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「こうちゃんと出会えたことは大きな宝」――森崎ウィン×向井康二、初共演で育んだピュアな絆 “リアルにキュン”としたラブシーンも

  • 2025.10.25
森崎ウィン×向井康二 クランクイン! 写真:上野留加 width=
森崎ウィン×向井康二 クランクイン! 写真:上野留加

大ヒットBLドラマ『2gether』のチャンプ・ウィーラチット・トンジラー監督が、東京とバンコクを舞台に紡ぐ新たなラブストーリー『(LOVE SONG)』(10月31日公開)。大学時代に突然姿を消した初恋の人・カイと、異国の地タイで6年ぶりに再会したソウタ。心に封じた淡く切ない想いが静かに動き出す一方で、カイもまた、あの頃歌った“未完成のラブソング”をずっと胸の奥に抱え続けていた――。そんな不器用でピュアな2人の“両片想い”を、ソウタ役の森崎ウィンとカイ役の向井康二が愛おしさたっぷりに体現。撮影を通じてすっかり仲良しになった2人が、初対面で感じた空気や、リアルにキュンとしたと振り返るラブシーンの裏側、そして出会いから受けた刺激までを、時に笑いを交えて語ってくれた。

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■初対面で安心感 「ちょっと弱みを見せてもいいかもしれない」と思えた

――森崎さんは、メーカーの研究員で几帳面な性格のソウタ役。ご自身とは真逆のキャラクターで不安もあったそうですね。本読みで向井さんと対峙して「踏み込んでいいと思えた」とコメントされていました。

森崎:脚本を読んだ段階では、いろいろ想像して「こうかな」「ああかな」って考えるんですけど、やっぱり一番時間を長く過ごす相手役がどういう人かって大きいじゃないですか。カイはテレビで見る“こうちゃん”のイメージともまた違うと思っていたので、最初は「実際会ったらどうなんだろう」「人間的に合うかな…」ってすごく考えていました。

でも、本読みの前に、監督がタイから来られた時に少しだけあいさつする機会があって。その時、ほんのすれ違い程度だったのに、なんか“初めまして感”がなかったんですよ。うまく言葉にできないけど、もう「大丈夫だな」って。ちょっと弱みを見せてもいいかもしれないって感じたんです。

それで実際に本読みでこうちゃんの声を聞いた瞬間、すごい安心感がありました。ソウタって気風が激しいところもあって、正直自分でもつかみきれない部分があったんですけど、「彼がどしっと構えてくれてるなら、飛び込んでいいんだ」って思えたんです。

――向井さんは、初めて森崎さんに会った時の印象は?

向井:僕も同じ感じでした。初めましてなんで、どういう感じでいこうかなみたいに考えてたんですけど、意外とすっと話しに行けたんですよね。テレビやネットで見ていると、なんとなく人柄って伝わってきますよね。ほんと思った通りの方でした。嫌なところが全くなくて。お芝居が好きなのもすごく伝わってくる。真っすぐで、裏表がないんです。

――向井さんは、クールでミステリアスなカイという役柄。ご自身との共通点や、難しかった点は。

向井:カイはカメラマンでバンドマンなんですけど、あんまり口数が多くないので、そこが少し難しかったです。自分とは似てない部分が多いかもしれないですね。僕はしゃべっちゃうタイプなんで、正直、苦手な性格です(笑)。

森崎:現場でも“カイ、ムカつくな”って言ってました(笑)。

――「はっきり言えよ」と(笑)。今回カイとして歌声も披露されていますが、ライブシーンはいかがでしたか?

向井:1日がかりの撮影で、何回も歌ったので、それが一番大変だったかもしれないです。

――森崎さんは、ご自身が映らないシーンでも現場で見守っていたそうですね。

森崎:現場には一緒に入っていたので、歌っている姿はずっと見て、聴いていました。「こうちゃん大変そうだな」と思いながら。

――声をかけたりは?

