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予算12,000円で、女性が満足する美食度が高い和食店。会食にもオススメ!

  • 2025.10.26

仕事において重要なのはもちろん中身であるのだが、こと会食となると「舞台」の果たす役割は絶大だ。

東京カレンダーの絶対領域であるレストランの知見を駆使し、会食専門家・yuuu氏の全面協力のもと、その最適解を構築。

「会食を制する店」。この最強の布陣は、価値がある。

今回のテーマは、「予算12,000円で、食べ慣れた女性が満足する美食度が高いお店」だ。

この物語の主人公は……
大手広告代理店・グループマネージャー 須藤友利氏
東京カレンダー


学生時代から憧れていた先輩の背中を追いかけ、念願の広告代理店に入社。化粧品メーカーをクライアントに持つ。営業で頭角を現し、昨年マネージャーに昇格。推し活中のグループがいて海外フェスにも遠征する。

食レベルが高そうな空気感の店で、今宵の期待値をしっかりと上げる
広尾『味のなかむら』の外観
店は高級マンションが立ち並ぶ落ち着いた住宅街に立地。広尾駅からは徒歩7分ほど、タクシーで乗りつける大人も多数。店名はエントランスを照らす灯りにさり気なく記される


緑の多い閑静な通りでクライアントを待つ。化粧品メーカーのマーケティング部から3名参加の予定で、全員が女性だ。

新ブランドの広告戦略プランがひと山を越え、成果が見えてきたタイミングでの会食。売上成長に向け、次なる広告提案に動き出していきたい。

普段、現場に来ることのない先方部長とは初対面なので、しっかりと成果を伝え親睦を深めたい。

“良店の貫禄を醸しつつかしこまり過ぎない”が、この予算の会の狙いどころ


相手は全員女性ゆえ店は細やかなところまで雰囲気を重視。当方の男性社員との鉢合わせを配慮して化粧室が男女別であることも必須だ。そこで頼ったのは、社内の“会食有識者”。

「予算12,000円で、食べ慣れた女性が満足する美食度が高いお店」と薦められたのは、和食を主とする大人の酒場『味のなかむら』。

広尾『味のなかむら』で提供しているワイン
フランスを中心としたワインは、赤白それぞれ10種類ほどを常備。1本¥6,000~。その他シャンパンや日本酒、ウイスキーもそろえ、ボトルの持ち込みも可。持ち込み料1本¥3,000


先方部長がワイン好きと話すと、先輩は「和食との相性も考える相手ならこの一本がいいよ」とアドバイスをくれた。

木曜18時半、到着した先方が店前で待っていた私に気づき、「先に入っていただいて良かったのに〜」と笑顔で駆け寄ってきてくれた。

広尾『味のなかむら』の内観
8名まで座れる掘り炬燵の個室。内装は“モダン民芸”をテーマに、高級ホテルも手がける「スーパーポテト」がデザインした


重厚な木の扉を開け下の階に導くと、「素敵なお店」と女性陣が口々に。今晩のために押さえたのは、地下にある半個室。寛いで過ごせる空間だ。

同価格帯では、頭ひとつ抜きんでた料理の数々で満足度をしかと担保


20年以上続く『並木橋 なかむら』の系列と聞けば、安堵する人は多いだろう。

各店、“酒場”を名乗るが、和食としてハイレベル。そんな店のコースが10,000円で満足度が高いというから、ホスト会計の時にありがたい。

広尾『味のなかむら』の「セロリ餃子」
東京カレンダー


和食屋が作るこだわりの「セロリ餃子」は黒にんにくがアクセント。

広尾『味のなかむら』の「名物 鱧カツサンド」
東京カレンダー


揚げたてのハモと梅干タルタルを挟んだ「名物 鱧カツサンド」。

広尾『味のなかむら』の「葱鮪汁」
「葱鮪汁」


この日は春菊と柿のサラダから始まり、ネギマ汁の滋味深い出汁が胃を温める。そこにまぐろのたたきのワンタンが入っているのも流石の一流酒場だ。

さらに好みを調べて持ち込んだアルザスのリースリングが鰹だしにぴったり合う。驚くほどの相乗効果に先方部長は大喜び。

「このワインを教えてくれた先輩とぜひお会いしたい」と声を弾ませた。

広尾『味のなかむら』の「鱧と松茸の陶板焼きめし」
自家製みそのみそ汁がつく「鱧と松茸の陶板焼きめし」。料理はすべて¥10,000のコースから。お酒好きなクライアントの場合は、コース内容と価格をお店に相談してみても良い


