。北欧家具を扱うインテリアショップが、あえて提案するのは「どんなインテリアにも古美術は馴染む」という新しい楽しみ方だ。

近年、少し高くても本当に気に入ったものを長く大切に使う、という価値観が主流になってきている。それは家具だけでなく、空間を彩るアイテムにも言えることだろう。ポスターやプリントではなく、何百年も前に作られた本物の美術品を、自分の空間に迎える。

長い歴史を生き抜いてきた「本物」は、現代の暮らしに豊かな深みを与えてくれる。それは贅沢であると同時に、究極にサステナブルで、そして何よりカッコいい選択なのだ。

「詳しくないから」は、もったいない

古美術や骨董と聞くと、専門知識がないと入りにくい世界だと感じる人も多いだろう。でも主催者のメッセージは明確だ。「知識云々よりも、インスピレーションを大事にしてほしい」。

古美術店NAKAGAMIさん曰く「これ、部屋に飾ったらかっこよさそう」「この仏像、可愛らしい」——そんな直感こそが、モノ選びの原点であると。実際、平安時代の観音菩薩像も、鎌倉時代の誕生仏も、現代的な空間に置いてみると驚くほどモダンに映るから不思議だ。

展示される主な作品

今回の展示では、以下のような格の高い古美術が揃う。

古銅誕生仏(鎌倉~南北朝時代) 小ぶりな佇まいが空間に品格を与える。

赤樂猪口(江戸時代/17世紀)

金銅五鈷杵(鎌倉時代/12-13世紀)

ガラス製書簡容器(ササン朝/5-6世紀)

  • 興福寺伝来 木彫観音菩薩像(平安時代)
  • 青銅経筒(平安時代)
  • 金銅阿弥陀如来像(新羅時代)
  • 本阿弥光悦筆 和歌懐紙(桃山~江戸時代)
  • 漆絵瓶子(室町時代)

宗教美術を中心に、茶道具や現代作家の作品も交えた構成。小さめの作品も多く、飾りやすさも考慮されている。

ミクスチャーな感覚で、空間を楽しむ

インテリアのトレンドは、様式を統一することではなく、異なる要素をミックスすること。モダンな空間にヴィンテージのアイテムを合わせたり、ミニマルな部屋にアートを添えたり。スタイルは人それぞれだ。

その延長線上に、古美術がある。どんなテイストの部屋であっても、何百年も前の仏像や茶道具が一つあるだけで、空間の質が変わる。それは単なる装飾ではなく、自分が「居心地よく過ごせる空間」を作るためのピースなのだ。

北欧スタイルでも、インダストリアルでも、和モダンでも。古美術は意外なほど懐が深く、様々なインテリアに溶け込む。実際にギャラリーで様々な家具と組み合わせた空間を見れば、その可能性を実感できるはずだ。

気軽に、でも本物を

このイベントの良さは、肩肘張らずに本物に触れられることだろう。スタッフは親身に対応してくれるし、「これ、うちに置いたらどう見えるか」といった相談にも乗ってくれる。

古美術の世界では「本物を手に入れる」というハードルは想像より低いこともある。まずは実際に見て、触れて、自分のインスピレーションを信じてみるのがいい。

週末の銀座で、新しいインテリアの可能性に触れてみてはどうだろう。

古美術をしつらえる』開催概要

  • 期間: 2025年11月21日(金)〜11月24日(月)
  • 時間: 12:00〜18:00(会期中予約不要)
  • 会場: ダンスクムーベルギャラリー東京都中央区銀座1-9-6 松岡第二銀緑館2F
  • TEL: 03-6263-0675
  • URL: http://www.republicstore-keizo.com/dmg/
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