森崎:その日は別行動っぽくて、タイミングがなかったんですよね。

向井:でも歌声でそばにいたっていう感じです。

森崎:(ニコニコ)

■リアルにキュンとしたシーン! 「されるがままでした(笑)」

――恋の場面を演じるにあたって、美しく見せたいなど意識されたことはありますか? また、ときめくようなシーンの裏エピソードがあれば教えてください。

向井:キスするシーンがあるんですけど、距離があって、「遠っ!」ってなりました(笑)。でも完成した映像で観たら、美しく撮れていて「綺麗だな」と思いました。

森崎:映画って、レンズ越しで観ると本当に美しいんですが、演じてる側は実はすごい腹筋使ってたりするんですよ(笑)。でも、その瞬間それを感じさせないこうちゃんのあの余裕感! だけど目の前にいる僕にはわかるので、「あ、すごいがんばってこっち来てる」って。僕は座ってるだけなんですけど(笑)。

――監督からそういったシーンでの演出はありましたか?

向井:この質問よくされるんですけど、意外と覚えてないんですよ。

森崎:僕も。監督ってあまり細かい演出をするタイプじゃなくて、すごく“画”を大事にする方なんです。僕らには思いつかないようなカットを撮ったりして、後で編集をされたものを見て、「こうなるんだ」と思うことが多々ありました。

キスシーンも「ここでキスしてほしい」っていうシンプルな指示だけ。後ろで雨が降っていて、光が差して、ガラス越しの大きな窓があって…。「この画を撮りたい」っていう監督の気持ちはすごく伝わってくるんです。でも、結構遠いんだよっていう(笑)。

――ラブシーンの撮影では、現場の空気はどんな感じだったんでしょう。

森崎:気まずさとかは全くなかったですね。やっぱり、現場でやってみないと分からない動きも多くて。あるキスシーンも、見た目より人間の動き的にちょっと難しかったり。

向井:僕が一応、支えてる側で。

森崎:そうそう。あのシーンは監督が「これは1発本番でいこう」と言ってくれたんです。普段はあまりそういう言葉をかけないんですけど、あれだけ「サッとやって終わろう」みたいな。だから僕も、事前に「こういう流れね」って確認してたんですが、始まってみると全然違う動きになって。こうちゃんに引っぱられて、ゴロンって転がっていっちゃったり(笑)。

向井:あれ、難しかったよね。「どこまでやる?」みたいな。カイがずっと受け身なのも違うよねとなって。そのシーンの終わり方的にも、いっそ思い切ってやった方がいいのかなって思って。

森崎:その、シーンの詳細については、撮影後に説明されたんですよ。だから、あの時僕はされるがままでした(笑)。「ああ!」ってなって、「やばい! スイッチ入った!」みたいな(笑)。あれはリアルにちょっとキュンとしました。

段取りを確認するのも俳優にとって大事な仕事ではあるんですが、本番でしか生まれないものって絶対にあって、あの瞬間はまさにそうでした。こっ恥ずかしさはあったけど、「あ、こんなにキュンとするもんなんだ」って。

――向井さんもリアルにキュンとした瞬間、ありました?

向井:僕は、リビングでキスした後のウィンくんの顔! あるでしょ、ポケモンの技で「つぶらなひとみ」ってやつ。あれです、“ウィンの瞳”(再現)。

森崎:(爆笑)

■「バイク似合うな」 お互いのシーンの見どころ&思い出のロケ地を告白

――それぞれ、相手のシーンの見どころを教えてください。

向井:自分がいないシーンは見てなかったので、日本の会社のシーンやタイの場面、ミッチー(及川光博)さんとの掛け合いとか、すごく新鮮でしたね。ソウタのもう1つの顔じゃないですか。違う表情を見られたのが楽しかったです。

森崎:僕が好きなのは、雨の中、カイがバイクに乗っているシーン。「あ、バイク似合うんだな」って。

向井:こだわりました、クラッチの感じとか、水しぶきの出方とかね。「ここスローでしょ」って思いながら(笑)。

森崎:あはは、向井康二のシーンはスローが多いんです(笑)。ふだんバイクに乗ってるイメージがないので、完成した映像を観て「お、こうちゃんいいな」って思いました。

――タイのロケで印象的だった場所や、食べ物はありますか?