そして〆の“鰻と松茸の焼きめし”が登場すると全員が歓声を上げ、一体感と熱量が一気に高まった。

お腹が満たされ、先方もほろ酔い。終盤、夏休みの話になり先方部長の推し活事情が発覚した。私が推すグループとは別の事務所だ。

以前、阪神ファンのある先輩が「会食でプロ野球の話はしない」と話していたが、推し活話はどうか?対戦ではなく、むしろ仲間だ。共感を込めて部長に話を聞いた。

「何をきっかけに好きになりました?」

「グッズとかもけっこう買いますか?」

部長は普段推し活話をする相手が少ないらしく饒舌に。聞くのに徹した。

その話を続ける意図ではないが、ぐっと温まった空気を2次会にもっていかないわけがない。店内で2次会を提案すると全員が参加することに。バーかカラオケのできるラウンジかどちらがいいか聞くと、意外や先方はカラオケに乗り気。

恵比寿の店に人数を伝え、席を確保。大盛り上がりの2時間を過ごした。

初対面の部長に対してカラオケの提案はある種賭けだったが、「2次会は勝負に出たほうがいい」との上司の言葉は本当だった。

手土産を渡すのが大袈裟な時は「プチギフト」のサプライズを
手土産を渡している様子
贈り物は誰でも嬉しいもの。会の趣旨や予算的に手土産を用意する雰囲気ではない場合、サプライズとしてプチギフトを渡すといい。¥1,000程度で買えるスイーツやキャンディなど“小さくて可愛いもの”が重過ぎず、好印象だ


奇しくもこの日用意したプチギフトは、マヌカハニーのキャンディ。「熱唱したからちょうどいい(笑)」と先方チームが再び笑顔になり解散。

3週間後、先方部長と例の先輩と私のワイン会が実現。あの会食の夜が信頼へと繋がったということだ。

【エンゲージメントを高める一手】


◆相手の想定を超える粋な配慮で心を掴む

クライアントの好みのお酒を聞いて持ち込んだり、飲めない人がいたら美味しいノンアルコールの飲み物を用意したり。相手の会社の商品をさりげなく目のつく場所に置いてもらえるよう交渉したりも。

ほかの人がしないような気遣いは、相手の記憶に深く残る。

◆無意識レベルの快適さを徹底的に追求する

「不快さ」は印象に残るもの。相手方が女性の場合は特に店の快適さの徹底調査を。

化粧室がきれいか、BGMが賑やか過ぎないか、清掃が行き届いているか、電波があるか、客層は落ち着いているか……。心地良い時間は細やかに下調べしてつくるものなのだ。

◆2次会の移動までも気を抜かず、スマートな導線を用意しておく

2次会のプランは「食べる・飲む・歌う」で、数パターンは用意しておきたい。

移動時は、スムーズにアテンドできるようタクシーの手配はマスト。タクシー配車アプリで手配をしておけば、事前に支払いも済ませておけるので、相手に気を使わせなくて良い。

「12,000円会食」成功の舞台は……『味のなかむら』

『並木橋 なかむら』を軸に、赤坂『分店 なかむら食堂』、池尻大橋『KAN』、代々木上原『蕎麦屋 山都』など、そのエリアに根ざした店を打ち出す「なかむら」ブランドの集大成となる一軒。

■衣装
ジャケット¥64,900〈ソブ/フィルム TEL:03-5413-4141〉、ニットソー¥119,900〈イレブンティ/三喜商事 TEL:03-6426-5481〉、スカート¥18,700〈エリオポール/エリオポール代官山 TEL:03-3770-6438〉、バッグ¥75,900〈ジャンニ キアリーニ/ジャンニ キアリーニ 銀座店 TEL:03-3573-7600〉、時計¥251,900〈ロンジン/スウォッチ グループ ジャパン TEL:03-6254-7200〉

▶このほか:会食に慣れた相手には、王道ではなく六本木の“タイ料理”を達人が選ぶワケ

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