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脚のカサカサ・かゆみに困ったら必見!【乾皮症】の正しい保湿ケア法とは?

  • 2025.10.23

脚のカサカサ・かゆみに困ったら必見!【乾皮症】の正しい保湿ケア法とは?

空気が乾燥する季節。脚のすねがカサカサになり、かかとにはひび割れが……。皮膚のうるおいが失われる乾皮症(かんぴしょう)は、かゆみを我慢できずに強くひっかくと、悪化して乾燥性湿疹になることも。予防がなにより大事です。

皮脂が減少し、水分が失われてカサカサの乾燥状態に

秋から冬へと季節が進むにしたがって、気になるのが肌の乾燥。脚のすねやひざがカサカサしたり白く粉をふいたようになったり……、かかとはカサカサを通り越し、ひび割れができることもある。そして、かゆみを伴うことも多い。

「乾皮症といわれる状態ですね。皮脂欠乏症ともいいます。皮膚の表面は皮脂でおおわれています。皮脂には内側のうるおいを保ち、外からの刺激を守る働き(バリア機能)があります。皮脂が減少するとこのバリア機能が低下し、皮膚のうるおいが失われて乾燥します。これが乾皮症。いわゆる乾燥肌です」と、常喜医院院長の常喜眞理さん。

皮膚のバリア機能が低下するのには、さまざまな原因がある。

「気温や湿度の低下、エアコンや暖房による室内の乾燥、加齢による皮膚の変化、誤った入浴方法などです」

加齢で、皮膚の角質層にあるうるおいを保つ成分(天然保湿因子や細胞間脂質)や皮膚表面の皮脂が減少したり、皮膚のターンオーバー(皮膚の新陳代謝のサイクル)が遅くなったりすることも一因となる。

「複数の原因が重なっているケースが多いですね。カサカサするくらいであれば、保湿剤でセルフケアを。乾皮症で避けたいのは、ひっかくことです。乾燥が進むとかゆみが出ますが、かくとさらにかゆみが増します。傷ができるとさらに刺激を受けやすくなり、悪化して乾燥性湿疹になることがあります。そうなると、治るのに時間がかかります」

強いかゆみはつらく、なかなかがまんできないし、眠っている間にかいてしまうこともある。

「かゆみがひどい、かいて傷ができてしまった、赤みがある、などの場合は早めに皮膚科で受診しましょう。放置すると感染症を起こす場合があります。皮膚科ではステロイド剤で炎症を抑えます。かゆみを抑える薬を服用する場合もあります」

スキンケアは年間を通して。保湿を入浴後の習慣に

乾皮症は予防が最も大事だという。

「まずはスキンケアです。空気が乾燥する季節だけでなく、年間を通して保湿剤を使って保湿し、皮膚のバリア機能を保つことが大事です。夏でもエアコンによる乾燥で乾皮症になることもありますから」

入浴の方法も見直したい。

「さすがに最近はいなくなったと思いますが、ナイロンタオルでゴシゴシ体をこすることはやめましょう。汚れはこすって落とすのではなく、石けんやボディシャンプーをよく泡立てて、泡に吸着させて力を入れずに落とします。泡立てネットなどを使うのもいいと思います。皮膚を清潔に保つことは大事ですが、洗いすぎには気をつけたいものです。お風呂のお湯は熱いと皮脂を落としすぎてしまうので、ぬるめがおすすめ。入浴剤を使うのなら保湿作用のあるものを選びましょう」

入浴後は体が湿っているうちに、できるだけ早く保湿剤を塗りたい。

「保湿剤はローションやクリームなど、市販のものでOKです。ステロイドの入っていないもので、自分の肌に合った好みのものを選びましょう。私はお風呂から出て5分以内に、顔に化粧水をつけ、全身に保湿剤を塗ることを習慣にしています。つめも皮膚の一部なので忘れずに塗ります。自分なりの手順を決めると習慣化しやすいと思います」

乾皮症になりやすいのは脚のすねやかかと、ひじ、背中、肋骨の両脇からおなかにかけてなど、皮下脂肪の少ない部位。「ひっかいて傷になると傷が治りにくい部位」でもあるため、ていねいにケアしたい。

下着は肌に優しい素材のものを。加湿器は手入れをしっかり

肌に直接ふれる下着類にも気を配りたい。

「摩擦で静電気が起きやすい素材は避けたいですね。今は肌に優しい素材がいろいろ開発されているので、天然素材にこだわらなくてもいいと思います。自分の肌に合ったものを選びましょう」

暖房器具を使う時期は室内の乾燥も気になる。

「湿度を上げるなら、室内にぬれタオルを下げておくだけでも効果があると思います。加湿器を使う場合は、かびや菌が発生しないように手入れが大事です」

その他、食事はビタミン、ミネラル、たんぱく質、脂質、糖質など、栄養バランスを考えて。皮膚には内的&外的ストレスが表れやすい。質のよい睡眠を保つなど、健康を守るための基本的な生活習慣がとても大切だ。

「お酒や刺激物をとると体温が上がって肌がかゆくなったり、かゆみが強くなったりするので、とりすぎないようにしましょう」

【ドクターから一言】
乾燥を防ぎ、健やかな皮膚を保つためには、毎日のスキンケア(保湿ケア)で皮膚のバリア機能を維持することが大切です。

取材・文/田﨑佳子

※この記事は「ゆうゆう」2024年12月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

※2024年11月4日に配信した記事を再編集しています。

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