向井:お寺(※タイ・バンコクにある寺院「ワット・アルン」)ですね。

森崎:お寺はやばかった(笑)。


向井:この前YouTubeの撮影でまた行って、懐かしかった。

森崎:ソウタの妄想の中で、タイの寺院でカイを見かけるんですけど。民族衣装を着たカイがギターを持っていて…その姿を見たソウタが「キラキラキラ~」ってなる。そんな妄想あります!?

向井:マジで僕の思い出の場所になりました(笑)。

――あのシーンはお二人で現場にいたんですか?

森崎:いました。別撮りじゃなくて、僕が撮ってる時も、こうちゃんがカメラの後ろで付き合ってくれて。

向井:でもさ、一般の方も普通に通るから、「何してんのかな」って通りすがりに見られるんですよ、「ん?」って(笑)。

森崎:民族衣装までは“観光かな”ってわかるんですけど、なぜかギターを持って、すんって立ってるから(笑)。

向井:勘弁してほしかった(笑)。

森崎:あのシーンは最高でした。

――食べ物で印象的だったものは?

森崎:虫です(笑)。

向井:意外とおいしいですよ。ポテトチップスみたいで。

森崎:全然違う(笑)。

向井:味はね、食感がね。

森崎:たまに汁っぽいのが出てくるのもあって。

向井:(笑)。ムニムニしてます。

■「こうちゃんと出会えたことは大きな宝」

――お互いがソウタ役、カイ役で良かったなと思った瞬間を教えてください。

向井:ソウタのピュアで真っすぐなところが、ウィンくんにぴったりでした。その純粋さと真面目さが、同時に表情に出るんですよね。あと、話し合いも大きかったです。僕、あんまり得意ではないんですけど、ウィンくんとは自然にできたんです。それが発見でもあったし、貴重なことだと思います。

森崎:僕もそれは本当に同感です。こういうのって、巡り合わせですよね。もちろんお互いプロとして現場に来てるので、誰が相手でも「絶対いい作品を作ろう」って気持ちになって、最終的にはこの人でよかったなという感想になると思うんです。ただ、こうちゃんは特別でした。

共演して1番すごいなと思ったのは、タイの撮影中もロンドンに行ったり日本に帰ったり、本当に忙しいスケジュールの中で、疲れている瞬間を一度も見せないんです。仲良くなって何でも話せる関係性ではあったと思うけど、弱音を吐かずちゃんと背負って勝負に来る姿勢に、すごく刺激を受けました。これは応えなきゃいけないぞと。「(相手が)向井康二だからこそ出せたものがある」と思えるんです。本当にこうちゃんと出会えたことは、僕にとって大きな宝です。

向井:それは僕も同じですね。今日は(映画の完成披露の)記念日だから、コーニャが支えます。

森崎:アーニャね(※森崎が出演するミュージカル『SPY×FAMILY』のキャラクター)。わかりづらいボケですみません(笑)。


■友情と愛情の境界線は?

――ソウタとカイは、友情が恋に発展しますが、最後にお二人が思う“友情から愛情に変わる境界線”は?

向井:あるよね、そういうの。難しいけど…“会いたくなったら”じゃないですか? 遊びたいな、じゃなくて、「会いたいな」って思ったらもう恋だと思います。

――なるほど。

森崎:友情は時にはライバルになったりする時もあるし、お互い同じ方向を向いて肩を並べてるイメージ。愛情は向き合ってるって感じがします。

向井:おしゃれな回答! 後の方が有利だなこれ。

森崎:そう、後が有利(笑)。ボケてくれたら真面目に返せるから。

向井:いや僕ボケてないよ!

森崎:あ、そっか(笑)。

(取材・文:川辺想子 写真:上野留加)

映画『(LOVE SONG)』は、10月31日より全国公開。

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